滝見、花見、山歩き?

栃木県日光市
田母沢〜モッコ平



                  



2019,5,17 訪問


(時間などは参考になりません)
              
 羽黒尾根〜田母沢右俣からの続きです.

 田母沢右俣の10m滝は右を巻きます.滝上の沢に下りると滝の落ち口です.沢は明るく広いので滝頭に立って下流を眺めると爽快感があります.沢の水は結構あるので、此処から150mも遡行すると水が涸れてしまうとは想像もつきません.この沢水の殆どは少し上流の左岸から落としている大量の湧き水なのです.(以前、羽黒尾根から下降し、右俣の上流滝マークを見に行った時の記録

 そこ(湧き水斜面)迄はそれ程時間が掛からないのですが、今日は見に行きたい気分を抑えて、中間尾根を登ります.奥へ行くに従って右岸(左岸もそうですが)は厳しい等高線になり、尾根に上がれるか判らないからです.

 当初は、10m滝下から二俣迄戻って尾根裾から取り付く予定でしたが、戻るのが面倒になり、此処(滝上右岸)の斜面に取り付く事にしました.10m滝下右岸はハング壁が巻いていて登れそうにありませんでした.で、下から上を見た時登れそうな斜面に見えたからです.

 取り付いてすぐの岩場の切れ目から上がる事が出来ました.尾根までは少し急ですが藪もなく登り易い斜面です.

  下手ですがデジ一画像もどうぞ



高巻き中に俯瞰



滝頭


右岸から上流.何かモヤっぽい


中間尾根へ、登り易い斜面です


尾根に出たら、ミツバツツジが早速咲いてました
 中間尾根の1270m付近に出ました.足元には下から上がってくる踏み後(多分鹿道)があり、ポツポツとミツバツツジが咲いています.疎らに灌木やナラ系の木が生え、地面にはそれ程密ではない笹が膝下程度の高さで覆っています.勾配もさほどきつくはなく、ツツジの花を撮りながら登っていきます.

 1350m辺りでしょうか、足元にアカヤシオの花びらが落ちていました.上を見ると、旬は終わって僅かばかりの花を付けているアカヤシオがありました.下ばかり見て登っていたので気が付かなかったのですね.登るにつれて少しましなのが出てきますが、生えてる木の数はそう多くはありません.

 1400mを過ぎた辺りから田母沢左俣を目指してトラバースを開始しますが、尾根へ上がっていく鹿道の他に分岐して(やはり鹿道が)トラバースするようについています.此処の斜面はきつくないので、それがなくても大丈夫ですが、此処は楽して鹿道を歩きましょう.




曇ってるからちょっとくすみがち




蕾のシロヤシオ













足元にアカヤシオの花びら


よく見るとアカヤシオの木があちこちに



大きなブナもあります




樹間越しにモッコ平



涸れ沢


アカヤシオがありますね
 間もなく以前通った事のある涸れ沢に出ました.下流両岸にポツポツ花を付けたアカヤシオが見られましたが、ほぼ終わってる木の様なので見に行かず沢を横断します.小尾根を乗越すと結構綺麗なアカヤシオが多くありました.(袈裟丸とか半月古道等の比ではありませんけど) 休憩を摂りあちこち歩き回って花撮影などします.GPSにポイント入力をしておきましょう.ああ、此処の標高は1430mと出ました.

 暫く撮影を楽しんでから、沢下降点までその小尾根を登って行きます.少し急ですが、枝尾根があってその下斜面には鹿道が横断する様に付けられています.そこまで、膝下の笹斜面を下りていきます.鹿道はそのまま横断を続けているので、こちらはそれ(鹿道)から離れて尾根を下りていきます.

 尾根の(下降方向)左側にとても綺麗な光景が現れました.苔の着いた岩と疎林のまるで庭園を思わせる風景です.新緑が目に優しく、いつまでも眺めていたい様な、刻を忘れる様な、そんな空間です(←感じ方には個人差があるのでご容赦・・) 




へえ〜 結構咲いてる














私には充分です♪



下降開始


トラバースしている鹿道



ちょっと傾斜があるけど庭園風

 尾根の下降を続け、右寄りに下りていくと涸れ沢に出ました.何と、小枝にビニール紐の切れ端を巻いてあるのを発見.ボロボロになっているのでかなり前のものでしょう.この涸れ沢にルートでもあるのでしょうか? 概ね、この様な涸れ沢が急峻に落ちている先は概ね涸れ棚とかになっているものです.簡単に沢に下りられるぞ、、という期待を持ってはいけません.

 当たりで、下りていくとすぐに涸れ棚(滝)になっている様です.下降は無理なので涸滝の頭を横断し、(涸れ沢)右岸にある枝尾根を登る様に回り込んで、下降が可能かどうか窺います.7−8m下に沢床が見え、その向こうに広い滑があります.ザイルを使い懸垂で沢床に下りました.すると、落ち葉と土に埋もれたトラロープを発見.引っ張ってみると、ロープは泥土斜面から飛び出し、下りてきた右斜面の上からフイックスされている事が判りました.

 驚きですね.こんな所に誰が来るというのでしょうか? 沢に水はないので釣り屋さんではないでしょうし、キノコ採りさん等でしょうか? 深く考えても平凡な私に答えは出ませんので、目の前の光景を楽しむ事にします.(目玉風)涸れ滝の上(今立っている所)はやや傾斜のある滑岩で、そこで転ぶと掴む物が全くないから、ジャンプして滝下に落ちてしまう.だから、確保なしに滑の端っこには行けません.それでも開けた沢の下流がよく見え何とも清々しい.少し上流の方で下流の景色を見ながらお昼のおにぎりを食べます.あれ、曇っていた空から雨が落ちてきましたよ・・・



涸れ沢を下りていくと案の定、滝  向こうの枝尾根岩場を登る様に回り込みます




トラロープが設置されてました




ドンピシャリ 涸れ滝の上の滑岩 (ホントは斜面下降中見えてました(^_^;; ) 12:45



4m位の涸れ滝


←の上流に出ると 向こうに
 雨は、ポツリポツリで濡れる程ではありません.まずはこの上流の涸れ滝を見に行きます.水のない沢を上流へ歩いて行くとすぐに4m程の涸れ滝が頭に大きな倒木を抱えていました.此処は左を簡単に越えて行く事が出来ました.左岸壁はザクザクした岩が積み上がった様になっています.女峰山系で見られる特徴のある模様です.

 この涸れ滝を越えるとすぐ前方に結構大きい涸れ滝が見えます.2段で30m近くあるのではないでしょうか? 前回は左岸からあの涸れ滝の上流に下りたのでした.雨は相変わらずポツポツ降っています.雨具を着ける程ではありませんが、本降りにならない様祈りながら右岸尾根に上がる場所を探します.

 沢を少し戻ると、鹿道をみつけました.まてよ、鹿って水もない沢にわざわざ下りてくるんだろうか? 仮に横断するだけとしても、此処に下りては対岸を上る事は(例え鹿でも)困難でしょう.第一、フイックスロープを利用する事は出来ないし、その辺りに鹿道はなかった(気がする) ま、深く考えても平凡な・・・ああ、又



2段30m 涸れ滝




尾根に登っていきます 踏み後が右下から中央の木の下を通って
斜めについています


尾根に上がりました.倒木が邪魔だったのは此処だけ
残骸≠セけが目的だとすれば下流の二俣から遡行するか、源頭近くまで登山道を行きそこから下降する.というのが効率的で確実でしょう.ただ、遡行でも下降でも滝の多いこの左俣はその度に巻く必要があります.加えて湿った岩の滑る事といったら・・・ トレッキングシューズは不向きです.  それ程難しくなく右岸尾根に乗り、やや急な斜面を少しで緩くなります.膝程度の笹の中に踏み後(多分鹿道)があり、1600m付近の尾根分岐に向かいます.当初計画は、(沢から)右岸尾根を越え、高度を落とさずにトラバースしながらモッコ平1450m付近を通り、田母沢左俣上流に出る積もりでした.が、この尾根から眺め見る南側の渓は急斜面で厳しいです.尾根分岐まで登り、後は下り一辺倒といけばかなり楽な感じがします.

 尾根分岐は膝上の笹ノ原です.緩い下りになるから、重力も手伝って快適に下っていけます.沢を横断し、モッコ平を横断していきます.1530m付近です.セスナ機の残骸は何処にあるか? 検討をつけたのは1450m〜1500m位の沢としました.特に裏付けはありませんが、遡下降でないので、何処かポイントを付けておかなければいけないからです.適当といえば適当ですが・・・(沢に)下りた所から遡行し、なければ下降する、、という 得意の行き当たりバッタリ計画です.

 しかし、それも空は暗く雨がポツポツではテンションが下がりっぱなしです.疲れてもくるし・・・ まあ、5項目めは割愛してもいいかな、、で、下山する事にし登山道に出る事にしました.



右岸尾根にもアカヤシオ




つい撮ってしまいます



黒岩方向はガスに包まれています


あそこが尾根分岐 1620m付近でしょう


田母沢左俣上流部 1500m付近


白く光る物が・・・ 中央やや上



 田母沢左俣の上流に出ました.笹斜面を(高さ)10m位下りて湿った岩がゴロゴロする涸れ沢に出ます.湿った岩はトレッキングシューズでは良く滑ります.注意しながら岩の上に立ち、何気なく上流方向を見ると薄暗い沢の中に金属板らしい光って見えるものがありました.岩の表面が湿って光ってるのか?と、思いましたが、何か違う様なのでちょっと見てくる事にしました.

 上流方向へ4−5歩進むと沢の中に長方形の金属板が半分埋まっています.引っ張り上げてみると板には「サワルナ」 の文字が.板の材質はアルミの様な感じですがちょっと違う様でした.すぐ脇にもう一枚、さらにちぎれて折れた板も. 板と板を縫い付ける鋲の間隔は狭く堅固に造られていて、例えばサッシとか屋根に使う金属板とは明らかに違います.

 さらに、上流へ行き 先程見た物へ近づくと クシャクシャになった金属板に 「JA・・」 の文字と、その傍らにはタイヤがくっついた車輪がありました.ああ、これが資料にあったセスナ機の残骸なんですね.



何十年経ってるんでしょうか? それでも金属部分に錆は見られません. 右、黒く丸いのはタイヤ




上の画像の少し上流にもありました



モッコ平の笹藪は腰上以上あります


道に出ました.シンボル板がなければ(横断の場合)通り過ぎてしまいます



熊棚か? と、思ったら枝の様です

 偶然の結果ですが、5項目めもクリアできました.

 さあ、大手を振って帰る事が出来ますね(自分だけの事ですが(笑)) いつも長く感ずるモッコ平から寂光滝Pまではダラダラと下ります.寂光滝手前の急斜面で二人の若そうなハイカーが登ってきました.時間はもう16:00を過ぎています.挨拶をして、これから登るんですか?と訪ねたら「女峰山」と、言ってますが少し言葉があやふやです.今からだと唐沢小屋ですね、と続けて聞くと 「カラサワ?」 と首をかしげています.じゃあ、途中で暗くなるので何処かでビバークですかね? と、問いますが やはり判らない様です.

 一人が 「コトバ、ヨクワカリマセン」 という.ははあ、外人さんだ.こちらは相手の言葉を話せないし、二人とも結構大きなザックを背負っているので、それなりに準備してきているんでしょう.屈強そうだし.キャンプ?と聞くと判ったかどうか 「キャンプ、キャンプ」 と返事.じゃあ、気をつけてと英語は判らないから日本語で.外人さん達はオーケーオーケー と、手を振って登って行きました.今からだと馬立辺りで暗くなるだろうな・・・と、思いながら駐車場に戻り着きました.16:30


登山道脇のツツジ


若子神社



おまけ

下手ですがデジ一画像もどうぞ      Photo Nikon P7800 二代目 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.