山登り

日光市
大平山、社山
おおひらさん:1959m
しゃざん:1827m



                  



2018, 3,28 訪問


(時間は参考になりません)
下手ですがデジ一画像もどうぞ
              
 ここしばらく大月市の秀麗富嶽十二景を巡り、富士山を撮り歩いて来た.それも5ヶ所(6ヶ所だけど1ヶ所では見えず)に成った今、何となく飽きてきた感がある.そこで、気分をリセットする為に日光か足尾の山に行って、皇海山を少し大きく撮ってくるのもいいか、、、と、思った.

 皇海山を大きく見える所は何ヶ所かある.この季節の鋸山は別にして、庚申山、塔ノ峰、オロ山そして大平山へ登る南東尾根(九蔵沢右岸尾根) だろう.この中で展望が最も良いのは、オロ山と大平山への尾根.更には、足尾の山々から日光連山まで次々と現れ中々素晴らしい光景が見られるのは、大平山から社山へ続く稜線だ.お天気も良さそうだし、時間はかかるけどどうせ撮影でゆっくり行脚になるのだから、ヘッデンも計画の中に入れておけば、面白いかも知れない.

 ということで、足尾三川ダムから旧監視カメラ設置場所〜大平山〜社山〜南尾根下降を計画.この、右回り周回は若干ルートがはみ出たりしているが2014年の秋に一度歩いている. その時も天気が良く、見事な皇海山を見る事が出来た.ただし、その日はコンデジだけでデジ一を持って行かなかった.

 今回はデジ一と望遠ズーム、三脚を持って行くつもり.更に、残雪を考慮しワカンやアイゼン(10本爪)も必要だろう.チェーンスパイクだけでも良いかと思ったけど、標高と足尾の(冬の)厳しさから考えると、それは心もとない気がする.荷が重くなるのは仕方がない.

 午前4時に家を出て、三川ダムには5:30頃.朝飯(カップうどん)を食べて出掛けようとしていた時。東京ナンバーの乗用車が脇に停まった.私より少し若そうな人が下りてきて、中倉山への(取り付きまでの)ルートを訪ねられたので一応説明し、朝早い時間だから沢入山まで行くのですか? と、聞いたらそうだという.どちらへ?と聞かれたので大平山と答えたけど、判ってくれたかどうか・・・  気を付けて、とこちらは先行する.気温は1度.結構寒いので、セーターをパーカーの下に着込む. 


三川ダム(銅親水公園)駐車場 6:10


取り付きは穏やか・・・だったが、


すぐに急登


しかも掴まる物 少なし、、ううう
 観測設備までの直行なら林道を歩いた方が楽だと思うけど、くねくねとかなり遠回りしている.早目に尾根(1179三角点から東に派生する尾根)に取り付き、登って行った方が”距離”が近いと、一目で判る.ただ、尾根の等高線を見ると、それなりに密な所もあるので時間はかかりそうだ.でもまあ、それでもこっち(尾根)の方が早いでしょう・・・と、深い考えもなく取り付いた場所は、安蘇沢の橋を渡ってすぐの斜面.取り付きやすかったし、尾根には150m位登れば上がれる.・・・が、

 これは見込み違い.松の混交林を抜けるとグググッと急になり、掴まる木が極端に少なくなる.枯れ草を纏めて掴みながら喘ぎ喘ぎ登り、何とか尾根に乗った.989Pの北鞍部から50m程上のやや平らな所だ.尾根の松木側にはフェンスが張られていた.

 暑くなり汗を少しかいたので.パーカーの下のセーターを脱いだ.そう言えば、今日はかなり暑くなるとか、天気予報で言ってたなあ.でも、まだこの時間、シャツだけで登るのは寒い.




989P あそこも展望良さそう




主尾根到着、、だけど さらなる登りが待っている 7:30




やはりあっちの枝尾根の方が登り易そう・・・

 すぐに急登が始まる.右手にややなだらかな枝尾根がこの尾根に続いているのが見える.うーん、やっぱりあっちの尾根が良かったかな・・・と、後悔し始める.

 1179三角点から東(やや南寄り)に派生する枝尾根は2度下降しているので、まだ歩いた事がない手前の斜面を登ってみよう、、、という、ある種の探求心からこっちを登ってきてしまったのだけど、何となく失敗した感がある.

 細尾根、多少崩れた所など交えた急傾斜の尾根登りには時間が掛かって閉口した.それでも展望は良く、疲れて立ち止まり、僅かに吹く風は気持ちが良い.

 対面に、石塔が屹立し中倉山が青空に映えて大きい.松木川とその流れは、此処から見る限り荒々しさのかけらもない、素晴らしい光景だ.三脚が立てられる所をみつけて早速道草. 



此処は崩れているから注意して(通り過ぎてカシャッ)


カヤトの中の急登



石塔尾根 フェンスは斜面途中で終わっている




振り返って松木川、備前楯山




左に平らな北尾根、右奥鎌5峰

 1179三角点峰に登り着いた.過去2度、三角点標石は登って行く道筋で簡単にみつかった.あれ?初めて見たんだっけ.前は随分探したけどみつからなかった様な気が・・・ 新しいカヤトは生えてないので、頭が出ていた為もある. 

 過去、この尾根を下降中に熊に出会った事がある.まだ、冬眠中かも知れないけどこの暖かさで起き出しているとも限らない.その場合、お腹を空かしているだろうから、やせこけた爺であろうが見境無く食べられてしまうかも知れない.取り敢えず、熊鈴をつけていきましょう.ん!余計、呼び寄せたりしないでしょうね(笑)


松木川


(爺的仮称:熊会い尾根)



皇海山が出てきた 左上は北尾根



やっと、林道に出ました 9:05


旧監視カメラ施設着
 し長い尾根歩きから林道に飛び出し、少し登って旧監視カメラ設置場所に着く.此処からは皇海山が見事な巨体を見せている.何と、此処まで3時間近くかかってしまった. 掛かりすぎだよね、、2014年に来た時は、一部林道を間違えたとはいえ、三川ダムから設置場所には2時間半弱で来ているのだから.ま、いいけど.

 三脚を立て、撮影が終わって出発したのは30分後.ま、ヘッデンはノゾムトコロヨと、一人鼻息を荒くする.誰も見てないから(笑)

 皇海山は、まだ霞み状態も少なくスッキリ見える.いい山だ、と、いつも思う.望遠で見るとニゴリ沢大滝は全部ではないが流れ落ちている様だ.



皇海山、左にオロ山 手前は”ジャンダルム”




中倉尾根、中央に小さくブナ



旧監視カメラ施設を後にします


壊れた罠
 此処からはさほど展望が無いカラ松の樹林帯登りになる.年々、踏み後が薄くなってきている気がする.歩く人も少なくなってきているんだろうか.笹藪の少し広い尾根は、下降だと迷いやすい所だ.まだ、緑になってない笹の下の細い踏み後を時々外しながら、ひたすら登る.古いテープも散見されるけど、それを追うことはしない.ただ上を目指すだけ.

 ダニは気になったけど、今の所着かれてはいないようだ.時々、樹幹の間から半月山や、皇海山などが見える.足を止め、額の汗を拭く.

 傾斜が緩むと立ち枯れが目立つ様になり、奇異な光景ではあるけれど写真対象としては面白い(←私だけ?)
やがて、松木側の展望が開けてジャンダルムの荒々しい光景が眼前に迫って来る様に見える.一方、反転させると半月山や、これから回ろうとする社山が梢の上に見える. 遠いな、オイ!


カラ松の中を登って


僅かな残雪が出てきた所から笹藪の登り


踏み後を外しながら、笹藪の登り 案外急で疲れます


カラ松を通して、皇海山や鋸山


若干傾斜が緩む1600m付近


立ち枯れが目立つ、後方はこれから歩く稜線(縦走路)
 遠目には気持ちの良さそうな草原の丘陵に見えても、歩くとなると腰高の笹藪が踏み後を覆っている.その踏み後のルート上に限って残雪があり、踏み後は消えている.笹藪を適当に歩いては、又踏み後をみつけるといったことを幾度か繰り返す.途中、うるさいので熊鈴は外した.何度か鹿が3−4頭ずつの組になって逃げていった. 

 オオナギ沢源頭丈夫に、岩があってその上は笹のない鹿の遊び場みたいになっている.展望も良く(これまでも良かったけど)、休憩場所には丁度良い場所だ.ただ、この暑さのせいだろうか、何となく匂う.笹のない地面には大きな甘納豆みたいなのが沢山転がっているから、それが匂うのだろう.

 尾根の(登る)右手方向は笹が緑色になりかけているが、左側はまだ枯れ葉色だ.踏み後より立派な鹿道は概ね左側につけられている.鹿だって藪は好きではないのだろう.



風も無く良い天気♪ 笹藪にはまだそれ程抵抗感がない.
白いのは残雪で、左に岩がある.そこの下部がオオナギ沢源頭か?




少し近づいて、右上のピークが1805P付近



踏み後は判らず・・・でも、登れば良いだけ


登るにつれ皇海山は隠れ、中倉尾根の上にr 塔ノ峰?



岩の上から 登って来た尾根を俯瞰 道の様に見える筋は鹿道




登る右手に男体山、 右に社山



 オオナギ沢右岸尾根の合流点、1805P手前から広い斜面を登り切ると残雪が出てきた.踏み抜かないかとそろりそろり上を歩くけど、残雪はまだ固く歩き易い.快適に歩いていける.

 1805Pからの眺めはすこぶる良い.皇海山、鋸山、庚申山、オロ山、北尾根、中倉尾根の峰々.反転して男体山(半身)、社山.これから登る大平山など.足元は急激に落ち込み丹平冶沢の源流.三脚を立てる.

 撮影に40分費やし、既に11:45分を回った.大平山には遅くともお昼前に着く予定が、もう狂ってしまった.ま、山頂は見えているし、素晴らしい景色も堪能した.何だったら大平山から戻る事にしたって良い(と、思ったりもする).

 大平山の手前には多くの残雪があり、暖かい気温のせいか表面が緩んでいた.トレースは鹿の足跡だけ.踏み抜きは何回かあり、ヘロヘロで何とか山頂に到着.雪は無く山部さんの山名板は健在.



1805Pから




同上 大平山南西尾根、大平山は右端、写ってるかな?



相変わらずの笹斜面、鹿道が立派


山頂手前の残雪帯


樹間から 錫ヶ岳


山頂到着 疲れた〜 12:30



山頂からの眺め 歩いて来た尾根 今日、富士山は見えない

 山頂から少し東側で展望がよい所、枯れ木に腰掛けお昼休憩.おにぎりと、デコポン半分を食べる.酸味が利いて甘い物は、何だか元気が出てくる.んじゃあ、縦走しましょうと出発.すぐに樹林帯に入るが、そこでは残雪が多く踏み抜きばかり.今日は使わないかもしれないと思っていたワカンを着ける.3年振りか?それ以上か? あれ!、どうやって締めるんだっけ? スパッツは着けなくてもいいか(実は車に忘れてきた)

 ワカンを着けても膝位まで踏み抜く事数度.苦戦しながら、ルートを一度誤った.見通しの利かない樹林の中、黒桧岳分岐の方へはやや左寄りに樹林の中を歩いて行くのだけど、直進してしまった.樹間の中から前方が見え、尾根が下っているので、ルートミスしたことに気がついた.トラバース気味に修正.標識の立つ分岐に無事到着.(此処から阿世潟峠までを中禅寺湖南岸尾根という様だ.長いし面倒だから、社山までの”縦走路”と呼ぶ事にする)


残雪が連続して出てくる.踏み抜いて歩き疲れるので、ワカン装着


雪が無い所はガシャガシャと



樹林帯の中は残雪が多い



ゆるりと登って 1954P


黒桧岳分岐 此処から「中禅寺湖南岸尾根」 13:30
 踏み後上の残雪は時々あったり、無かったり.外したり着けたりは面倒だから、雪の無い笹藪の所もワカンでガサガサ.1928Pの手前でワカンを外し、7−80m位笹斜面を急降下していくと、前方の平らな場所に数十頭の鹿がたむろしていた.ガサガサ下りる音で、一斉に逃げて行く.広く気分の良い所だけど、何だか匂いがする.甘納豆もどきが辺り一面に転がっている.植物多様性のコヤシになるらしいが、見たところ笹くらいしか見当たらない.初夏とかに来てみれば、又違うのだろうか.

 付近の平らな所には標識が立っているはずだが見当たらない.探して見たら、支柱部分が折れて泥土の上に転がっていた. 立てておこうと思ったけど、地面には突き刺さらないし、柱を支えるものも見当たらない.仕方がないのでそのままだ.写真、撮り忘れ.



縦走路から大平山方向




まっすぐ行けそうで、近い様だけど




鹿が沢山

 ゆったりしたピークでは社山が前方に見えてくる.何だか、直線的にみて近い気がするのだが、縦走路は左に曲がりグーーっと弧を描く様に回るので案外遠い.

 この縦走路、足尾側は終始開けて展望が良いのは勿論、北側も樹林が切れたり、それぞれのピークの上は展望が良い.ただ、今のこの時間帯では気温上昇と共に霞んできている.加えて、上空には雲も多くなってきた.やがて中禅寺湖が見え、白根山が白くボヤッと浮かぶ.(向かって)右や、左の風景を楽しみながらのんびり歩く.

 社山手前の二つのピークはトラバース道を使い、楽々ルート.社山登りを見上げて、溜息が出る.水を飲み、イチゴジャムパンを食べ、よしっとばかりに樹林の登りに入って行く.樹林の中に積雪は多くなかったが、融けた雪が凍っていて結構難儀した.アイゼンを着ければ楽だろうけど、距離はそうでもないし、気に掴まって登れるし、めんどくさいし(←真似しちゃいけません)



此処まで来ると社山へのルートがはっきりする. 左へグーーっと・・・




中禅寺湖が見えて来た.中央に太郎山、その左は山王帽子山  霞んでるなあ




白根山




踏み後が鹿道化か、、



楽出来る所は、楽をして


鞍部ちょっと上(の左)にトラバース
 樹林から抜けそのまま此処を右(南尾根)へ下降してしまおうかと思った.特別、山頂に何かある訳でもないし5−6回は登ってるし.少し考えて、まあせっかく来たのだから一応(社山)山頂を踏んできましょう.と、左の樹林の中へ.

 社山の山頂には誰もいなかった.こんな時間(15:35)だから当然だ.雪の無い地面には何人かの足跡があった.下山は南尾根で下り一辺倒.この時間ならヘッデンを使わないで済むかな・・・等と淡い希望と若干の余裕も出てきた.残り半分のデコポンを食べる.うん、甘酸っぱい.元気が出た.戻って南尾根へ.



登り用体力残りを全部使って(笑)


社山 山頂 15:35
 下降だって体力はいるし、急斜面は足(膝)にくる.汗をかきながらどんどん下ってきて、1300mを過ぎた尾根の分岐で間違えた.100m近く下りてから気付き、GPSを頼りにトラバースしてやっと復帰した所は、1192三角点の(標高)6−70m上辺り.今日はザイルを持って来てないので、無理は出来ない.

 雨量観測施設を過ぎて観測員下山ルートの標識がある.今日は、まだ明るいし此処を通ってみよう.瀑泉さんの話だと大した道では無いと言うことだが.

 道は、しかっりしたものとは程遠く、踏み後に毛の生えたようなもの.一辺が長い九十九折れになっていて、中々標高を下げてくれない.おまけに倒木が多く、乗り越えるのに足が攣りそう.飽き飽きして、途中から真っ直ぐ下降したら、安蘇沢に架かる橋の旧道っぽい所に出た.

 途中、植樹されたかの様なミツマタが花を咲かせていたのを見て、駐車場に戻ったのは6:30. ヘッデンは使わずに済んだけど、12時間越えとはねえ・・・



南尾根下降開始〜



のんびり下降


雨量観測所 17:35



この季節は皇海山の真上に太陽が沈むんですね・・・(太陽はまだ雲の中)




ミツマタ




これ、何でしたっけ?

    下手ですがデジ一画像もどうぞ    Photo Nikon P7800 二代目 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.