滝見

日光市(奥鬼怒野門)
三沢大滝山回りで行けないかと
三沢(2回目)


                  




2005,5,21 訪問


(あまり参考になりません)
              
 三沢大滝が昨年訪れた時から頭から離れない.35mm版広角で撮った物は上が窄まってしまい、迫力に欠けてしまう.やはり、狭い滝下から落差のある滝を(迫力的に)撮るには、大判でアオルしかない.しかし、アマチュアで か弱い爺ではアシスタントも手伝いもいないから、重い機材を沢伝いに(片道4時間強)運ぶ事は大変な重労働になる.帰って来られないかもしれない.空きっ腹熊の餌食となるおそれもある.そこで、もう少し楽に行けるルートはないものかと地図(国土地理院地形図)とにらめっこ.

 あまり、急勾配ではない台地に破線道があるではないか.ふむふむ、此処を登って行き適当な所でさわに下りれば、あの(ゴロゴロ石)沢を行くよりは遙かに楽だ.時間も短縮出来るかも知れない.取り付きから若干急な登りになってる様だけど、“道”なら大岩がゴロゴロする沢よりはいい.試してみる価値は充分にある.

 問題は何処を下りるかである.台地と沢の間は等高線が非常に密だ.殆ど崖である.ただ、大崩壊地のを過ぎた辺りにやや傾斜が緩くなっていて、これを斜めに下りる様にして熊穴沢出合い付近へ着けば後はこの前通った場所に出る・・・と、推察した. まあ、概ねは行ってみなくちゃ判らない・・・という一か八か作戦.

 実行は 仕事も忙しいのだがいつまでもそうしていると山(沢)に行けないので、適当に理由をこじつけ出掛ける事にした.なーーに、山に入ってしまえば携帯もタクシーも駄目だから、こっちのもんであるのだ(^_^)

 ※2018/09/25 再編集、画像入れ替え(但し、文章はほぼ当時のまま)


仕事道


ヒトリシズカ
 その日は朝から予報通りの晴天だった.栗山村の土呂部を過ぎ黒部を過ぎると鬼怒川に懸かる「開運橋」に着く.此処を渡ると上栗山という集落だ.オートキャンプ場などもあるらしい.林道に入りその終点まで車で入る事が出来る.午前6:00、車は爺のが一台だけだった.

 早速身支度をし時間を惜しむ様に出発した.杉林内の踏み後を今日は沢へ下りず上に続いている道を辿る.すぐに踏み後は消えてしまった.給水タンクや水道パイプなどがあるところをみると、どうやらこの道は水道管点検の為のものらしい.上へと登って行けば(地図にある)道がみつかるだろう、と考え林内を直登.かなり荒れてはいたが作業道らしき道があった.それは、急斜面にジグザグにつけられているが それ程歩かれているという風でもなかった.

 今日は暑く、登り始めて間もなく汗が噴き出してきた.道の脇を見ると「ヒトリシズカ」が咲いていた.そうか、こんな季節だったんだ.



急登を終え笹帯の踏み後


ツツジ
 杉林の急登から開放され雑木林を過ぎると明るい新緑のカラマツ林になった.踏み後は薄くなり、膝上位のミヤコ笹(かな?)に覆われていて、ともすれば見失いがちになる.まあ、それを外しても上に歩けば良いのだし踏み後も藪漕ぎもたいして変わらないから気は楽だ.

 それでも時々地図と磁石を出して位置を確認してみる.展望は利かないが、踏み後は南西に延びている.地図では分岐している道があるがこんな笹藪で判るんだろうか.笹藪に半分埋もれた 何か、車の様なものがあった.昔のオートバイの様だった.今の形とは随分違う.荷車みたいなのが後部につけられている.形からしてかなり古いものの様で燃料タンクの位置が面白い.何か文字があるか探してみたが見つからなかった.

 濃くなったり薄くなったりする藪の緩斜面を更に緩く登って行くと、松林がきれて少し開けた台地に出た.「上ッ原」というところなんだろうか.




幻の遺跡になるか いにしえのオートバイ




開けている笹原



雑木林の中は明るい


急降下〜
 笹藪を突っ切って涸れ沢を横断し左側が急斜面になっている場所まで行くと、沢音が聞こえてきた.相変わらず展望が利かず、いる位置がよく判らない.斜面に沿って踏み後が上へとハッキリ続いている.空き缶が捨てられていた.誰かが通っているのだ.斜面は極めて急で下りられそうにない.取り敢えず踏み後を辿る事にした.そう言えば下の方ではツツジが結構咲いていたがこの辺はまだ蕾だった.

 木の間から対岸の崩壊地が見えた.地図にはないが昨年熊と遭遇した沢の少し上流に位置する場所だったと記憶を思い起こし、(時計に付いてる)高度計と睨み合わせ1400m付近であると勝手に特定した.なら、もう少し登れば左の崖が終わり、若干緩い斜面に変わる筈である.見え隠れする踏み後を追い続けた.

 やがて、下の方は見えないが下りられそうなやや緩い斜面があり鹿道がそこへ続いていた.意を決して下りる事に決める.木に掴まりガレルンゼを横断、4−5mの岩はロ−プを出して下りた.予定では、トラバースを繰り返して熊穴沢に着く筈だったがその途中急なルンゼを横断出来ずに、戻りながらの林内急下降.飛び出た所が何と大崩壊地の上(それも手前)だった.木に掴まって下を覗くと、ひえええ〜

 木が少ないところからは遠くに山のピークが見える.方向から、2,209m峰だろうか.右手の木に隠れている辺りが一里が曽根で、その下が大滝付近になる.遠いなあ.沢に下りられたら引き返すかどうか検討しよう.



2209Pか




大崩壊地の手前に下りちゃった

 少し下流側に戻ると、下降可能な斜面になり、急降下であるけど沢に下りる事が出来た.沢通しで来るより時間が多く掛かってしまっていた.今回の偵察目的は失敗である.ま、偵察だから失敗でもよいのだが(^^ゞ 思ったより時間を喰ってしまったが、まだ10時だ.休憩したら滝まで出掛けよう.帰りは暗くなるなあ、こりゃ.

 水を飲んだり、クッキーを食べたり近くを散策したりして疲れをとってから崩壊地を後に遡行開始.熊穴沢に着いたら白い花が目に入った.「ワサビ」だ.所々団子状に生えていて今が花盛りだった.更に上流の右支沢からは沢から一旦林内へ入って行く.そこの途中にあった「タラノメ」.太い一本の木が無数に枝別れしていて、芽を出している.低い所が無くなっているのは動物(鹿とか?)でも食べるんだろうか?
 
 対岸を望むと、青空に新緑が映えてい眩しい光景だ.此処まで来れば大滝まではあと少し.クサソテツに飾られたワサビの大群落を観賞し、地面にはフデリンドウや名前も判らない(殆どは判らないのだが)小さい花を見つけたり、葉が開く前の「コバイケイソウ」を観察したりしながら歩いた.時間が押しているのにのんびりした気分・・・




熊穴沢


フデリンドウ


ヤマワサビ


タラの芽 旬


湧き水、対岸台地から
 滝の近くまで行くと、雪がまだ残っていた.周りの植物はまだ眠っているようで、ほんの数本の木が新芽をふくらまし始めている様だった.滝の水は昨年秋に来た時よりやや少なめだったが、そこから吹き付ける風はかなり冷たい.撮影には一枚多く着込まなければ寒い程だった.少し長い時間、音を聞きながら滝を観て過ごした.本当に良い滝だと、そう思った.

 【今回の反省点】昼食時に持ってきたおにぎり等が殆ど喉を通らなかった.疲れすぎたのか食べられないのである.いわゆるシャリバテというやつか、初めての経験だ.言い訳をするのではないが、この3ヶ月位仕事に追われ運動らしい事を全くといって良い程やってない.やはり、仕事の合間に少しでも街中を歩くとかそこら辺を走るとかしていないと駄目なんだろう.又、この日持って行ったおにぎりに焼きタラコがあったが、どうしてコンビニのおにぎりはパサパサしているのだろう.タラコの粒々が喉の奥にくっついてウエッとなってもしまう.強引に水で流し込まなければならない.納豆巻きと間違えてシソトロとかいうやつを買ってきてしまった.これは、最高に駄目だった(^^ゞ ああ、みそ汁が欲しい、ビールが欲しい・・・ 終始思うのはそれだけ.持って行く食料は考えなきゃいかんな〜



ヤマワサビ大群落




大滝

Panasonic DMC-F1 

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仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.