滝見
・・・と言えるだろうか?
日光市
荒沢川、薬研堀



                  



2019,5,30 訪問

爺 & Yuki
(参考になりません)
              
 先日の田母沢に続き、荒沢川 (旧地図では荒沢)に行って来た.荒沢川の下流には(日光では)有名な裏見滝があり、道も整備されている事から観光客も多い.中流部は初音滝などの小滝が多く上流部では慈観滝が知られている.慈観滝へは林道歩きで5km強あるから、簡単に観光滝見という訳にはいかない.慈観滝上はすぐ大きな堰堤が続き、左岸とその上流右岸からの大量湧き水が、沢に流れる水となり、本流は「雲隠滝」 から水は無い.

 雲隠滝迄は以前に訪れたことがある.1996年の事で、地形図に載っているのでそれを頼りに倅達と見にいったものだ.大きな堰堤を越えた先で崖に塞がれて断念したが、帰って来てあの崖が雲隠滝と知った(薄々そう思ってはいたのだけど).その時はネガフイルムで簡単に撮ってきただけで、のっぺり感がでてしまい今一つ迫力が伝わってこない.

 そこで、今回の目的は その後の滝の様子を見てくる事、デジ一画像に納めてくる事.その上の沢の様子を見てくる事.これだけでは時間が余ってしまうから、田母沢(下流部)左俣の涸れ滝(30m位)を見て、寂光滝がある芦沢上流の「聖天岩」 も鑑賞してきてしまおう、、という、やや欲張った滝行(山行?)計画とした.

 荒沢上流部の左右岸は初めてなので、ちょっと緊張する.Yukiが同行するのでルートファインディングは彼に任せられるから上流部への下降も一人で考えるより不安は少ない.

   下手ですがデジ一画像もどうぞ


裏見滝駐車場 6:25


登山道
 裏見滝駐車場に6時頃到着、結構肌寒い.他県ナンバーの先着車がいて単独者が裏見滝遊歩道へ入っていった.朝飯&支度をして出発.女峰山登山口から入り林道をショートカット.林道に出た所で距離的に短い登山道を行くか、何も考えなくても済む林道を行くかで迷ったけど、以前モッコ平に行く時早々に迷った経験がある.更には、笹で道が不明瞭な所があり難儀するのではないかと思い、往路は気楽な林道歩きとした.

 林道の両脇は少し旬を過ぎたヤマツツジが多く咲いている.レンゲツツジの小さな株もあった.レンゲツツジは久し振りに見た気がする.丹勢への道を分ける辺りは最近、伐採が行われた様で風景が一変し明るい.そこを過ぎる頃からは、ヤマツツジが旬になり色の濃いのも多くあって見事だ.つい足が留まってしまう.



林道脇のヤマツツジ



伐採地


丹勢の分岐



ズミ?



林道をテクテク


カラマツとヤマツツジ、対比色で鮮やか



 涸れ沢の薬研堀を過ぎて茲眼の滝≠ニ表記されている標柱が建っている所に来た.標柱は健在だ.此処から踏み後を下る様に辿れば、展望台があり 「慈観滝」 を遠望出来るのだけど、遠望だから迫力もない.Yuki も一度(左岸から)見てるから別に行きたい素振りはない.木の枝越しに滝方向を眺めて、見えないね と、簡単に素通り.

いこいの広場≠ノ着く.と言っても今では広場≠フ雰囲気はなく立派な説明板やその後(平成6年)に工事したらしい定礎の様な、工事名(?)盤が、灌木林の中に埋もれている.←初めて来た時は確かに広場だったのだけど.今、工事業者を除いて訪れる人は、何人いるのだろうか? (此処の写真があったのだけど、ネガとプリントで探したがみつからなかった←整理が悪い) 

 ※茲眼の滝≠ヘ慈観滝の別名



RAWでも撮っておきましょう



いこいの広場∴ト内板 7:55


1つ目の堰堤上バックウオーター サカナいるかな〜
 林道を離れ、一つ目の堰堤を越えて真下に池の様なバックウオーターを見る.右岸を行き次の堰堤、その次、、と、計四つの堰堤を越えて沢の中を遡行していくとすぐに右に曲がっている.飛び石伝いに徒渉して左岸に渡る.右岸から落としている大量湧き水を見ながら少し歩くと前方に壁が立ちはだかる.雲隠滝≠セ.

 滝前は結構広いので、マイナスイオンを浴びながら深山の滝風景を満喫・・と、いきたいところだが、水は全く流れていない.浸みもない.乾ききった壁に草が生えている.滝下は小さな池になっている.左側から湧き水が流れ込んでいるから綺麗な水だ.初めて来た時に見たドラム缶(2個)も健在だ(笑)

 想像はしていたので驚きや落胆などはないけど、最近の雨少しは浸みがあるのでは、、、と若干の期待はあった.適当にその崖≠撮ったりし、早いおやつを食べたりしてのんびり過ごした.

 さて、此処の上に行くのだけど左岸だとすぐ脇から取り付く事が出来る.(下から見た限りでは)滝上左岸(の上の方)に出る事が容易い様にみえる.が、ちょっと引いて眺めるとハングした壁の様になっていて、難儀しそう.ま、危険を冒して行く必要もないから、此処は右岸大高巻きにする.



1つ目堰堤上から上流


2つ目の堰堤


3つ目の堰堤


4つ目の堰堤を通り過ぎ、振り向いて



雲隠滝




滝下の池




滝下流の湧き水群



4つ目の堰堤付近まで戻って振り返り、上流方向 9:10


右岸斜面を登る Yuki



 2013年に荒沢上流の夫婦鹿滝を見に行ったことがある.志津林道から、テコ棒河原分岐の辺りに下降しそこから遡行したのだが、その時は案外楽に(荒沢に)下りられた.そこまで行かなくても下りられる所はあるだろう、と、 Yuki の提案.こちらも反対意見はなし.これで、荒沢本流は下(魚止滝)から夫婦鹿滝まで歩いた事になる.

 (下から数えて)四番目の堰堤迄戻り右岸斜面に取り付く.急斜面だけど膝下の笹藪に鹿道をみつけ尾根に着くと傾斜は緩む.シロヤシオやミツバツツジが咲いている気分の良い尾根だ.つい、尾根の中心を登って行きそうになるが、下降点を探しながらだからなるべく沢側をややトラバース気味に登って行く.



尾根に上がる途中から 雲隠滝



尾根に上がりました


目立たないけどシロヤシオ



大きなシロヤシオの木




他にも大きな木が沢山









花付きの良さ 見事ですよ

 2−3度地図にはない枝尾根が現れて、下降出来そうな気がするが探索的に少し下りると足元が切れ落ちていて下降なんてまるで不可能.二つ目だかの狭い尾根をチェックしていて、Yuki が偵察に下りていったら棚の所で「あ!モモンガ」 と、下方の木の下を指差した.へ?モモンガってこの辺りにもいるのか? リスか何かの見間違いじゃないか? と、木の幹付近にしがみついてるそれらしい生き物をみつけコンデジで撮っておく.大きさは身体で12−3cm位.かなり小さいからムササビじゃないな.

 枝沢が出てきてすぐ下流は何段かの涸れ棚になっている.下の方は全く見えない.この沢形も下降は出来なさそうだ.さらに上流へと尾根を登っていく.幸いな事は尾根の勾配がきつくない事と、ツツジガ多く咲いている事である.

 やがて、壁もなく下の方に樹林の間から沢が見える斜面になった.そこからザイルを使う事もなく荒沢に下りる事が出来た.標高1350m付近だった.


赤線部分を切り取り拡大→


モモンガ?


下降を開始して間もなく沢全体が見えてくる


水のないゴーロ沢
 沢の中に水はなく岩は乾ききっているから、トレッキングシューズでも滑る事はない.ただ、ゴーロ河原なのでそれなりにしんどい.すぐに4m程の涸れ滝が出てきたが、下降は優しい.続いて10m弱の涸れ滝.これはボコボコした滑岩で、水が流れていたらさぞかし見事だろうという形状.足掛かりが多く難なく下降出来た.下降を続けると浅い釜があり水が溜まっている.小さなオタマジャクシが沢山いて、Yuki は「あ、サンショウウオだ」 と指差したが最近視力が怪しくなっている私にはみつけられなかった.

 釜の左をヘツリ気味に下流へ行くとすぐに涸れ棚になっている.高さは10−15m程だと思うがちょっと下降出来そうにない.右の枝尾根末端を少し回り込むと、その尾根の左斜面は上部がえぐられて下降困難.尾根を壁際まで登れば、ルンゼに下りる事が出来るかも知れないが、大して意味もないから簡単に諦める.登った先からは下に河原が見え、下流が左にやや曲がっているから雲隠滝の頭らしきものは見えなかった.

 下降点から更に遡行して堰堤まで行ってみた.大きな2段堰堤である.その堰堤は越えずに左(右岸)の斜面に取り付き登って尾根に戻ろうとするが、間もなく壁に当たる.切れ目もなくとても登れないから、右(沢上流)方向に移動していくと壁が切れ、木の根が多い斜面に出た.



右岸の崖




10m位の涸れ滝 (帰りに撮る)




滝の頭





大岩の向こうに堰堤



大きな堰堤です 11:20

 尾根に戻り、 「薬研堀」 の1350m付近にある滝マークへ移動する.Yuki の提案で薬研堀の1350m付近にある滝マークと、その下流にある滝マークを確認していこうと言う事に(いつの間にか)なった.広い笹原尾根を横移動する.沢を一つ横断し、それ程時間がかからずに薬研堀に下降出来た.

 尾根にはあちこちにシロヤシオ、ミツバツツジが咲いている.少し撮ったりもするがいい加減飽きて大方見て見ぬ振りししながら、尾根を横断して薬研堀上流に下りたら、左岸台地がシロとミツバのお祭り状態.休憩がてらデジ一を出しガシャガシャと激写(笑) 



樹幹越しに男体山




場所を変えて



薬研堀へ下りていく 1400m辺り


左岸台地は花盛り
 今日は結構暑いので水分の消耗が激しい.沢と化その近辺に湧き水を期待したが見付ける事は出来なかった.まあ、水とかが全く無い訳ではないから、特に心配もせず乾いたゴーロ沢を下降していくと涸れ滝の頭が見えた.近づいて頭に立つと同じ様な頭がすぐ下流に見える.ちょっと離れているけど2段連続している涸れ滝だった.Yuki が何か言ってる.滝下(の右岸)に水が落ちてるゾ

 直下降は出来ないので左岸を巻いて滝下に降り、撮影は後回しにして滴り落ちる水をペットボトルに入れる.水を汲むのではなく、落ちてくる水滴を入れるのだから、その他の水滴は手に掛かる.これが冷たく手が痛くなってきた.この熱さ、嬉しい冷たさである.飲んでみると甘く感じ美味しい.いつも思う事だが女峰近辺は何処でも本当に美味しい.

 一息ついて辺りをパパッと撮影し、下の滝も巻いて降りる.上は7−8m程、下は5m程の涸れ滝だった.



ミツバもシロも




滝マーク(1350m付近) 2段の様で、下にも滝の頭が見える 12:30




1段目の滝下.高さはせいぜい7−8m程 手前の大岩群も滝を形成していたのでしょうか? (水は左)



下段頭から下流を俯瞰


巻いている砂礫地 振り返って大真名子山



下段の下 こちらは5−6m程度

 右岸尾根に登り、下降して行く.笹は膝上程度で鹿道っぽい踏み後がある.しばらく、その道をゆるりと下りていると木に四角いブリキ板が打ち付けられてある所に出た.その先には古いテープも下がっている.地図にある(破線路の)登山道か? よく見ると掘り割り状の道形になっている.但し、相当年使われていない様で足元は柔らかい.

 地図にある破線路は左岸に表記されているのだが、此処は右岸の1350m付近.何らかの理由で右岸側を通る事になったのだろうか? 道≠辿って行くと、テープは南側に向かって付けられている.それを追って調子良く下りてしまったせいか、滝マークの下の方まで来てしまった.沢の方を見ると急すぎて下りられそうにない.沢歩きや何だかんだで疲れてしまった.そういうのもあって、取り敢えず堰堤に下りてそこで考えましょう・・・と言う事にした.

 再度、テープを追って廃道を下降して行く.が、ずっと追って行ってしまうと薬研堀から大きく南側にずれてしまう事になり堰堤に下りる事は出来ない.道≠ゥら離れ沢側を下りていくと下の方に大きな堰堤が見えた.堰堤上部から沢に下りられるかどうか Yuki が偵察.「下りられるとして、滝マークまでどの位遡行しなければいけない?」 と、聞くと 大体300m位かな、、、 聞いて疲れが倍増してしてしまった. 止める. と、一言.


登山道と思われる掘り割り状の踏み後 古い地形図には、志津小屋まで
続いていた.平成13年の地図で破線路は消え、WEBの地図では
途中迄復活している


堰堤に到着



ダダダッと堰堤が続く



堰堤脇の作業用道路 此処から林道はすぐ


林道を戻って荒沢に架かる慈観橋を渡る
 こんなに必要なの? と、思う程の堰堤群を見ながら林道には午後2時頃着いた.えらい、疲れた.田母沢も回る元気はどっかへ吹っ飛んでしまった.ま、必ず行かなきゃならないって所でもないし.いつか時間を作って行きましょう.時間があればの話だけどさ.

 帰路は、林道を避け登山道を選んで下山する事にした.この道も歩く人が極端に少ないせいか、道が怪しくなってきている.特に、1179Pの山腹を巻いている所は道が斜めになっていたり、極端に薄くなったりだ.笹が伸びてくる季節は殆ど隠れてしまうに違いない. 駐車場帰着 15:25



慈観滝 



登山道分岐 14:25


すぐにヤマツツジ


雨量観測施設


道が斜めで歩きづらかった








レンゲツツジ

下手ですがデジ一画像もどうぞ         Photo Nikon P7800 二代目 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.