滝見と言えるかどうか

日光市
夫婦鹿滝



                  



2013年 6月 11日 訪問

爺 & yuki
(時間やルートは参考にしない事)
              
 地形図を見ると荒沢(裏見滝がある)上流には滝マークが多い.その中で「雲隠滝」、「夫婦鹿滝」と名前が付けられているものがある.前者は以前訪問した事があるが、後者の「夫婦鹿滝」は未だ観てない.地形図ではその周辺は大分険しそうだし、下から遡行するにはかなり時間が掛かりそうでちょっと敬遠していた.

 「雲隠滝」は涸れ滝で普段は水が流れていない.荒沢の水の多くは(多分)雲隠滝下流の右岸、左岸からの枝沢か湧き水ではないかと思われる(爺は地学者ではないから定かでは・・・).雲隠滝上流はるか上にある この、夫婦鹿滝もまず涸れ滝である事は想像に難くない..でも、素敵ではないか.どんな人がどんな思いで付けた名前か知らないが、恐らく雨後か雪解けの季節に水が流れているこの滝を見、喉の渇いた鹿が水を飲みにやってくる姿を想い描いて・・・・おお、爺も中々想像力があるな〜と一人感心.

 「今度、そこへ行くんだけど」と言ったら、お調子者の yuki が「よし、おらも行くべいか」と、早速ルートを検討し始めた.幾つか案が出たが、志津からテコ棒河原出合いに下り、そこから遡行するという計画を実行する事にした.梅雨に入っているから天気はあまり良くない.ま、特別な想いがある訳ではないから、降り出したら即中止を決め、ユバラーメンでも食べて帰ってくれば良いから気楽ではある.志津乗越について噂通り丸太ん棒が置かれて車が駐められない.少し手前の空きスペースに駐め、出発する.4名程の男女グループが男体山方向に歩いていった.今日のお天気ではは山の上の方はガスがかかって展望は期待出来ないだろう.


志津乗越 元、車が置けた場所 9:45


笹斜面


テコ棒河原の堰堤


笹の緩斜面


標柱


左急斜面はテコ棒河原側
 志津林道を歩き、途中の分岐から右に分かれる.林道から適当に笹斜面に入り、テコ棒河原の右岸尾根に入ると崖沿いには鹿道が続いていて笹も薄く歩き易い.鹿道を追いながら水の無い河原(荒沢)に降り立ったが、前方には2段の巨大な堰堤があった.幸いにも左から簡単に巻く事が出来、堰堤の上に行くと土砂が目一杯溜まっていて僅かに水の流れた様な後が砂地に残っていた.

 左に7−8m程の涸れ滝でテコ棒河原を合わせ、もう一つ左から沢が合流(水は無いが、、).この沢にも4−5mの涸れ滝があった.沢が少し狭まってきて又大きな2段堰堤が出てくる.左枝沢と本流の中間尾根上がって巻いてみるが崖で沢に下りる事が出来ない.戻って一旦沢に下り(本流)左岸に回ると、沢の護岸を簡単に登って巻く事が出来た.ちょっと、拍子抜け.そのまま、左岸台地に登り上の段も同時に巻く.河原に下りる所を探して慎重を期しザイルを出したが、良く見るとすぐ脇にフイックスロープが垂れ下がっていた.


巨大な2段堰堤 11:00


これも大きな2段堰堤


テコ棒河原出合いの涸れ滝


滝が連続している様な枝沢

階段状滝

帰路;岩壁に咲いていた雪割草を見る
 それまでもガスは出ていたが次第に濃くなり始めてくる.ガスの水分で岩が濡れてくるとトレッキングシューズでは辛い.滑らない様に注意深くゴーロ沢を遡行していくがあまり捗らず疲れる.沢が益々狭くなりゴルジュ状を呈してくる.4−5mの滝や階段状の滝、水(多分雨水)が溜まっている4−5mの滝を越えると更に4m位の滝下に水が溜まっていてこれは越えられない.右岸を見ると上部にバンドがありその取り付きまでよじ登ると、真新しいフイックスロープがあった.こんな所誰も来ないだろうと思っていたのでビックリした.このロープと木で無事滝上に出ると、前方が何やら厳しそうなゴルジュになっている.そして手前に3m位の滝.ガスで上方は良く見えなくなってきている.両岸は崩れやすそうなボロボロの岩質.奥の方で岩が落ちる音がして渓に響く.何だかいやな気分だとyukiが漏らす.

 手前3mの滝は水のないお陰で思ったより簡単に登る事が出来た.すると、前方に壁があり見上げると滝だった.ガスで全容は見えないが中間部分でハングしている(見える所で)20m位か.水が流れていないのが余計残念な光景である.滝マークと歩いた距離の感じからして「夫婦鹿滝」であると思うが、元々の形を知らないので定かではない.これが目的の滝なら、上流には堰堤が築かれているはず.しかしとても巻ける様な地形ではない.三方がハングして崩れそうな岩.今にも落ちてきそうな雰囲気に居るだけで息が詰まりそうである.

 夫婦鹿滝、、もう少し優しい雰囲気の滝を想像していたが ”荒沢”の名の通り荒れた渓を形容する通りの形であった.どんな人が、何処から眺めてこの名前を付けたものか何となく知りたいと思った.適当に撮影し、早々に立ち去る事にした.機会があれば、上流から下降し確認してみよう.機会があればだが.


水溜まり、あまり綺麗ではない


4m程の滝


右上に垂れ下がっている少し赤っぽいロープ


夫婦鹿滝手前のゴルジュ


夫婦鹿滝(と思う) 12:45

当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.