山登り

日光市(足尾)
大平山1805P手前まで




                  



2021,2,12 訪問


(参考になりません)
              
 朝5時少し前に三川ダム到着.気温は車載温度計で−5度、まだ真っ暗.地蔵岳(柏尾峠)の方向がやや白み始めてきたころ.外へ出て空を見上げると星が出ている.満天の星と云うにはやや光り方が弱いけど、一応星を撮ってみるか、、と、D810を(車の)シートのクッションをボンネットに置いて、適当に.星空の写真はデジカメでは二度目.この前は木曽駒ケ岳でだったが、ピントリングを逆に回してしまって、失敗.今回はそれを教訓にしっかりとセッティング.見た目より星の数が多く撮れているから、まあ、良かった.

 富士山を見に(撮りに)行きたいと思うも、コロナ禍のこんな時期に遠出はちょっと遠慮しなければならない.最も近場でさえ人混みは避ける事が肝要だ.昨日(11日)は祝日で明日は土曜日.この日も休日にしている人は多いかも知れない.人気の山は人が多いでしょう.那須とか、高原山とか、社山等々.女峰山は今の時期(爺では)ハードルが高すぎる.
 足尾の中倉山とかその先へ足を延ばして沢入山辺りはどうだろうか・・・ 中倉山は人が多いでしょうねえ.じゃあ、(爺では)ちょっと時間が掛かるけど大平山はどうだろうか? 昨年一月に松木尾根で登ってきたが、多少の積雪に難儀した位で、良い雪山山行だった.そこで今回は、オオナギ沢右岸尾根から登って、皇海山の雄姿を思う存分眺めて来ようか.

 という訳で計画ルートは決まった.雪の状態・・は、心配しない.冬だもの、雪があるのは当たり前.(←ホントは心配) 

 D810で撮ったものはこちら、下手ですがご覧になってください



三川ダム駐車場で D810



雪は少ない感じだが


中倉山
 オオナギ沢右岸尾根、何度か下降したことはあるが、登りに使ったことはない.登山道はなく、地形図で一目瞭然、かなりな急斜面が続く.

 ワッカ付き2本組ストックを忘れてきてしまった.ワッカの付いてない、いつもの杖ではシューを履いての歩行に多少支障が出るけど仕方がない.この杖には石突の部分にゴムカバーを着け簡単に外れないようにしてあるから、仮に地面が凍っていたりしてるとすべってあまり役に立たない.ピッケルも持って行くことにした.スノーシューは安物だから重い.D810も持っていくから、ザックは結構重くなる.
 ピッケルは昨年暮れに買ったもの.今年春頃、どっかに置き忘れてきて無くしてしまったピック付きハンマーの代わり.今回がお初使用.使わないで済むかも、、と、思っていたが.
 大して厚くないセーターの上に防寒ジャケットを着て出発.

 薄明りになってきた頃、誰もいない駐車場を松木渓谷に向けて出発.歩き始めは少し寒い.旧松木村跡では早速 鹿達がピーピー煩い.相変わらず多いなあ.「みちくさ」 は、手前に数台のベンチが置かれ休憩スペースができていますね.




旧松木村跡と鉱滓



牡鹿


花の様だけど?


オオナギ沢左岸の旧作業道跡


入渓
 オオナギ沢に入って河原を遡行し4−5mの滝は両側に氷が出来ていた.そういえば、長い事氷瀑を見ていないなあ.庵滝や雲竜瀑など、休日は相変わらず混んでるんだろうなあ.そんな事を思いながら更に河原遡行して最後の堰堤の所から右岸に取り付く.此処からだと登ってすぐに尾根に出るから楽.尾根からは真下に松木川が見える.久々だなあ、此処から眺める風景は.
 此処ではまだそれ程急ではない尾根を快適に登って行く.風もなくすぐ暑くなってくる.太陽がやっと上がってきたが、薄い雲がかかっている様で、光が弱い.それでも、良いコンディションの様に思える. 

 ヤシャブシの疎林の中を登って行く.中倉尾根や松木ジャンダルムの光景が少しづつ変わって行く.一本ブナが良く見えてきて、中倉山や、沢入山他の山頂も確認できる.稜線がくっきり見え鉱害のせいなのだけど、素晴らしい光景だ.登りで更に暑くなり汗をかいてしまった. セーターを脱ぐと(防寒ジャケットを着て)丁度良い.



観測所付近から 松木ジャンダルム




4−5mあるかな 右を簡単に巻ける



右岸尾根がすぐ上 (朝日で赤味が強い)


尾根



松木渓谷が深い




ブナ=@左ピークは中倉山

 枯草などのない地面は凍っている様で固い.靴は滑るような事はなく傾斜もまだ強くないから、普通に登って行ける.それにしても鹿の糞が多い.夏の暑い時期は匂うだろうなあ・・.オオナギ沢の方から警戒する鹿の声が長い事続いた.相変わらず多いなあ→鹿

 1000mを過ぎ、1200mを越え、1250m付近ではそれぞれ刻々と変わる皇海山が見事で、そこに着くたびにD810をザックから取り出して撮影する.だから、相変わらず足の遅い爺はさらにゆっくりになってしまう.それからも鋸山が見え、オロ山が左に寄り、後ろに庚申山が少し.更に左には沢入山、その後ろには塔ノ峰がなだらかな山容をわずかに見せている.袈裟丸連峰も登るに従って、少しづつ頭を出してくる.何度も立ち止まって、ザックを下ろしてはD810を出して撮るから、登行に時間が掛かる.薄い雲が掛かっているけど天候は安定してる様で、稜線までくっきり見え、同じ様な光景を何度も撮ってしまう.帰りは松木尾根を下る予定だが、この分だとそっちからもすっきりした盟主様が望めそうだ.


草付き尾根





松木川俯瞰



この辺りはそれ程急ではない


松木尾根


北向き斜面には雪が残っている


何という草だったかなあ?
 標高1300mを過ぎると地図でも判るが、きつい急斜面になってくる.加えて地面が凍って固い.グリップが利かず登り辛くなってくる.露出した地面の窪みに水が溜まっていて、それが凍っているから、知らずに足を置くとツルッとくる.転ぶことはなかったが、これは要注意.尻もちなんかついたら、そこら中に転がっている鹿の糞が・・・ 考えただけで鼻に匂う感じがしてくる.

 雪は所々にあるくらいで大して邪魔にならないけど、チェーンスパイクを着ける事にした.今日はアイゼンは不要とみていたが、一応持って来てはいる.深雪で固ければそっちにするつもり.




柏尾の地蔵岳は良く判る




殆どヤシャブシ、白っぽいのはダケカンバ(僅か)




盟主様じゃあ〜




 チェーンスパイクの効果は素晴らしい.ぐんぐん登って行ける.(※としょりのグングンは若者の半分) 1545Pを通る尾根と交わる手前になると、更に急になり、木が殆ど生えていない斜面になる.笹は鹿に食われて地面から僅かに出てるくらいだから掴む物は極めて少ない.
 
 下を見ると、松木川が見える.こんな所で転んだりしたら何処まで落ちていくか.此処は出来るだけ木が生えているオオナギ沢側を登る.時々鹿道を拾えるが、概ねは左側の谷方向に続いているからそっちには行けない.ほぼ、直登になるからピッケルを突き刺し、体を引き上げ短い笹を束でつかみ、又ピッケルを・・・という繰り返し.疲れる. 後ろを振り返って景色を楽しむ、、なんて余裕はない.


枯草の中の急登


振り返って


草付き斜面ももうすぐ終わり


又、ヤシャブシ 地面はカッチカチ


ヒイヒイと登ります


緩やかになったけど、次の急登が待っている



登るに従って皇海山の姿が(ズームで)




オロ山と(通称)北の台地



辛い登りです


林道が見え、観測施設があるんだけど、解像度が悪い目では・・



右から松木尾根 雪は稜線上だけ、、少ないです

 1545Pからくる尾根との合流点(1650m付近)まで登るとオオナギ沢右岸尾根一番の急斜面が終わり、ホッと一息つける.中倉山から皇海山までの眺めは最高だ. 倒木に腰を下ろし、景色を見ながら水を飲んでパンを食べる.至福の一時でもある.此処の登りってこんなに大変だったんだ、と、登って来た尾根を見下ろす.季節にもよるのだろうけどなあ.

 見下ろす尾根の右側は丹平次沢(の、多分右俣)へ急峻に落ち込んでいて、これも転げ落ちたら一体何処で止まるんだろうか? 
 この辺りにも鹿がいて、ひっきりなしに鳴き続ける.広い斜面は笹なども食べ尽くして、もう喰うものなどないだろうに.もっと、雪のない低い所へ下りて生活すればいいのにと思うのだが、、、 あ、そっちは猟師さんがいて駄目なのか? 




皇海山、鋸山、オロ山、沢入山




真下に松木渓谷



オオナギ沢側を登って行きます


鋸山も全体が見えてきました.従者にも存在感あり


 
1650m付近




登って来た尾根と三川ダム

 緩やかに進んで次の急斜面はこれまでより傾斜が緩い.とは、言ってもそれなりに勾配はあるんだけど.その斜面手前には尾根を横断するハッキリした道型がある.雪が積もって道筋がハッキリしている.この道、何に使われたんだろうか…等と思いふけっている余裕はない.この斜面の積雪は踝程度で柔らかく抵抗はない.地面も凍っているような事はなく、ピッケルも不要.四つん這いにならなくても登って行ける.

 今日の核心部は此処で終わり、此処を登り終え急斜面を抜け出たらスノーシューに履き替えて大平山の山頂を目指すだけ.(爺でも)一時間は掛からないで行けるだろう、、と、楽勝気分.松木尾根との合流点が近づき、急斜面から解放される.その上の広い緩やかな斜面には鹿が群れをつくっていた.沢山いるなあ.

 尾根合流点下から少し左に回って、カメラ(D5600)をバッグから出して鹿の群れ撮る.2枚目を撮ったところで、突然、鹿が2頭、4−5mの距離をおいて左の樹林から目の前を飛び出していった.
ビックリしたの何の!! 思わずカメラが手からポロリッ 斜面を転がり落ちていった.



松木尾根の向こうに半月山


左側 道≠ェ、ほぼ水平に 1700m付近で


右を向いて、道≠ェある


あそこで急登は終わり



鹿の群れだ 

昨年ガラケーから取り替えたスマホ

別にスマホなど必要ないんだけど、使えなくなるよとかAUからのDMが色々煩い.仕方がないので昨年10月に取り替えた.インターネットもアプリもやらない.完全通話だけ.こんなの・・猫に小判 ロクに持って歩かず殆どは充電器に鎮座している
 あああ、、雪の斜面をカサカサ音を立てながら転がり落ちていく.時々跳ねている.カメラは見えなくなったが、転がり落ちる音はしばらく聞こえる.やがて、音も聞こえなくなった.参ったなあ・・・ 取り敢えず探しに行かなければならない.すぐ見つかればいいが.
 一旦、尾根に戻り
1750m付近の平らな所にザックを置いて、トラバース気味に
移動しながら探してみる.落とした地点から3−40m下になる.みつからない.もうちょっと、下にも行ってみたりもするが、やはりない. もっと、下か. 時間が掛かりそうだ.山頂へ行くのは止めてカメラ探しに専念しなければならないな.本体はまあ取り換えがきくけど、データのSDカードを無事回収出来れば・・・.

 下まで下りてしまうと登り返すのが大変だと思い、又、尾根に戻ってザックを背負い尾根を1700m位迄戻り、ザックを置いてピッケルだけの空身で谷側の広い窪地に下りて行く.一応記録しておくのにD810を持って行こうかなと思ったけど、これを落としたり何かアクシデントに見舞われたら、爺は立ち直れない(笑) そこで、昨年ガラケーから取り替えたスマホを持って行く.



この広い窪地をジグザグに下降(マウスで黄色矢印の所まで  ※岩の所、赤い矢印は・・・) スマホ画像

 窪地の中央付近を多少上に行ったりして行き来しながら探したが見つからない.雪に落ちた跡の形跡もみつけられない.雪のない部分も多くあるからそこを転がって落ちていったのかもしれない.この辺りで上から落ちてきた場合、留まってくれる所、物が、ない.

 ずーっと下の方を見下ろすと、岩が多くあってそこなら止まるに違いない.(上画像の黄色矢印) あそこまで下ってみよう.と、広い窪地をジグザグに下りて行く.かなり、下りてきて岩が多くある少し平たくなっている部分を、岩の間など、丁寧に探したけど此処でもみつからない.

 更にその下を見ると、此処と同じように岩が多くある場所があった.そこまで下りてみて引き返そう.




更に、あそこの岩が多くある所まで下りてみましょう あそこで引き返す  スマホ画像




丹平次沢源頭   スマホ画像

 GPSはザックの中なので標高は判らないけど、そこは、丹平次沢右俣の最上流で更に沢が二つに分かれている所だった.多分、1600m辺り.此処から下りるにはザイルが必要で、仮にカメラが此処を飛んで行ったとすれば、下の河原で粉々になっているだろう.此処まで落ちてきていないことを祈った.この辺りを丁寧に探したが、やはり、見つからなかった.
 
 谷の下流を見ると大きく左に曲がっている.あそこの辺りは(これまた多分だが) 丹平次沢50m大滝のある所ではないか? 左に見える尾根は、2013年に大滝見学し大平山に登った時の尾根じゃないかと思う. あの時も辛い尾根登りの後、山頂で足尾のRRさん≠ノバッタリ.初対面で「足ある?」 挨拶なんてしてしまったけ・・・RRさん、元気で仕事やってっかなあ.等と思い出を交えながら、カメラ探しを一瞬忘れて沢を眺めてたり (笑い・・ごとじゃないか)

 半分諦めて、今度は登りながらジグザグに探していく.ジグザグは下りて来た時とは逆に歩いてない所を登って行く.かなり、登り返した所で何気に岩と倒木の隙間を見ると あった! 何と、探しに下りて行った遥か手前に引っ掛かっていたのだ.持ち上げてカメラを見ると殆ど傷はついていない.モニターに少しの傷と縦にヒビか何かが入ってるくらい.水没とかではないから、スイッチを入れても大丈夫だろうと、スイッチを入れると問題なくモニターが立ち上がった.だが、試しに押してみたシャッターは切れなかった.さすがに駄目か・・・
 家に帰り、nob(長男) がいじったら、何故かシャッターが切れた.おっ、大丈夫かな.

 に、してもデータが無事なら、取り敢えず良し.本体は、、、家に帰ってから考える事にしましょ.ザックを回収しに尾根に戻ったら、探し始めて2時間半が過ぎていた.




あ、もしかして 三枚上の画像で赤い矢印の岩  スマホ画像




ありました! スマホ画像

  この岩には探しながら下って来る時、岩の上に立っていた.ジグザグに下りてきて、この岩から下りる時は右方向だったから、その時は何も発見出来なかったのだが、左方向に下りていれば おっと〜! と簡単に発見できたのだが、、




一連の撮影作業を簡単にやってみた.
幸い、特にトラブルはなかったが、今後出てくるかも知れない.

傷がついた部分はこのモニターだけ.外装にはひっかき傷もない.
カメラをちょっと揺り動かしてみたけど、カラカラとかの音もしない.
100m位転げ落ちたんだけど思う.雪と、笹斜面がかなりなクッションになってくれたとはいえ、中々頑丈な機械ではある.
凄い〜〜 ニコン!

不注意とはいえ、ラッキーだったなあ.
D810で撮ったものはこちら、下手ですがご覧になってください Photo Nikon D5600 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.