◇滝見と山登り◇

日光市 足尾
小法師岳、巣神山

こほうしだけ(読み?):1593.1m
すかみやま:1226m


                  



2013年 11月 12日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
 過日、日留賀岳に登った時出会ったキノコ採りの人から、狩猟解禁は11月15日からだと聞いた.餅ヶ瀬川の辺りは「鉄砲打ち」が多く、11月になると平日でも多く入っているのでおっかないから、この季節はいつも足が遠のくのだが、15日からと聞いてその前にちょっと気になる所を急ぎ訪れてみる事にした.

 餅ヶ瀬川林道のゲートを過ぎ、いえまつ橋を渡って林道は沢の右岸になる.橋から僅かで左岸に滝をかけて支沢が合流している.水はそこそこ多いが、この沢の情報もなく名前も判らない.情報がないということは沢屋さん達に見向きもされてないという事だろうから、平凡な沢だろうと簡単に検討がつく.これまでも、そういうのは結構あった.ただ、地図(地形図)を見ると中々険しそうであるから、5−6m程の滝の二つや三つはあるかも知れない.何もなくても、上には小法師岳があるので、あの稜線も偵察しておきたい、、、と、若干の欲も出る.

 ただ、今日は所属している某組合の集まりがあるから、夕方6:00頃迄には帰らなくてはいけない.ま、沢が大変なら稜線に詰め上がらず適当な所で帰るか、沢の左岸尾根に逃げて下りてくれば良いだろう.


ゲート出発 6:45


支沢出合の滝 7:00


横断するルンゼを俯瞰


トラバース道のロープ
 ゲートから手前の空きスペースに車を駐め、朝飯代わりのカップそばを食べて支度をする.足回りはスパ長にするか沢靴(アクアステルス)にするか迷ったが、帰りの長歩きを考え沢靴にした.2−3日前の天気予報では晴れだったのが昨日の予報で関東より北では雪天気となってしまった.が、此処は群馬の天気だから概ね大丈夫だろう.と、都合の良い勝手な予報を自分で作って出向いたのだが、、、寒いッ! 空は晴れている様だが朝日は未だ差し込まず風花が舞っている.

 いえまつ橋を渡り対面に滝を見て沢に下りる.7−8mの滝だが、紅葉の中に落ちているから中々の見応え.ただ朝早い時間なので映えて綺麗という程ではない.三脚を立て適当に数枚撮影し、滝の上にいく算段をする.右を半分位登った上はややハングしていて、その上に掴まるものが見つけられず簡単に断念.橋に戻って手前から樹林に入り、大高巻きを決め込む事にした.(餅ヶ瀬川)左岸の斜面に取り付きいい加減登って行くとトラバースしている踏み後があった.上がってきているルンゼは急峻で高度感があるが古いけどロープが設置されてあった.どういう人が使うのだろうかと、不思議に思ったが素直に利用させていただき、その後も厳しい斜面やルンゼを横断していき上の沢に下りる事が出来た.


ルンゼを見上げると紅葉が キレイ〜


倒木を抱く4−5m滝 7:35


ゴーロだが沢は穏やか


上流で見られた3m程


見事なカツラ(?)
 下3m程、上4−5m程の連瀑の間に下りて下流を伺うがちょっと下りるのに面倒臭さそうなので上の滝だけを撮って誤魔化す.流木を抱いている滝は平凡だが、バックの紅葉が素晴らしい.こういうのを見ると上流にもつい期待してしまう.林道では風花の様だったが、小雪が舞う様になってきた.風は殆どないから暑くなって冬用のジャケットを一旦脱いでザックの上から被せる様に羽織ったが、何だか歩きにくい.すぐ右に涸れ沢を分け、炭焼窯跡を見ながら平凡な沢をやや高度を上げながら遡行を続ける.滝やゴルジュは全くない.

 標高1000mを越えるとそれまであった両岸の紅葉は少なくなり木々の葉も落ちてしまっている.沢の水は涸れたり出たりを繰り返してぐんぐん少なくなっていき、1250m付近では殆ど無くなってしまった.二俣になっている所でどちらへ行くか迷ったが、右を選びそのまま尾根に出る事にした.1300m付近から沢形は消え踝程度の広い笹斜面となった.一直線に登りやや急斜面を過ぎると笹は腰高となってきた.多分クマイザサか.


炭焼窯 1


炭焼窯 2


炭焼窯 3 どれも中は綺麗だった


水、此処までで完全に涸れる 1030m付近


沢を俯瞰 1200m付近の二俣


沢形終了 1300m付近 9:35


尾根の防火帯に到着 右寄りに見えるのが大きな”松” 9:55


左画像の同じ所から反対側、防火帯を見上げる
 防火帯に出て一本の大きな松(アカマツ?)の木の所で休憩.おやつのパンを半分食べた.が、半分で止めようと思ったのに、周りの景色やら地図やらを見ながらパクパクやってたら全部食べてしまった.そう言えば此処まで水は全然飲んでない.時々防火帯の下の方から小雪を混じえて風が吹き付けてくる.背中が少し乾くのを待ってジャケットを着込んだがややシャツが冷たい.この尾根は防火帯そのものみたいで判りやすい.目標も見通しが良いので一目瞭然.クマイザサは密だが細いので抵抗はなく登るのにそれ程支障はない.

 1470m付近で南からの尾根と合流するので踏み後を期待するが、それは儚い希望.一本の緑の葉をつけた木(何だっけ?)が絵になり、とても印象的.防火帯の外はカラマツ樹林帯の中にシラカンバが点々で、こういう風景も中々良いもんだ.見上げると青空には薄雲がかかっていて、舞っていた小雪が先程より多くなってきた気がする.笹の切れた所で小休止.ズボンにダニでもくっついてないか調べたがいなかった.思ったより順調なのでこの分なら「笹の平」を偵察出来るかも知れないと欲が少し膨らむ.


一本だけ緑の木 そこが尾根合流点 10:15


尾根分岐から、これから登る方向


雪で霞みがちな中にピークが見える


小法師岳山頂 ステッキ握手が三角点 10:50


小法師岳から稜線東方向 雪が吹付けている
 さて、再び笹藪漕ぎだが高度を上げるにつれ胸高になってきたりして抵抗感が増してきた.西側斜面(カラマツ林)を登ると少し軽減されるが、下から吹き上げる風が強く冷たく閉口する.東側のカラマツ林に入ってみるが、何故かこちらは防火帯の笹藪とあまり変わらない.仕方がないのでややスピードを落とし登って行く.1500mを過ぎてから、1cm程度雪が積もっている.笹が切れてイノシシが掘り起こした様な後が出てきた.お陰で多少藪歩きから解消されたりするが、こんな所にイノシシはいるのだろうか?(西側)木々の間から時々うっすらと山の形が見えるのだが雪かガスでハッキリしない.小法師岳に近くなると、強風と雪が吹き付けてくる.笹の葉にも雪が積もっていてズボンがたちまち濡れてきて冷たい.

 一般登山の時はカッパ上下を持ち歩くが沢歩きの場合、下は(沢水で)濡れるので上だけ.我慢しながら小法師岳に着く.山部さんの山名板が随分下の方に付いていた.お昼ご飯にしたりゆっくり休んで行くつもりだったが、風と吹き付ける雪で冷たく寒い.笹の平は諦め早く雪のない(標高の)低い所で休もうとばかりにコンデジで4−5枚パチパチで、稜線を東に向かう.此処からはテープがあり踏み後の上に雪が積もりハッキリ判るので楽.ちょっと迷いそうな尾根分岐がある1526Pでは木に小さい標識が貼り付けてあった.


庚申山方向、稜線から


結構歩き易い稜線の笹原 赤テープ有り
小さい標識のある尾根分岐少し手前


防火帯の笹原、踏み後がこの下にある


まるでテーブルの様な岩 1240m付近 


パックリ割れた岩 12:45


巣神山山頂 三角点を見忘れた〜 12:50


割れた岩の間に木
 1526Pから東南に折れ、防火帯のやや深い笹斜面を下っていくが、笹の下には固い踏み後があるので勢いスピードがつく.こういう状況で怖いのは笹の下隠れている倒木.そこで、ステッキで前を探りながら進む.これはいつもやることで大概倒木は見つかるし、スピードも慣れれば若干遅くなる位で済む(慣れないとステッキは煩わしいと言う人もいるけどね) そういう中で一個所倒木が上下2段構えになっている所があった.それが少し離れていた為下のは避けられたが上のヤツに腿が引っ掛かり(斜面だった事もあって)一回転する様な大転倒.幸い笹のクッションで何事もなく救われた.

 1400m付近を過ぎると雪はなくなくなり、1450Pを越えると(下り方向)右手の桧の様な(?)樹林帯では笹がなく歩き易い.それまで風花の様な雪も止んだ様だ.1380付近の間違えやすい尾根分岐もテープ&(薄いが)踏み後があり迷うことなく進めた.陽も時々差してきているので、お昼ご飯にした.相変わらずサンドイッチと缶コーヒーだが、こういう日は暖かいのが欲しいけどこんな所での贅沢は無理だなあ.

 それからは順調に下降を続け、巣神山を通り大した問題もなく唐風呂林道に下りた.ビックリしたのは林道沿いの紅葉だった.クリアでとても綺麗なのである.滝は大した事はなかったが、これは大もうけの気分だった.

 駐車地着は14:30でした.


唐風呂林道 到着 13:00


林道から 袈裟丸山


 唐風呂林道で見た紅葉1


 紅葉2


 紅葉3


 紅葉4


 紅葉5


 紅葉6

当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.