◇滝見と山登り◇

鹿沼市
夕日岳

ゆうひだけ:1,526m

                  



2013年 12月 31日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
 年末、何となく恒例になってしまった夕日岳.今年も予定通り出かけることにした.東大芦川が大滝上で日光沢と本沢に分かれ、本沢右岸の支流は概ね歩いた.残っているのはナル滝のある沢の上流、奥の二俣(1080m付近)から左の沢だ.沢の長さから見ると、こちらが本流と思われるが等高線から察するに渓そのものの険しさはなさそうだ.滝も期待できそうにないが、行ってみないと判らないのは世の常.今行かなくても後々行かなくてはならない.最も、今年の夕日岳へは此処からと夏くらいから何となく決めていた.

 出かける前日、コタツ寝たきり老人を過ごしたせいか、喉と頭が少し痛い.そのせいか普段より早寝をしたがぐっすり眠れず当日午前3時半頃に目が醒めてしまった.棒滝の写真も撮っていきたいのでいくら何でも早すぎる.布団の中でモゾモゾしながら4時半頃起きて魔法瓶にお湯を入れ、昨夜簡単に支度をしておいたザックその他を車の後ろに放り込んで4時50分、予定より40分位早く家を出た.

 この時間帯は無料のサツキ道路を走り、信号もほとんど止まることなく古峰ヶ原方面へ向かう.東大芦川の林道も当然の様に車はいない.今年は雪が多い様なので少し心配したが、林道に全く雪はなかった.大滝を過ぎて本沢林道に入ってすぐに通行止め.え゛っーー!.標識板とカラーコーンが置いてあるだけなので、どけて通ることは可能だがそういう行動は爺の意に反する.戻って、ヒュッテの駐車場に駐める事にした.真っ暗な駐車場には東京ナンバーのミニバンが一台駐まっていた.こういう所に泊まりに来る人もいるんだね〜.

 明るくなるのを待って林の僅かな斜面を登り林道に出ると大きな枯れ木がガードレールにもたれて横たわっている.なる程、これでは通れない.ううう、、往復1時間強のアルバイトになるのかぁ・・・・ 出発6:40


林道を塞ぐ倒木


右支沢、ルンゼ状数段の滝


棒滝 7:35


棒滝


ナル滝上流の入渓場所 8:35
 林道に雪は全くなく、本沢にも積雪は見られなかったので重量軽減の為輪カンは割愛.これがあとで後悔する.  林道にはその後も倒木やら岩やらがゴロゴロして、あの太い倒木がなくても車では無理だが歩くのには支障がない.木々に葉がないので天狗滝がよく見える.まだ薄暗いので此処は素通り.林道が山側へ大きくカーブする所の広場に着いたのはヒュッテ駐車場を出て40分後だった.此処には右支沢に3m程の滝があるのだが、滝前に木が倒れ込んでいた.昨年9月末に通ったときはなかったので(林道の倒木も含めて)その後と言うことになるのか.
 林道と分かれ、右に水の少ない数段の滝を見て堰堤から沢に下りる.河原の雪は所々にうっすらとあるだけで表面が固いから、ここ数日は降ってないようだ.ヒノキガタア沢もこれまで来た中で一番水が少ない感じがする.此処まではトレッキングシューズで問題なかったが、今日の足元は本沢の本流を遡行するのでスパ長だ.遠慮なく水の中をジャブジャブやりながら棒滝の前に立つ.滝の両側には水滴がツララを造り、良い趣(表現が下手なのでこの言葉が便利・・・)を創っている.フイルムに数枚収め、コンデジでカシャカシャ撮りまくった.さすがに寒いので手袋を脱いでいるとすぐに痛くなってきた.


5−6m程の滝 水は僅かに流れていた


その滝の右にある滑滝 表面は凍っていた


左支沢滝前から俯瞰 以前来た時は滑滝が凍っていて下りるのに
難儀したが、今回は楽だった


本流(左支沢出合い付近) 9:25
 ナル滝は寄っていこうかどうか迷ったが、滝前の廊下を通るのが困難なのでちょっと残念だがパスする事にした.左岸の作業道か何かの踏み後辿っていくが、年々薄くなっていってる様な気がした.途中、真下にナル滝の頭が見える所で、下りてみようかと思った.急斜面でフリーでは駄目だが今日はザイルを持ってきている.しかし、下りたからには登り返さなくてはならないからそれも辛い.この先少し長いから体力温存に努めよう.登りに入る辺りから熱くなってきたので汗をかく前にジャケットの下に着込んできたセーターを脱いだ.うん、これで丁度良い.天気予報では、穏やかな天気だと言っていた.

 踏み後が沢を横断する場所から入渓し遡行を開始する.沢には雪が4−5cm程積もっているが妨げにはならない.上流にいくに従って少しずつ積雪量は増えていくが、表面は固くむしろ歩き易い.氷柱混じえた幾つかの小滝を撮影しながらルンルン気分で遡行を続けられる(少し大袈裟だけど).左から支沢が合流している.標高910m辺りで、この支沢には出合いから150m位の所にゴルジュがあり、5−6m程の滝をかけている.その手前は傾斜の緩い滑滝だった筈だが、沢は倒木と瓦礫に埋もれみるも無残.水も殆ど流れていない.うーーん、残念・・・


4m位のCS滝


氷が碧みがかって撮れるかと思ったが
そうは、甘くない・・・


大きな滝もいいが、4−5mの滝は撮影しやすく結構楽しい


楽しいのだ(笑)
 本流に戻り、今日の目的の一つでもある涸れ滝に着いた.見える所4−50mはありそうなこの滝は、下部2段が滑岩の様に凍っている.その上部はルンゼ状になっている様だが詳細は判らない.探ってみたい欲望にかられたが、夕日岳に登るという最終目標があるので、此処でも体力温存を決め込む事にした.それにしてもこの立派な滝は、「涸れ滝シリーズ」に加えなくてはいけないだろう(笑).夏場は水が流れているんだろうか? いずれ、その季節にも訪れてみなくてはならないと思うけど、爺には時間があるのだろうか? 

 徐々に雪が深くなり、踝を越える位になったので、スパッツをつけた.遡行を続け上流にいくと雪は更に深くなってきて、とうとう長靴を越えた.固い所もあるが、柔らかく膝まで沈むときも多くなってきた.こうなると沢沿いの岩が多い所は極めて歩きにくい.水も殆ど涸れてしまった1150m付近で遡行を打ち切り、純粋に夕日岳を目指す事にした.出発して既に4時間以上経つが長い歩きなのに高度を上げていないので、まだ350m近くある.この雪で輪カンも持たず登り着けるんだろうか、、、と、やや不安になる.


見事に凍っていた涸滝 10:05


この辺りで沢はそろそろ打ち切り


斜面に取り付く 10:55


左の支尾根を登る
 取り付きの斜面は急だが灌木が多く、それを頼りに細尾根まで登った.両側にルンゼを見ながら積雪の少ない(膝下位)細尾根を登ったが、これは案外楽だった.1330m辺り、右のルンゼが終わる頃支尾根が合流してからが辛い登りになった.急斜面から解放されたものの、時折腰下まで深雪の中に入り込んだりしてかなり難儀.多分吹き溜まりの様なものだからすぐに終わると言い聞かせながら、喘ぎ喘ぎ登って行く.大きなコメツガ(?)が根こそぎ倒れている所では、谷側の視界が開け薬師岳に続く禅頂行者道の稜線がくっきりと眺められた.

 この登りはきつく、汗をかいてしまったので、ジャケットを脱ぎタオルでシャツの下の汗を拭き、ジャケットはザックにしまいセーターを着た.ザックはやや重さを増したが気分はかなり快適になった.残す所150mあまり.少し登ったら、木々の間から夕日岳の北尾根が見える.こうなると更に元気が出る.元気が出ると回りがよく見える.標高が増すにつれて、積雪は多い所と極端に少ない所があった.強い風に吹き飛ばされるのだろうか、下生えの笹が出ている所も多くあった.飛び石状態にそういう場所を選びながら登って行くと、不思議なもので積雪も苦にならなくなった.


細尾根 振り返ってカシャッ
空白です


倒木の根っこから、禅頂行者道の稜線を望む


登山道に出たが・・・
向こうが山頂 13:35


登山道、三つ目方向 期待した踏み後はなくガックシ


山頂 13:40 三角点が頭を出していた 
 斜面に取り付いておよそ2時間半.久々の辛い登りの終止符は、夕日岳山頂から(距離)7−80m程南西の登山道.ホッとし、一変に気が緩んだのも束の間、誰か登った踏み後があると思ったがそれは全くなかった.登ってきた斜面よりも吹き溜まりになっている.表面が少し固くなっているので、ツボ足は更に具合が悪い.歩く度に太腿まで沈み、疲労困憊の身にはかなり応える.再び斜面側に戻り、ゆっくりと前進してやっと頂上に着いた.行程が大変であればある程到達の感激は沸いてくる様で、3度目の今日はかなり嬉しかった.

 空腹を覚え、ヘルメットを下敷きにして座りサンドイッチを頬張る.いつもの”キレの微糖”もおいしい.日光連山は上部に雪雲を抱きクリアでないのはこの時間だから仕方がないか.時々風が吹き付け風花が舞う.冷たいが寒くはなかった.此処に足繁く通っている人「山キチさん」は、お元気なのだろうか? まだ、山登りなどされているのだろうか? そんな事を思いながら、夕日岳新道を下り始めた.今日は、1450mの分岐から北に延びる尾根を下りて本沢林道に出る事にしていた.途中、やっかいな岩場を越えるのに苦労したが、その後は順調にイセツ沢の堰堤下に降り立った.


雪雲を被る男体山


やっかいな岩場 14:00


蕗平沢(右の尾根)と本沢林道(左直進)の分岐 14:40


大岩(向かって)右から巻いて下りてきた 15:15


下降途中からの眺め


ブッシュと檜の植林帯が出てきたら、尾根下降終了は近い
イセツ沢出合い 16:25
ヒュッテ駐車場 17:10
Nikon Coolpix P7800  

当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.自己責任でね(^_^)