◇山登りと滝見◇

那須町
南月山、
高雄股川の滝マーク

みなみがっさん:1776m

                  



2009年 6月 12日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
 表那須の高雄俣沢上流にある滝マークは、ずっと気がかりになっていた.というのも、二度確認に訪れたが未遂に終わっていたからだ.一度目は、下流から遡行し此処かも知れないという滝を見、少し上流を覗いてみたが藪沢を見ただけで引き返した.二度目は、登山道を登り道が不動沢を横断する所から下降し、トラバースしながら滝マークへ近づこうと試みたが、凄いネマガリダケの藪であえなく撤退.一度目に見た滝がその滝マークであるだろうと思ってはいたが、胸のモヤモヤが晴れなかった.

 そこで、多少の藪は覚悟の上今回は沢の真上から下りて滝マークを確認しようと出かけたのである.季節は梅雨に入り、天気がいまいちぱっとしない.仕事もそこそこ忙しいので身体を開けるのが難しい.が、そこは自由業の最大利点 「ま、何とかなるさ〜」、「いざとなりゃ誰かの葬式って手もある」で、天気の良い日なら平日でも出かけてしまおう♪ という、バイテリテイ(っていうか?)

 ルートは那須ロープウェイに乗り、牛ヶ首から日の出平を通り南月山の手前にある鞍部から適当に下りて行って、滝マークに辿り着こうというもの.相変わらず行き当たりバッタリの綿密計画(?)で早速実行に入る.

 ロープウェイは平日でも観光客や登山客が結構多い.中年からそれ以上の人たち殆どだった.ここでちょっとしたドジ! 余裕を持って支度をし、あと三分の案内放送で改札にに行ったら、登山の人はカードに記入してくださいと言われ、急いでカードに記載し改札に行ったら閉められてしまった.つまり、発車時刻に遅れてしまったのだ.で、次の運転まで20分近く待つ事になる.仕方がないので、缶コーヒーを自動販売機で買いベンチでゆっくり過ごした.


ロープウェイ 山麓駅


ロープウェイの山頂駅から


茶臼岳山頂に向かう観光客(殆ど軽装)


牛ヶ首で山腹トラバース道(左やや下)


牛ヶ首から流石山〜大倉山の稜線


日の出平への登りから茶臼岳
 歩きにくいガレ場を茶臼岳山頂に向かって登り、多くの観光客達とは道を別にし牛ヶ首に向かう.登山道(遊歩道)は茶臼岳の山腹をトラバースするようにつけられている.途中何人かが立ち止まって少ない植物群を見ている.何だろうとそっちを見ると、イワカガミが幾つか咲いていた.数人が周りを取り巻いているので撮影は出来ず、歩いて通り過ぎる.
 牛ヶ首へ着くと3組6人がくつろいでいた.以前沼原湿原から登って来たことがあるが、ロープウェイだとかなり楽に来られるのだなと、実感.休憩もそこそこに日の出平に向かって歩いて行く.道は所々えぐれていたり、露岩のある急な登りだったりするが」、概ね歩き易い.展望も良く、右に姥ヶ平の沼やベンチが一望でき後ろを振り返ると茶臼岳が大きく、噴煙をあげている.

 日の出平はその名前が示す通り、広く平らな気持ちの良い場所である.ベンチや案内板、道標が設置されており、休憩にも良い.大きな木はないので展望も効く.遠くの山の名前はよく判らないが、日光やその奥、又流石山からそれに続く稜線が良く見える.此処から少し下り、軽く登り返すと南月山の頂上だ.
 山頂には三脚にカメラを構えて茶臼岳を撮影しているらしい、若者が一人いた.頂上には案内板や道標、祠などがあり展望も優れている.少しエネルギーを補給し、若者と少し話をして高雄俣沢に下降する支度をした.今日は沢装備でなく軽登山靴できたので、藪歩きに備え(普通の)スパッツを着けた.


日の出平


南月山山頂手前のお地蔵さん


南月山山頂


黒尾谷山


沼原調整池と県境の山々


山頂標識


適当に斜面を下りていくと・・・


沢形が出てくる
南月山から少し日の出平方面に戻り、鞍部から藪の無い所を選んで下降してゆく.初めのうちは藪の無い砂礫斜面だったが、下るにしたがって草が生えてきた.トリカブトの群落地がある沢形を追って行くと、斜面は次第に急になってくる.両岸には笹も密になってきた.渓は雪解けが済んだばかりの様な雰囲気で、モミジガサやエンレイソウなどが生えていた.(あ!モミジガサは食べられるんだった.採ってくれば良かった〜)

水はまだなく5m程の涸棚が現われた.下りる事は出来ず右の笹藪に入って巻いて(下りて)いく.足を置くと崩れやすい急斜面を注意深く下り水のない沢に降り立つ.暖かいせいか小さな虫がまとわりつき煩わしい.その後も2,3の小滝(涸れ滝)が出てくるが下りていくのに問題はなかった.そのうち沢の中まで笹が密になり、藪の薄い所を選んで歩くのに苦労する.
 何とか藪を掻き分け下降していくと、藪が突然切れ前方がガクンと落ちている.涸滝の上に出た様だ.下を覗くと、二俣で右俣(本流)が樹間から見え沢の水音も聞こえた.右も左も降りられず、左岸の尾根を少し登って緩やかそうな場所を探し、ロープを使用して本流に降り立った.
 岩が重なり傾斜を造っていて水は階段状に(水量は少ないが)流れ落ちている.水を少し口に含んでみたが、温泉という感じはなく冷たくて美味しかった.両岸は崖だ.GPSで位置を確認する.滝マークから150m程下流にいるようだ.灌木混じりの沢を遡って行くと、灌木がなくなりヨモギの様な草がびっしり生えている開けた場所に出た.そして、目の前には水が滴り落ちている崖が・・・・・


ゴルジュっぽくなる


高雄股沢、水は少ないが流れている


滝マークと間違えた涸れ滝


涸れ滝の壁際を歩いて行くと・・・
滝マークは涸滝だったのか.少し落胆を覚えたが、気を取り直して沢の流れを遡って行くと、小さな沢は右と左に分かれた.右の方が水量が多い.水につられて右の方へ行くと、完全な滝(?)が前方に見えるではないか.良かった良かった、と滝下へ近づいて行ったら、滝下で猿が一匹手で水をすくって飲んでいた.
 滝は大きく分け2、3段か.上の方は良く確認出来ないが、20m程.数年越しの喉のつっかえが取れたのと天気が良いのとですこぶる気分が良い.ほおばるおにぎりも美味しい.ゆっくりと撮影を楽しみ(出来なんてどうでもいいのだ)、帰路の算段をする.
 地形図では滝の右岸左岸共崖だ.現場でもその通りで、この崖を這い上がるなんて事は爺には出来ない.予定では、この崖下際を沿うように回って不動沢の右岸尾根を越え、※温泉付近の登山道に出ようというもの.しかし、不動沢を下りた時経験したネマガリダケ藪はきつく出来れば避けたかった.そんな思いで、滝を後にし左岸崖下に向かうと、急な斜面だが草付きのガレ場が上に伸びている.ずーーっと上を見ると、そこだけ崖が切れていて何となく通り抜けられそうな感じがした.駄目元で登ってみた


25m程の大滝(右は多分支沢になるルンゼ)


沢は上で分かれているようだが詳細は不明
 予感は的中し、両崖の間を難なく尾根(1586P付近の鞍部)に登る事が出来た.崖に沿って下降し尾根を巻くと、一昨年経験したネマガリダケの藪に又突入する.だが、これでそれは回避出来ると思い少しホッとした.計画では、高雄から牛ヶ首に至る登山道に出る予定だった.しかしこの尾根からは、背丈ちょっと上のツツジが密生していて方向が良く視認出来ない.取り敢えず見える所(が、あるかどうか..)迄尾根を登る事にした.
 尾根は藪もなく、踏み後っぽいのがある.それ程急ではない尾根を少し登ると、北東方面が良く見える場所に出た.前述の登山道に出るには沢形に下りて、登り返さなければならない.上から見るに、ツツジや笹がビッシリとまるで絨毯の様だ.相当な藪が予想される.ここは、この緩やかな尾根を登って日の出平手前の登山道に出ようと、決めた.
 暫くは藪もそれ程でなく、踏み後(鹿道?)を追ってルンルンだったが1600m付近から笹が多くなってきた.しばらくはチシマザサ(だと思う)が、腰から胸位でまだ大変だと思うまでの藪漕ぎではなかったが、その内枯れ葉色のほとんど無い、綺麗な緑色の細い竹藪(胸辺り)になった.まばらな灌木の中に笹の海が広がっているという感じである.笹も密ではあるが細くしなやかでチシマササ程の抵抗ではないが、綺麗な緑の海でも泳ぐ様に漕いで行くのは結構辛い.


笹藪漕ぎでツツジに癒されます・・・


が、まだまだ藪漕ぎは続きます


牛ヶ首には誰もいない



 疲れてくると、足に絡み前のめりに転ぶ.そう言う事を何度か繰り返しながらもやっとの事で登山道に出たのは、鞍部を出発してから1時間20分後の事だった.時間は午後3時50分.最終午後4時半のロープウェイには間に合いそうもない.仕方がないので、姥ヶ平から峰の茶屋回りで下りる事にした.牛ヶ首の分岐では人っ子一人いなかった.そりゃあロープウェイは終わっているので観光客とか居る筈がない.硫黄臭の濃い匂いを嗅ぎながら茶臼岳の山腹をトラバースし、峰の茶屋跡に出たがこちらにも人はいない.疲れた足を引きづって着いた出る時に車が多かった駐車場では、爺の車一台だけだった.


藪漕ぎで日の出平に出る途中から望む茶臼岳


峰の茶屋跡手前から朝日岳


山腹トラバース道から日の出平


今日は一日良いお天気でした


指導所脇の登山口

当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.