◇滝見はちょっとで山登り◇
鹿沼市
天狗滝
を見て
夕日岳〜薬師岳〜三の宿山

ゆうひだけ:1526.1m
やくしだけ:1420.1m
さんのしゅくやま:1229m

                    



2011年12月31日 訪問


(時間は参考にしない事)
                           
 12月は県南の低山歩きが多かった為か、家を早く出る事が少なかった.朝起きて、朝食をゆっくり食べ、登山口スタートが11時頃なんてのも2−3ヶ所.気持的にダラッとしてしまっている.これではいかんと、今年の日にちは残すところあと一日.滝見をして山登りをビシッと決めようと、心身共にビシッ.


鹿沼市の東大芦川は大滝上で(左)本沢、右(日光沢)に分かれている.その分岐から1kmちょっとに「天狗沢」(←沢名が間違ってなければ良いが(汗)」が右岸から合流している.出合いに2段15−20m程の滝「天狗滝」をかけ中々険しそう.棒滝やナル滝を撮影しに行く時、木の葉の間から望見し車で通り過ぎていた.かなり前に道路から撮影はしていたが滝前にも下りていない. そこで、今回はこの滝を下から撮影する事と、沢の上流を探索してみる事にした


 朝5時半に出てローソンに寄り少しの食料を買い込み(この時間)無料のさつきロードを通り抜けて鹿沼工業団地を走ってる時、コンデジを忘れた事に気がついた.参ったな〜と思いつつUたーん.往復30分のロス.久々の早出もこれじゃなあ・・・ 東大芦川大滝の上までは舗装路を行けるから、幅は狭いが快適に走れる.分岐から左の本沢林道に入ると道はすぐダートになり、かなり荒れているので普通の乗用車では走るのが辛いだろう.
■写真左
駐車地から見える薬師岳(多分)
7:55


■写真右
林道からの「天狗滝」
■写真左
本流の滝4m程


■写真右
天狗滝
 天狗沢が本沢に注ぎ込む出合いには細いが綺麗な2段の滝が懸かっている.車はそこより少し奥に入って広くなった所に駐める.外に出ると空気は冷たく、身支度する手がたちまち痛くなる程だ.すぐ側の沢は堰堤があり、上流から出合いに下降する事は出来ない.林道を少し(歩いて)戻り、急斜面だが釣り屋さんが利用していると思われる践み跡を下りていく.沢に下りると前方すぐに滝が見える.この時期水量は多くなく落差もそれ程ではないが本流の滝だから結構な迫力である.河原の滑は表面が氷っていて三脚が立てづらい.手袋を外して少し経つと手が痛くなってくる.ささっと撮って左の岩を登り滝上に出る.

 すぐ左に細い2段の滝美人が出合っている.初めて東大芦川を訪れた時、木々の間からこの滝を見て綺麗な滝だと思っていた.その時は未だ名前が判らなかったが、いつの頃からかこの沢周辺にダム建設の話が持ち上がって、それに反対する人達が滝に名前の付いた木札を掲げた.それが「天狗滝」だ.今、ダム建設が中止になってその木札は対岸林道付近を探してみるが見つけられない.落ちている沢が天狗沢なんだろうが、何故か名前がピッタリの様な気がしてくるのだから不思議だ.木の葉が落ちた時期は林道からでも全貌が見られるが、春、夏は気をつけないと判らない.まして、狭い林道の悪路を車で通る時、(山側の)崖が気になりそれどころではない.ただ、全体が見られる時はその上にある堰堤も同時に目に入ってしまう.

 さて、天狗滝の下に立つとラッキーな事に堰堤は見えない.滝の両側は凍っているが、流れは凍っていない.全面結氷するのだろうか? 厳冬期に来た事がないから判らない.撮影を敢行するが、手が冷たくかじかんで露出補正ダイヤルを操作するのが大変だ.しばらくの間カメラの電池を替えていないのと、予備電池を忘れてきたのでちょっと心配だったがカメラは問題なく動作している.撮影を終え、此処から滝上に出られるか見回してみた.全部崖で爺にはまるで無理.下流も同じだ.上流には堰堤があって、先程下りたところを登り返し、堰堤の上に行って考えるしかなさそうだ.

■写真左
天狗滝上の堰堤
8:45

■写真右
堰堤上流の様子

■写真左
画面やや左、二俣
9:55

■写真右
(桧)樹林帯の急斜面を登る
 (本流)堰堤の上は伏流になっていて涸れ河原だ.右岸の緩い斜面に取り付き小尾根を登って天狗滝の上にある堰堤の上流に出た.沢は広く水も極端に少ない.沢の両岸に険しさはない.ちょっとガッカリしたが、ま、伏流してて上流は水がゴーゴーなんてしょっちゅうあるから地図の等高線が密な場所に期待をかけ、ゆっくり遡って行く.しかしそれからも水は出たり潜ったりで、一向にゴルジュも滝も出てこない.我慢して遡行を続けるとついに水は涸れ二俣に着いた.涸れているのでどちらが本流でも構わないが、水が流れた跡からして右の様な気がし、そちらに向かう.沢は高度を上げていくが滝も水もない.比較的近場にあって情報も全くないからこんなものか・・・
■写真左
尾根上の踏み後
10:30

■写真右
標識があった(1200m付近)
■写真左
尾根の踏み跡


■写真右
コルに下りる手前の岩場
向こうが見えないので崖と思った

12:05
■写真左
夕日岳山頂
12:25

■写真右
三つ目から樹林の向こうの夕日岳
13:00
 遡行を諦め、取り敢えず夕日岳に登ってみる事にした.標高950m付近で左岸の斜面に取り付き、尾根に向かって登る.取り付きから尾根まで約35分、檜の樹林帯の中は急だが藪もないので比較的楽に登る事が出来た.尾根には薄いが踏み跡があり赤ペンキもある.どなたかが利用しているのだろう.1200m付近には”夕日岳”と書かれた標識もあった.あとは、尾根を登って夕日岳を目指す.1450m付近の尾根分岐に着くと「蕗平→」と書かれた標識が木に掛かっていた.あ、ここは「夕日岳新道」か? これまでそう困難な所はなかったがこのピークからコルに下りる露岩の急斜面がやや厳しい.両側が切れ落ちていて緊張するが、雪はなく凍ってもいないので木の根に掴まりながら慎重に下りる. 夕日岳に近づくと踏み跡に雪がくるぶし下程度積もっている.北東尾根に下りている足跡が一筋あった.いつもそのルートを登っているという”山きち”さんかも知れないな、、等と思いながら少し歩くと頂上に着き、眼前に日光連山がデンッと見えた.
  時間は丁度お昼時、今日はカメラ、三脚を担いでいるのでジャーのお弁当はなし.家からはおにぎり一個(ちょっと大きめ)作ってきた.コンビニでツナ大根(こんなのあったのね♪)の缶詰を(どら焼きとクッキーも)買ってきた.おにぎりを食べ、缶詰を開けたが、、、箸がない!何か代用になる物を探したが何もない.仕方がないので、人差し指ですくい上げる様にして食べた.美味しい事は美味しいのだが、周りに人がいたらかなり恥ずかしい.男体山や、日光連山が良く見えるので三脚を立てフイルムでも撮影した.
 此処からは良く踏まれた登山道を三つ目に向かう.道には雪が僅かに積もっている.いつ降ったのか判らないが、(夕日岳に)来て戻った様な2人位の足跡が着いていた.少し下りて登り返すと三つ目に着く.此処は南に「地蔵岳」北に「薬師岳」を分ける分岐点でもある(但し標識は「細尾峠」−「古峰ヶ原峠」).右折し薬師岳に向かう.此処から雪は殆ど無く道に吹き溜まりとなっている程度.風もなく穏やかな天候は歩いていて気持ちがよい.薬師の肩(細尾峠への分岐)につき軽く登って薬師岳だ.
■写真左
歩き易い登山道


■写真右
薬師の肩
14:05
■写真左
薬師岳山頂
14:10

■写真右
薬師から三の宿山に向かう稜線道
■写真左
以前は此処から分かれ南に延びる尾根に下降 1240m付近


■写真右
開けた場所
15:00
薬師岳山頂から北東方面   此処でも少し撮影に時間を割き、三の宿山へ行く縦走路の道に向かう.この道は2009年の一月に歩き、(稜線の)1240m付近から、東南の尾根に下りた.その時は雪がかなり積もっていて、踏み跡(又は道)があったかどうかは覚えていない.だが、今日は雪が無く踏み跡(又は道)がはっきりしていて、思ったより歩きやすい.これなら大木戸山(1286.6Pの三角点)まで行って、そこからなら明るい内に林道に下りられそうだ・・・と、一応計画.そこへ行ったら又考えよう.

 明るい雑木の稜線は気持ちが良い.ほんとはゆっくり歩きたいのだが、時間も時間なので少し急ぐ.以前、稜線から別れた尾根を通り過ぎると、右斜面が鹿柵のある開けた下りになる.形の良い夕日岳が眼前に迫る.この開かれた斜面は植林地で、ここからでも本沢林道に直接下りられそうだ.薬師岳を出発して1時間20分位経った頃丸山の標識があった.急いでいるせいかすぐには気が付かず見逃して通り過ぎるところだった.三角点はなく何か境界標の様な杭が立っているだけ.
■写真左
稜線道の祠(二つ)


■写真右
太郎山が見えた(右は大真名子山)
■写真左
「丸山」 1242m
15:45


■写真右
「大木戸山」 1286.6m
16:15

開けた場所から見る夕日岳  大木戸山に着いたのは16:15分.雑木に囲まれた展望もないピークだが名前が何とも歴史がありそう・・・だなんて感傷に浸っている暇はない.此処から■の尾根を下って本沢林道に出る事も考えたが、道(踏み跡)もない初めて歩く樹林の中で暗くなってしまっては、何とも不安である.それなら、此処まで来る途中から余裕を持って下れば良いのにと思うのだが、いつも反省しているくせに「成り行き任せ」とか「行き当たりばったり」や「イケイケどんどん○イケヤ」などの言葉が性格の大半を占めている.丸山に着いた時「三ノ宿」まで行ってみっか、、なんていきなり決めるのは日常茶飯事(笑).という事で詳しい理由(ないない)は省いて、大木戸山を下り三ノ宿山の登りで後ろを振り返ると、太陽が禅頂行者道(夕日ー薬師の稜線)に沈む所だった.
 冬至は過ぎて幾分日が長くなっているとはいえ、陽が落ちると暗くなるのは早い.三ノ宿山から三ノ宿峠に下りるルートは(涸れ)頭に地図をたたき込んである.登りを終え平になった所を少し進むと山名板を固定したポールが立っていた.周囲はもう薄暗くなっている.矢印をイメージした様な小さな標識もあったが、文字がよく判らない.ゆっくりしている暇はないので判りやすい踏み跡をロクに考えもせずに向かってしまった(本日唯一の間違いはこの大間違い).周囲は暗くなってきているが足元はヘッデンなしでもまだ見える.急坂を下りると平な道になった.左に町の灯を見ながらグングン歩いて行く.しばらく歩いて、ん!左に町の灯? 三ノ宿峠に下りる尾根から見えるか? 間違えたなこれは?(←今頃気がつくアホ)戻るか、、と思ったがあの登り返しも辛い.ままよ、行ってしまおう・・・と、続けて歩き 1158mピークでは尾根が分かれている.これから北に下りていくと滝ヶ原峠だからここは少しでも戻らなければならない.ヘッデンを点し地図を何度も確認.北に続く踏み跡から別れ東に向かって下りていく.
■写真左
日光細尾町が見えた


■写真右
三の宿山登りの手前
■写真左
三ノ宿山 山頂
16:45
1188P(17:10) 1158P(17:30)
1050mコル(17:55) 林道(18:20)


■写真右
三ノ宿峠に設置されている案内板
19:25

駐車地帰着は20:50

 こちらにも踏み跡はあり、ヘッデンで足元は明るく不安はない.檜の樹林帯の中の急下降はゆっくり慎重に下りる.コルに着き最後の登りが待っていたが、登らずに回り込む様にして右の斜面を下りていく.樹林が切れ、真下にガードレールが白く光る.ふ〜〜やっと林道の上に出た.しかし足元は法面補強の吹付けコンクリート状になって、そのままでは下降出来ない.ザイルを出して懸垂下降し、舗装路面に立った時はホッとした.が、三ノ宿峠より日光寄りの910m付近.駐車地まではかなりある.良くこんな間違いが出来るもんだと自分を褒めて・・・もといあきれかえってしまう.
 林道に積雪はなく、月明かりで足元は結構明るい.このところ、ヘッデンの電池は替えていないから残量も僅かだと思う.予備はあるが、この程度の月明かりでは電池交換が限りなく大変だ.足元が(月明かりで)見える所はヘッデンなしで歩いた.三ノ宿峠に着き、デジカメで看板を撮った時、ひらめいた.デジカメのデスプレイって白い物にレンズを向けると結構明るい.この明かりなら、電池交換も充分出来る.それからは点けっぱなしで歩いた.ん、おい!白い看板なんてそうはないぞ・・・チチッ ガードレールがあるじゃないかッ


 予定時刻より大幅に遅れ、除夜の鐘が鳴る前に帰る事が出来たが、倅達にしこたま怒られてしまった.