◇山登り◇
那須町
三本槍岳、朝日岳、隠居倉

さんぼんやりだけ:1,916.9m
あさひだけ:1,896m
いんきょぐら:1,819m

                    



2010年8月29日 訪問

単独
(時間は参考にしない事)

                           
 今日の山行に滝見は伴わないから、純粋な山登り.栃木百名山(下野新聞社)を2座巡る事にする.行程はオーソドックスなルートの登山道歩きだ.


 林道大峠線(松川街道)駐車地→鏡が沼→三本槍岳→熊見曽根→朝日岳→熊見曽根→隠居倉→三斗小屋温泉→大峠→林道大峠線駐車地


 車で林道終点まで行けると思ったが、手前の駐車スペースがすでに満杯状態.爺の車一台駐められるのがやっと.(マイクロ)観光バスで繰り出してきている団体さんもいるようだ.結構人気があるもんだ.那須側からだともっと多くのハイカーやら観光客が来て、渋滞になっているに違いない・・・等と思いながら、やや遅い出発時刻の時計に目をやりながら支度を急ぐ.他の人達はもう殆ど出発しているらしく、駐車地にいるのは爺の他に一人だけだった.


 歩いて林道終点に着くと、あれ!2台程の空きスペースがあったではないか.しまったな〜と思ったが...ま、いいか、歩いても大した距離じゃないし.広い道を歩き間もなく鏡が沼分岐に着いて左に入って行くが、歩く人の数が桁違いなのかこちらの道は登山道並.
■写真左
駐車地
8:45


■写真右
白い標識「おセン宮」と読める..
■写真左
鏡が沼
9:40


■写真右
えぐれて急な道
 針葉樹林帯の中は薄暗く、途中、祠を左に見ながら一人歩く.微かにガスがかかっていて風もなく暑い.すぐに汗が出てきた.登山道脇には名前がよく判らない白っぽいキノコが沢山生えている.一応、デジカメに収めながらゆっくり歩くのは結構楽しく、疲れもそれ程感じない.ジメジメした涸沢の登りは岩が滑って注意が必要だ.樹林が切れ笹原の明るいなだらかな場所に出るが、上空はガスで真っ白だった.
 少し下りると大きなダケカンバ(?)が何本か目に付き、登山道の向こうに沼が見えてきた.風のないので静かな「鏡が沼」の湖面はその名の通り鏡の様に近くの景色を映している.岸の砂地には幾人かの登山者の足跡と、動物の足跡が付いていた.こういう所でゆっくり遊ぶのも楽しいものだが、今日は目的が違うので、散策は沼の歩ける岸辺程度にしておいた.

 再び樹林の中の登山道へ踏みいると、笹が覆い被さる堀割の道となり、次第に急になってくる.少し行きが上がり立ち止まって振り返ると、鏡が沼が光って見えた.固い泥土が滑って登りづらい.急傾斜の道は木の枝と根っこを手掛かり足掛かりに、よっこいしょと段差を乗り越え最後になる.開けた所で水を飲み休憩していると、やはり「よっこらしょ!」と掛け声が聞こえ、一人の中年ハイカーが登ってきた.二言三言会話を交わし「下りには使いたくないですね」「そうですね」と、相づちを打ち先に行ってもらったが、元気の良い人である.
 少しの登りで須立山との分岐に出たら、先程の人が休んでいた.「ガスで展望がないですね〜」と、再び二言三言交わし、先に出発する.道標に従い右に折れ、笹と灌木帯の中の道を登るって行くと、ガレ場になって御夫婦らしい二人の登山者に追いついた.ゆっくり登りたかったが、「お先にどうぞ」の声にダダッと勢いつけて登ってしまいちょっと疲れた(笑)
■写真左
須立山への稜線分岐
10:10


■写真右
大峠への分岐
10:30
 開けた笹尾根にハイマツが出てきて間もなく大峠との分岐に出る.結構新しそうな道標があり地図で確認するまでもなく判りやすい.ザックを下ろしゆっくり休んでいると、先程の単独男性が下から上がってきて休まずに三本槍方向に登っていった.御夫婦組はまだ見えない.休憩を終え、ハイマツ混じりの道は良く踏まれていて歩き易い.展望のない展望を楽しみながら(?)、ゆっくりと登って行く.
 ガスが少し晴れたのか、北側はまだモヤッとしているが、三角形の山がなだらかな尾根越しに見える.登山者の多くは、こういう開放感を求めて登ってくるんだろう等と思いながら、左右に首の向きを変えながら景色を楽しみつつ(三本槍岳の)頂上に着く.
■写真左
三本槍への登り途中から
大峠方向(だっけか?)



■写真右
三本槍岳山頂
10:45
 頂上には既に十数人のハイカーがいて、それぞれくつろいでいた.やはり、人気の山なのである.ザックを下ろし、デジカメで360度の撮影をしている間那須方面から幾組かの登山者が上がってきた.うーむ、これはすぐ一杯になってしまうなあ、、、と、水を飲みクッキーを頬ばっただけで出掛ける事にした.道標に従い、清水平方面へと下りていく.登山道は丸木で階段が造られ玉石が敷き詰められている.整備が行き届いている(過ぎているかもね).
 下りている途中も、間隔はあるがハイカーがどんどん登ってきて擦れちがう.”んっ”何となく見た事がある様な男性と目があった.向こうもそんな感じだったがその時は軽く会釈して通り過ぎた.その後、清水平の少し手前で二人の華やかな山スタイルの”びっじんさん”とバッタリ.おおッこれは今はやりの”山ガール”.此処で撮っておかないと、爺の行く山域では二度と会う事はないだろう.っつー訳で、運を天に任せ”撮らせて下さいなーー”とお願いしたら、にっこり笑いピースまでしてくれた.嬉しいねえ、こういう出合い.此処でも、二言三言で丁寧にお礼をいい”気をつけて楽しんでね〜”と、分かれた.
■写真左
整備された登山道
三本槍からの下り



■写真右
山ガールだぜぃ
11:10
■写真左
清水平
11:25



■写真右
朝日-隠居倉の分岐
12:00
 清水平に着くと、ベンチで男女(中年)二人組が休憩していた.爺はもう一つのベンチに座り冷たいゼリーを食べる.いつだったかオフで山滝仲間のabe様にゼリーを貰ってから、山中でゼリーを食べるのがクセになってしまった.とにかく夏の暑い時は元気が出るのだ.この季節清水平に多くの花は咲いてない様なのでハイカーはあまり立ち止まる事はなく通り過ぎてしまう.休憩を終え、ひと登りして1900mピークに着く.少し下って台形で頑丈な道標のある熊見曽根に着く.右に隠居倉への道を確認し、まずは朝日岳に向かう.
 右に朝日岳〜剣が峰の稜線が見え、多くのハイカーが歩いているのを確認できた.激しい崩壊斜面の奇異な光景は、これまでの緑豊かな福島側とは対照的で、活火山を宿す山域であることが良く判る.朝日岳の肩には多くの登山者で賑わっていた.まだまだ、茶臼側から登ってくる.休憩はとらずに朝日岳に登る事にした.
■写真左
朝日岳(鞍部から)


■写真右
朝日岳山頂
12:20

■写真左
熊見曽根(朝日-隠居倉分岐から隠居倉への下り道
13:00


■写真右
隠居倉山頂
13:15
 茶臼側から見る朝日岳は荒々しく、岩場で登るのが大変じゃないかなと思っていたが、登山道はロープもクサリも無く(無いと思ったが・・・)困難という程ではなかったが、殆どガレと岩場なので注意をしながら登らなければならない.山頂は360度の展望があり、先程まで雲に隠れていた茶臼の山頂が見えている.峰の茶屋から茶臼の山腹を巻く登山道がくっきりと横断している.風もなく、何となく落ち着けそうだが後からハイカー(の団体さん達)が登ってくるので、早々に引き上げる.
 分岐迄戻り、熊見曽根を隠居倉の方へ向かって下りて行く.こちらにハイカーはあまりいなくて、前方に3人が見えるだけ.花や景色を撮ったりしているらしく歩みは遅い.早く歩くのも目的の一つだが、ああやって山行を楽しみながら歩くのは爺も好みである.間もなく追いついたが、三人(男性一人、女性二人)の内男性が地面を指さし「エーデルワイス」の仲間が生えているよと言っていた.爺も、そこを覗かせてもらったが悲しいかなどれがその草花だか判らない.ササッとその付近をデジカメに収め、先に行かせてもらう事にした.あれ?どれだか聞けば良かったんじゃないの?
 隠居倉に着いてエネルギーを補給しながら休憩し、ゆっくりと周りの光景をデジカメに収めたりしていると、三人の男性ハイカーが到着し、「あれ!」と、お互いに声を掛け合った.何と赤薙山や奥社で話を交わした三人のハイカーであった.三本槍岳からの下りで擦れ違った人達で、リーダー(っぽい人)が、爺だと気が付いていたという.
■写真左
仲良し三人組


■写真右
源泉場
13:50

■写真左
温泉神社の小屋
14:00



■写真右
旅館の間を・・・
■写真左
赤岩沢手前の三斗小屋宿跡への分岐
0:00



■写真右
大峠
0:00

 三人は、この後三斗小屋温泉から「両問の滝」(=両部の滝、温泉滝など)を見て峰の茶屋に戻るという.うーーん、判りづらいあそこから笹藪を下りてアヤフヤな踏み後を行き帰りするのは時間的に大変だよと言うと、どうやら一人が2回程訪問しているらしい.中々、タフな人達だから、大丈夫だろうが無事行けたんだろうか?
 隠居倉から灌木帯の整備された登山道を下り、源泉に着く.湯気がモウモウと上がり温泉独特の匂いも強い.パイプがあるので、此処から三斗小屋温泉に湯を引いているのだろう.ゆっくり下ると真新しい小屋があった.「三斗小屋温泉神社」とある.そこから古い石段が下に続いているので、これは最近建て替えられたものか.石段を下りると、「煙草屋」と「大黒屋がありその間の狭い通路を通り抜けて行く.
 三斗小屋宿跡への道を分け大峠に向かう.道はぬかるんでいる所や木の根、岩などが出てくるが総じて歩き易い.展望もない樹林帯の中で風もなく暑いが、名前の判らないキノコなどを見ながら気分良く歩いていく.途中3−4人の熟年グループ2組と擦れ違ったが、みんな元気である.割と急な坂道を下降し、赤岩沢、中の沢を過ぎて峠沢に着き大峠の登りに備え休憩をとっていると、沢装備の若者二人が大峠方向から下りてきた.休憩らしいので”井戸沢の遡行かい”と聞いたらその様で、時間が遅いので峠沢は下降せず道を三斗小屋宿跡へ向かうという.お互いに気をつけて、と言い合い爺は大峠に向かった.
 フーフー言いながら登り着いた大峠は、半分ガスがかかっていた.花もこの時期ではもう少なくハクサンフウロの残り花程度.お地蔵さんが優しい顔を向けている.10円(百円はなかったので・・・)をお供え手を合わせて駐車地に向かい峠を下るが、歩きづらい泥道の辺りは少し広く刈り払われた別のルートになっていた.駐車地の帰着は丁度午後4:30分だった.