◇滝見と山登り◇
鹿沼市
イセツ沢から
夕日岳

ゆうひだけ:1,521m
                    



2009年1月3日 訪問

単独
(時間は参考にしない事)
                           
 2009年最初の滝巡りは、以前から気になっていた東大芦川上流(本沢の)支沢に決めていた.昨年(といっても先月だが・・)暮れに、蕗平沢を少し遡行した帰りに林道の状態を確認しておいた.ある程度荒れてはいたが、車で通れない程ではない.最も、乗用車などでは底をこすってしまうだろうが.又、ここんところの好天続きで積雪も多くはない.

 昨日の(親戚一同)新年会は夕方に退けたので、体調はまずまず.途中のしのさわ滝や、大滝などを見ながら本沢の林道をゆっくり行くと、天狗滝を過ぎた辺りのちょっとした広場に車が一台駐まっていてテントが一張りあった.此処でキャンプし行者道の山々(薬師、夕日、地蔵)でも巡るのだろうか? 等と思いながら、その先の林道が大きくカーブするところにある広いスペースに車を駐めた.

 この広場は周りを木々に囲まれているが、葉のない季節は樹間からやや見通しが利く.眼下に本沢があり正面からイセツ沢が流れ込んでいる.(地図に沢名の記載はないが、此処から見える堰堤に「イセツ沢」という銘板が貼り付けてあるので、それと判った)

 計画は沢を遡行し、水が無くなった辺りとかいい加減な所で尾根を回り込んで、本沢の源流近くにおりて下降し「ナル滝」、「棒滝」を見て完了! というもの.沢の水量はそれ程でもないが、地形図でみるとかなり等高線がかなり密である.渓が狭い事も伺える.果たして、非力な爺にどこまで遡行出来るか・・・ま、やってみなきゃ判らないのだ.(あちゃーー、ロープを忘れてきたあ(~_~; )

■写真左
出合い近くの堰堤と二段滑滝
8:00

■写真右
CS滝とその上流(判りづらい)
■写真左
4m滝
8:55

■写真右
大きな滝壺を持つ4m滝
■写真左
連瀑群の上は平凡な流れ
9:35

■写真右
最後の堰堤から見た上の様子
  本沢を徒渉すると、2段4m位の小さな滑滝がり、その上に堰堤が控えている.左から回り込んで堰堤を越えるとCSを抱えた4m滝がある.その上にも大きくないが滝が2つ見える.連瀑になっている様だ.直登は出来ないが右、左のどちらでも巻けそうだ.此処は右を巻いたがCS滝のすぐ上には下りられず、下からは見えなかった小滝2つの上に何とか下りた.正面4m位の滝は左を越える事が出来たが、その上にある4m位は大きな滝壺を持っていた.左右崖なので、少し戻り右のバンドから急斜面をよじ登って高巻いたが、結局尾根まで登って傾斜が緩んだ所でトラバースしていった.
 適当な所で沢に下りようと思ったが、上から覗くと沢に滝はなさそうだし、木々の間に堰堤が見えたのでそのままトラバースを続け、堰堤の上に下りた.堰堤はその上にもあり、最後の堰堤は石積みで水は殆ど流れていなかった.この短い間に堰堤は全部で6ヶ所あり、途中に一つと最後の堰堤はコンクリート造りではなく、石垣を積み上げたものだった.
 最後の堰堤を越えると、水はなく広い涸れ沢に雪が積もっているという感じだ.振り返ると「三の宿山」に連なる稜線が輪郭をくっきりと見せている.水が無いのを残念に思いながら少し上流へ歩いて行くと、雪の下から水の流れる音が聞こえた.右の沢へ入って行くと、僅かながら水の流れているのが見える.

■写真左
最後の堰堤から下流方向を遠望


■写真右
2段6m位
■写真左
2段6m(上部滑)
10:40


■写真右
ゴルジュ内2段12m
11:10
 右の沢に入って行くと、水の流れは多くなってきた.積雪も少しづつだが多くなってきている様で沢の中では踏み抜きを注意しなければならない.一直線につけられている獣の足跡があり、それを案内に辿って歩いていくと上手い具合に遡行が捗った.
 およそ150m程上流に、氷と雪でザラザラした感じに見える4m程の滝があった.こういう場合の水流の撮影は表現が難しい.適当に撮って滝の上に登って行った.その上にも3−4m程の滝が幾つか連続していた.この渓に風は殆ど吹いていないが、ピーンと張り詰めた様な冷気が厳しい.
 
2段6m(上部滑)は左を小さく巻く.すると50mもお行かずに、小ゴルジュとなった.手前の空が広く見える所で、GPSをつけてみたら標高1030m付近であった.このゴルジュを越えると上に二俣があるのだが・・・.
 近づいてみると下が4m、上が8m位のなかなか形が良い2段の滝を形成していた.右を見ても、左を見ても岩が屹立していて小さく巻けそうにない.下段、左に登れそうなバンドがあるが、雪と氷に覆われていて通過困難だ.第一、そこをクリアしても上の滝は(爺では)まるで手がつけられない.かなり、級だが右の斜面には適当に雑木が生えている.ここは巻いて、滝上に下りよう.・・・と、登ったはいいが、、、
■写真左
少し傾斜が緩み、上に尾根が見えてきた


■写真右
尾根に到着、新しげな足跡が付いていた
11:55
 滝の上の左岸は(上から見ると)斜面の途中から沢まで樹木がない.つまり、崖のようなもの.簡単に下りられない.雪に滑りながらトラバースしてみたが、崩れている斜面に突き当たり又々上に追い上げられる.途中から沢に下りるのを諦め、斜面を直登し尾根に出る事にした.地図を見ると、尾根までおよそ7−80mの標高差.半分程登ると、心なしか勾配が緩んだ様にみえる.桧(だったかな?)の造林地に入ると、間もなく尾根に出た.
 尾根に雪はそれほどでもなく、足跡が上から下に向かってついていた.良く見ると、下った足跡の下に登った足跡もあるので、一人の人間が(最近)この尾根を登って又下りたらしい.地図をみると、この尾根はまっすぐ夕日岳に登っている.この人は夕日岳に登ってきたんだろうか? それとも猟師だろうか?
(後で判ったが「70歳の山キチ」さんらしい)
 尾根の反対側(本沢側)の斜面を見ると、樹林帯ではあるがやはり急傾斜だ.此処から沢音は聞こえない.本沢(ナル滝のある沢)の本流は多分見える尾根のもう一つ向こうだろう.一旦下降してあの尾根を登り返すのも辛いなあ・・・などと、クッキーをかじり水を飲みながら考えてみた.
■写真左
尾根を登る途中に見えた日光連山
12:45

■写真右
頂上手前.足跡は3−4日前のものと思われる
■写真左
夕日岳頂上
13:15


■写真右
下った尾根上の道


因みに・・・
下山開始 14:15
駐車地到着  15:25
帰りに撮った鹿沼大滝  結局、違う沢に下りるのは止めて山の初登りもオツなもんだ・・と、結論.尾根ずーーっと登っている(雪の中の)足跡を追った.雪がやや深くなったり、きつい登りが続いたりしたが大きな問題もなく夕日岳の頂上に着いたのは約1時間半位過ぎていた.
 頂上は北西面が切り開かれていて、男体山、大真名子山、小真名子山がクッキリと見えた.女峰山、白根山は上の方が雲に隠れていたが、なかなか良い眺めであった.(フイルムの)写真を何枚か撮って、やや遅い昼食を摂り下山する事にした.
 帰路は登ってきた尾根を忠実に下るだけなのでとても楽だった.雪が消えた辺りからは踏み後がはっきりしてまあまあ歩き易く、杉の造林地を抜けると朝渡った本沢のすぐ上流に出た.車で帰る途中、朝見たテントの持ち主らしい(中年の)男女が林道を散策していた.この時間(4時頃)まだ此処にいるところをみると、もう一泊していくのだろうか.


 三脚を据えて山の風景を撮るのは久々だ.
近くの滝ばかり撮っているから、どこか勝手が違う.
女峰山が頭を隠しているのは残念だが、大真名子山がくっきりと浮かび、昨年きつい急坂の連続を2時間程登って頂上に着いた時の安堵感が思い出されて懐かしい.
(2011/11/14_再編集)

----*--------------------------------
Nikon F3 28-200mm PL RVP100