◇山登り◇
日光市(足尾)庚申山
こうしんさん 1,892m
                    



2008年7月12日 訪問

爺とnob
(リハビリ登山)
                           
 先日歩いた禅頂行者道(僅か一部)の核心部=爺が勝手に決めた「薬師岳」「夕日岳」「地蔵岳」を巡ってみようと計画を立てた.長男のnobに”どうだ、最近太り気味だからダイエットに一緒するか?”と訪ねたら(珍しく)行くという.リハビリ登山では殆ど単独だったが、昨年のコザ池沢遡行以来の二人連れだ.
 計画はこうだ.禅頂行者道は日光の中禅寺湖から足尾の細尾峠を横断して、前述の三山に続いている.中善寺湖から上がってきたんでは果たして体力が続くかどうか(笑). 又、先日歩いた古峯神社側から登るのも、何だかな〜.そこで、横断点の細尾峠迄車でいっきに行きそこからのピストンなら楽だろう.何せ、峠は標高1,200m近くあるから一番高い夕日岳との標高差は僅か300mちょっとしかないのだ(ルンルン).

 土曜日ではあるが花のシーズンも過ぎてるし、それ程人気があるとは思えないから焦ることもない.ゆっくり家を出ても大丈夫.お天気も普段の爺の行いが災い・・・いや、幸いして晴れである.途中、コンビニで昼食と飲料を買い求め日光自動車道を疾駆する.日光側から旧道は通行止めのゲートがあるから.
日足トンネルを通り、足尾側の旧道へ左折した.分岐には細尾峠まで12kmと標識がある.ま、車だからヒューンよッ.・・・・・・あんれ?、100mも行かないうちにやたら頑丈なゲートが「落石の為通行禁止」、、、参ったぜ!
 地図(地形図)はいろいろ車の中にあったので、何の脈路もないが「庚申山」へ行く事にした.時間はもう10時前なので、行ける所まで行ってみようということで決まり.あーーあ

■写真左
ゲートを通り振り返ってパチリ


■写真右
丸石沢左俣の滝
 庚申山へ至る地形図は、実は3枚いる.「足尾、皇海山、袈裟丸山」で、載ってる場所は端っこ.ま、この山マイナーとは言えないから道も標識もしっかりしているだろう.今日は土曜日だから人だって多く入っているに違いない.庚申七滝迄は何度か行ってるし.
 車を駐車場(ゲート前は一杯だったが、駐車場には3台)に駐め、簡単に支度をして歩き出した.
ゲートを通り少し歩いた所で、3人の老(一人女性)ハイカーに声をかけられた.「庚申山へはどれ位かかるのかね? 七滝まで3.5km、そこからも同じ位とあるけど」 げっ、この人達も今から行くのか?「七滝まではこの広い林道を一時間位.そこから先は、我々も初めてです」と、答えた.それから、二言三言話をし先へ急いだが気になって後ろの様子を見てみると、花をみてはワイワイ、水に触ってはガヤガヤ.まるで遅い.本当に行くのか? と、疑った.
 日差しが強く風もないから熱い.笹見木橋を渡り「天狗の投げ石」を右に通り過ぎ、ほどなく懐かしい真っ赤な「一の鳥居」に着いた.

■写真左
天狗の投げ石


■写真右
一の鳥居、登山道入り口
■写真左
庚申七滝(上の方)


■写真右
鏡岩(孝子別れの場所)
 林道から登山道に入り、緩く登って行く.道は概ね沢沿いにつけられているから結構涼しい.「しばらく行くと「百丁目」という標識があった.良く読んでみると”磐裂神社から庚申山まで114丁(旧道)”とある.因みに丁とは60間(1間は1.8m)=108m.すると庚申山までは60×14×1.8m=1,512mと言う事になる.ふむ、まだ結構あるなあ.あ!そう言えば文字が彫られた石柱が所々にあったのを思い出した.
          
※磐裂(イワサク)神社は足尾街内にあるそうです.
 間もなく、「鏡岩」に着いた.親孝行な末娘と父親が別れた場所だという.詳しい事は現地で案内板を読んでもらう事として、子供が多かった昔は育てるのに大変で末っ子はほっとかれがちだが、親孝行に育つという(今、そう思った(^_^; ) 因みに爺は末っ子(それがどーしたっ)

■写真左
青銅の剣


■写真右
猿田彦神社跡入り口

 道中退屈させない為か、目印の為か道折々に名前の着いた岩などが多い.「夫婦蛙岩」に着いた時、どこがそれを形容しているのか判らなかったが、通り過ぎて見てなるほど・・だった.二枚の斜めになった岩が重なっている.蛙だあ、と言われれば、そうかい・・・だよねえ.続いて「仁王門」.大きな岩の間を通過していく.その門から歩いて10分程、笹の中の緩い登りになった.上から親子らしき二人組が下りてきた.庚申山を目指したが滝のある場所で鹿道に引き込まれてしまい、上に行くのは断念して帰ってきた、との事.むむっ、難しい場所があるのか.こちら、地形図しか持ってないからなあ、、、.すぐ、後に又二人組の若い男女.Tシャツの若者は何も持っていない空身.後ろから来る女性(やや年上かな)は、小さいザックを背負っている.いろんな人達がいるものだ、、、と思いながら歩いて行く.石の階段を登り標柱を過ぎて道の右手に大きな青銅の剣が屹立していた.
■写真左
庚申山荘


■写真右
「白糸滝」と名前が付いてるが、、
 「猿田彦神社」に着いたのだ.石垣や数々の石碑、案内板などがある平らな広い場所だ.昔だって荷馬車も通れない様なこんな所に良く造ったもんだ(昔は荷馬車通れる程の道だったのか?) 感心しながら、案内板を見ると此処からお山巡りの道を分けるという.当然だが爺達は楽な方を行く.樹林内を10分程緩く登っていくと切り開かれた中に立派な庚申山荘に着いた.時計を見たらすでに午後1時ちょっと前.歩き慣れてないnobがバテ気味なので、取り敢えず昼食と大休憩をする事にした.
 20分程休み、少し戻って庚申山頂上を目指した.造られたばかりの様な雨量観測施設の脇を通り、鳥居をくぐって道はやや急になってくる.
 冷たい水が流れる沢を横断し、山腹をトラバース気味に登って行くと滝(って滴だよオイ)があり、成る程踏み後がまっすぐ続いている.が、良く観察すると顕著な踏み後は滝の後ろを回り込み対岸の斜面を登っているのが判る.とはいえ、疲れていたりすると此処は間違えやすい場所である.「そこは判りにくいんだよね」と上から声が聞こえた.見上げると、ご夫婦らしい二人連れが笑ってこちらを見ていた.少し話しをし挨拶をして別れた.道は更に急になり梯子とクサリがある「初の門」に着いた.

 注意深く登って、眺めの良い「天狗の腰かけ岩」で休憩をとった.先程から足が攣りそうだと言っていたnobに、此処で待ってるか?と聞くと待っているというので、山の中で待つ心掛けを吹き込み(って何をだッ)一人出掛けた.

■写真左
天狗の腰掛け岩


■写真右
倒木で足場を造っているが、、
■写真左
狭いトラバース道と梯子
落ちたら千尋の底(^_^;


■写真右
急登の途中振り返って
■写真左
岩場から南方面(多分)


■写真右
展望台から望む皇海山
 梯子や足場の細いトラバース道などを通り、上へと登って行く.更に、汗をかきかき急登に喘ぎほふく前進を敢行していると上から話し声が聞こえたので、シャキッとしパパッと登って行った.挨拶を交わし、きついね〜、、と言ったら「頂上はもう少しですよ、頑張って!」と、うら若い男女の二人連れ.若いって良いなあ.
 
急登が終わり少し傾斜が緩やかになってコメツガが多い樹林帯になる.さらに行くとほぼ平坦になって一投足で庚申山頂上に着いた.山荘からほぼ1時間経過していた.頂上は樹林に囲まれ展望はない.此処で、
何かの本に載っていた庚申山から見た皇海山の写真を思い出した.あれは何処から見たんだろう.地形図を見ると鋸山への道がほぼ西へと表記があり、確かに樹林の中にそれとおぼしき踏み後が西に延びている.辿って行くと、2−3分で前方が開けている場所に出た.正に此処は皇海山の展望台だ.目の前に特徴あるどっしりとした皇海山が聳えている.
 さらに、それに続く鋸山の峰々も・・・涼しい風が汗を乾かしていく.素晴らしい光景だ.一昨年歩いたニゴリ沢はどの辺だろうかとさがしてみたが良く判らなかった.
 帰路、頑張って「一の門」辺りまで登って爺を待っていたnobを拾って下山を開始した.駐車場に着いたのは18:00少し過ぎていた.丁度8時間程の山歩きだったが、結構疲れてしまった.
(2011/10/2再編集)
■写真左
鋸山と稜線


■写真右
松木方面