◇滝見といえるかどうか

日光市
細薙滝


                  


2013年 6月 28日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
 今回も涸滝巡り.別に行く所が無い訳ではないが、いずれは訪問しなければならない滝だし、季節はまあ、いつでも良いと思ってるから気は楽だ.とか何とか、訳の判らない理由は置いといて・・・ 雪解けの霧降高原道路を車で走っている時、道路から見える少し大きな滝があるが、それと検討付けて見ないと判らないかも知れない.本当はそういう雪解け時に行けば良いのだろうが、この滝の本来の姿は水のない涸れ滝なのだ.雪解けや大雨の翌日等は幻の滝.それはそれで趣があっていいのだろうけど.いずれ機会があったらその季節(雨後等)に出掛けてみよう.

 霧降道路は濃いガスが出ていて走るのに一苦労.細薙滝は中ノ沢の上流にあり、登山道が横断する辺りから入渓すれば楽なのだが、時間がかかるのと駐車地がうまく見つかるかどうか判らないので、(古い)第2駐車場を利用する.ガスが晴れてくれれば良いのだがと念じつつ出発.駐車場から少し下った辺りから適当に取り付き1234m標高点北の鞍部に向かってほぼ直線的に沢、沢形、小尾根を幾つか越えていく.林床は腰高の笹藪だが密ではなく歩くのには支障がなかった.鞍部には仕事道と思われる道形が残り、鞍部を斜めに越え中ノ沢と平行に付けられていた.


取り付き


鞍部到着 10;35


仕事道? 跡


広い笹原


中ノ沢


二俣 11:15 
 膝下のまばらな笹斜面を下りていくと沢に水が流れている.中ノ沢と思い、50m程遡行すると左の斜面から大量の湧き水であっという間に沢が消えてしまった.斜面を僅かに上ると大きな沢音がして、かなり水量の多い沢が樹幹越しに見えた.あ、こちらが中ノ沢本流だな、、、と苦笑.同時に、これから行く細薙滝は普段涸れ滝らしいがここんとこの雨で水が落ちてるかも知れないという淡い期待が浮かんでくる.

 沢は平坦で何もない.左岸尾根も傾斜はあまりなく笹藪も膝程度.左にのんびりと渓谷散歩の気分.鹿が2頭割と近い位置でこちらを見ていたので撮ろうとカメラを向けたら逃げてしまった.カメラの電源を入れる時に音が出る様にしているが、それがまずかったか.1270m付近で沢に下り間もなく二俣に出た.左が本流で、右は僅かに水が流れている涸れ沢だ.

 沢の中には結構ゴミが見受けられた.概ね古い物で錆びたジュースの缶、破れたスーパーの袋、ブルーシートの切れ端等々.登山道や遊歩道などはないから山菜採りとか釣り屋さんか.この沢にあまり大きな澱みはないので魚がいるとは思えないが、それらしい所をじっと見据えてみたが、やっぱりいなかった(笑)


水が涸れた沢の様子


沢の様子 1400m付近 


壁(滝)が微かに 11:45


細薙滝(2段だが上は見えない) と、思う


右岸テラスから 白い模様は何?
 特に困難な場所もなく上流に向い遡行していくがガスは収まらない.基本、沢を登って行けば良いので迷うという事はないのだが、見通しがないのはやはり何だかな〜である.それまでなだらかだった沢が、徐々に高度を上げて1235m付近で、右岸から大量の水を落とし本流は涸れてしまった.その後僅かだが流れも復帰するがそれもやがてなくなる.天候は回復する様子もなくガスは余計に濃くなってきた様な気がしてきた.風も無く蒸し暑くはないのだが、傾斜を増す沢では汗が滲み出てくる.

 霧(ここではガスではなく霧と呼ぼう(笑)) の中にフワッと壁が浮かんできた.全容は判らない.近づくと上の方はガス・・・でなく、霧に霞んで滝の落ち口が見えた.これが「細薙滝」だろうか.資料では2段40m程とあるが、見たところ25mかもうちょっと位.滝下は大量の岩やガレが堆積している.埋もれてしまったのだろうか.しかし見た感じは直瀑に近い.いろいろ考えながら広い滝下を散策したり、エネルギーを補給したりしながら霧が晴れるかも知れない、、、のを待った.崖、、もとい、滝は水を全く落としていない.崖、、、もとい、滝下から僅かに浸みだしているだけだ.

 少し長い時間経過したが、ガス、、、もとい霧が晴れる様子はない.仕方がないので(フイルム)数枚撮り、この後どうしようか地図を見ながら考えた.滝上はなだらかな様なので、上に行けるかどうか様子をみてみよう.周りは直立した見事な壁.少し戻って右岸の急なガレルンゼを登ってみた.ガス(めんど臭いからやはりガス)で良く判らないが上部にCSがある様だ.右の枝尾根にテラスがあり前方に細薙滝の上部が見えた.10−15m程の涸れ滝が見える.成る程、2段の40m近い滝であった.何となくホッとして、ルンゼに戻り少し登って見上げるとCS大岩が3個しっかり挟まっているのが見えた.


ガスで見辛いが上段部分


ガレルンゼ 上部CS


ルンゼCSの上 これは崖です 12:50


上段滝下から延びるルンゼのハング涸れ滝


ツワブキかな? 高巻きの途中で見かけた
 (登って)近づいて行くとこのCSはどこからも登れない.左はハングしていて駄目.右の泥付き壁には木の根が這っているので、何とか登る事が出来た.CSの上は結構広くなり、前方には又も高い壁.こちらは滝を形成してない(落ち口とか流れの後とか)からただの崖.ここには鹿道があり追って右の小尾根を回り込むと、細薙滝の上部滝下に落ち込むルンゼがあった.そのルンゼの下の様子は判らない.横断中転んでハイ、ソレマデヨでは笑い話にもならない.小尾根を壁近くまで登って横断をするが、この上は10m程のハング涸れ滝があった.

 ルンゼを横断すると開けた沢になり難なく沢床に下りる事が出来た.上段の滝落ち口はすぐだったが、掴まるものがないので落ち口直近まで怖くて近寄れない.しゃがんで岩に掴まりながら、手を伸ばしてコンデジをカシャッ.何枚か撮って早々に後ずさり.ガスがやや薄くなったのか沢は少し明るい.昼飯にと持ってきたサンドイッチを頬ばり缶コーヒーを飲む.晴れていれば気持ちの良い場所だろうに・・・と、思いながら地図を見る.情報によればこの上にも30m程の滝(勿論涸れ)があるという.その場所は定かではないが、取り敢えず遡行を続け様子を見る.


上段滝下に落ちるルンゼ左の小尾根を回り込み


細薙滝上流に下りた 13:00


細薙滝 落ち口


滝上から俯瞰


枝沢を尾根に向かって登る
 ゴーロの涸れ沢を遡行していくが小滝らしい形は出てくるが、大きな滝はない.沢には古いペットボトルやシュリンゲの切れ端、銀マットなどが落ちていた.赤薙山とか上の方から雨で流されてきた物だろうか.何よりガスで遠望が効かないから何とも面白くない.右に小さい沢形を見送り、少し登った所で(このまま遡ったところでガスの中ではと思うと)嫌気が差しこの辺りで遡行を止めようと思った.これあ、30m滝はもっと上の方の等高線が密な場所である所だろう.ガスもさっぱり晴れないし・・・

 そうか、今はニッコウキスゲが咲いている時期だ.新設された階段を歩くのも又格別.ただ、スキー場跡に出てしまってはその辺り進入禁止になっているだろうから、観光客には不審に思われ管理人(が、いるかどうか判らないが・・)さんには咎められるだろう.本流を詰めて赤薙山近くへ登るのは大変だが、先程の右沢形を登っていけば出る所はキスゲ平の上.観光客はまずいないだろう.


ダケカンバの尾根(ちょっと急)


開けた笹斜面はガスで遠望が効かず


飛び出した登山道 14:15


回転ドア


階段
 沢形には苔の生えた岩があり歩きにくいので、左岸をトラバースする様に登って行く.足元は柔らかな低い草付きガレで、浮き石が多く気を抜くとガラッとくる.急ぐ必要もないから注意しつつ上に行くと壁に出た.壁際を辿って行き、壁が切れた急な斜面をひと登りすると広い尾根(1650m辺り)に出た.急な笹斜面だが丈は低く藪という感じではない.ガスは相変わらずで、時折下から吹き付けてくる風が気持ちがいい.直径10cmかその程度のダケカンバの木がややまばらに生えていて、(尾根上に向かって)東の斜面は開けていた.ガスがなければ絶景を見られたに違いない.北東気味に向かって更に登っていくと、傾斜は増し低木のツツジ藪漕ぎになり苦しい.しかし、それも僅かで(いきなり)登山道に飛び出した.1720m付近だった.

 キスゲ平には回転式の鹿柵ドア(って呼び方でいいのかな?)があって、整備された遊歩道を下って行く.その内階段になり、ガスがあるので下の方まで見えないが1445段は長いだろう.キスゲは上の方はあまり咲いていなかった.こんな時間、こんな天気に観光客は多くないと思ったが結構いるもので、枝分かれする様に造られている遊歩道の奥から話し声が聞こえた.階段を下りて標高が低くなるに従い、キスゲの数も多くなるが以前の状態にまで復活するのはまだ先の事だろうか.階段は蹴上が低くく造られてる様で足に負担がそれ程かからず疲れは少ない.何人か登って来る人とすれ違い、レストハウスの前の自販機で缶コーヒーを買い、飲みながら駐車地までゆっくりの車道歩き. (キスゲ平14:30  レストハウス15:15  駐車地(旧第2駐車場)15:45)
 




当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.