◇滝見◇ 日光市野門 野門沢の支沢へ 2011年9月18日 訪問 単独 (時間は参考にしない事) |
初めて布引滝を訪れた時、林道が大きくカーブする所に”広場”があり、渓側に生えている木(ダケカンバ)もそれ程大きくなかった.その間から見える遠い対岸の支沢に一筋の白線が見えていた.その時、あれも滝だと確信していたが布引滝の大きさに圧倒されてしばらくの間記憶の隅から消えていた.一昨年7月、野門沢の中流部を遡行した時広場の樹林帯の葉の間から、位置は先述の滝に比べかなり下だったが、やはり滝が見えた.地図で見ても等高線は狭くかなり険しそうで、爺では苦戦を強いられそうだがいずれ行ってみたいと思っていた. 先週、堰堤越えでいきなり敗退してしまったが、今回はこの堰堤の上にあるやはり大きい2段堰堤の下に直接下りて本流を下降し支沢に向かおうと計画.ただ、3段堰堤とその上の2段堰堤の間には越える(下りる)事が大変な15m程の滝があるらしい.その位置がよく判らず、出来れば遡行目的の支沢の下流にあってほしいものだと願いつつ「野門の支沢」にリベンジする事にした.15m滝もついでにきっちり見てこよう(^_^) 林道の”広場”を過ぎ円を描く様に左に小さくカーブする地点から1350m付近の鞍部に登ろうと支度をしていると上の方からキノコ採りらしい人が下りてきた.手に(天然)シイタケが生えている枯れ枝をぶら下げている.少し話をして、斜面に取り付き少し登ってピークに着いた.薄い踏み跡があり西南に延びていた.踏み跡を少し辿り、途中から南東の尾根に入って下降していく.尾根は膝上の笹藪だが歩きにくいと言う事はない. |
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■写真左 1350m付近 8:55 ■写真右 細尾根 |
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■写真左 壁際を通過 9:30 ■写真右 はじめに下りようとした尾根はこんな崖だった.無理して下りなくて良かったと冷や汗 |
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この尾根を下っていけば、一昨年歩いた場所に着く筈である.尾根の左側に大きなガレ(ナギ)があるが下りられそうな等高線の緩い場所もある.そう信じて下降していくが、岩混じりの痩せ尾根が出てきてちょっと苦労する.何とか通過したと思ったら、前方がほぼ垂直な崖の様だ.支点になりそうな木が所々に生えているので、ザイルを使い下降も可能そうにみえた.だが、ガスが少し出ているので下が良く見えない.又、そういう技術もあまり持ち合わせていない爺には困難だ. 一旦戻って沢形の方を下りてみたが、20m位下りたところでハングしている涸れ棚に出て、再び戻り、壁際に鹿道を拾って西側の尾根に出た.こちらも急斜面ではあるが、鹿道か釣り屋さんの踏み跡かがあって問題なく下降出来た.途中(涸れ棚の下)からガレ場を横断し西側の尾根に回り込むと、そこは緩やかな笹斜面で一昨年下降していった所だった.今回は2段堰堤の上には出ないので、尾根をやや左寄りに下降していくと堰堤の下段に出た.下段の下流には深い釜を持つ小滝があり、同時に巻いて沢に下りた. |
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■写真左 2段堰堤に到着 10:20 ■写真右 小滝 |
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■写真左 6m滝 11:00 ■写真右 15m滝上から下流を見る |
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沢を下降していくと6−7m程の滝があり右から巻くが、設置されているのは不安定なロープなので使わずに下りた.この滝を撮影して、2−30m下降していくと向こうがガクンと落ちている.15m滝は此処にあった.この滝を下りるか巻かないと目的の支沢に行けない.滝頭から見えないが左岸にはアルミ梯子が架かっている筈である.その証拠に滝頭の木々から数本のザイルが下に向かって張られている.梯子は見えないし、ザイルに掴まろうとすると滝頭を横断せねばならない.水量は多いし・・・.どうしようかと思案しつつ、岩に腰掛けエネルギー源のおにぎり(自分で握った)を食べていると、滝下に人が集まってきた.全員ヘルメットを被っていて沢装備の様.沢登りのパーティらしい. 女性もいる様だ.滝を見上げてやはり思案している様子だった.梯子を登ってくるのかと思い待ってみたが中々来ない.その内一人の男性が左岸ガレ場を途中まで登り、探っている.これは高巻くのかなと思い、爺も左岸を巻く事にして左岸の小尾根に取り付いた.下のパーティが高巻いてきたらこのどこかで会うだろうと思いながら尾根をいい加減登り、トラバースして今度は沢へと急斜面を下降するが、パーティは来ない.途中、15m滝が見えるが、何本かのザイルで梯子がぶら下がっている.頭から6−7m程.ザイルはそこからさらに3m程下まで垂れ下がっているが、そこから5−6m程は何もない.つまり、下から登ってくる場合岩登りの技術が必要だ.これあ〜爺には無理だわ.等といろいろ考えながら沢に下りるとパーティはいなかった.戻った様である. それにしてもこの滝、以前は8m位だったというが低く見積もっても15mは下らない.水量の多い本流の水をいっきに落とし見応え充分だ.梯子が微妙なアクセントだが・・・ |
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■写真左 15m滝頭と梯子 12:05 ■写真右 15m滝全景(帰路に写す) |
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■写真左 支沢出合い(中央小滝) ■写真右 F1 20−25m位の滝 12:20 |
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「まずは一安堵」:ところががどっこい! 知らないと言う事は恐ろしいもので、この場所のもっと右寄りに登ると尾根には踏み跡とロープがあったのである.ルンゼに下降する所(ルンゼから尾根に上がる所)にも同じ様な踏み跡とロープが. これは、察するに堰堤などを造る前の測量する為に測量士さん達が歩いた跡と思われる.帰路にみつけたが、知っていれば楽に登れたと思うとちょっと悔しい(笑). |
尾根下降、高巻きと結構時間を喰ってしまった.15m滝は帰りに撮ることにし、下流に移動すると目的の支沢が小滝を懸けて本流に注ぎ込んでいる.対岸から遠望した滝(の様なもの)がこんな小さな沢に果たしてあるのか不安を帯ながら、次の小滝を越えて上流を見上げると結構高い落差の滝が見えた.「ギョッ」として近づくと、概ね4段で2段目は跳ねている.水量も多いので迫力もある中々見応えのある滝が、いきなり出てきたのには驚いた.少し時間をかけて撮影を楽しんだ.時刻は12時40分.上を見るかどうしようか迷ったが、偵察もどきで登って見る事にした. 手前のガレルンゼは座礫が堆積していて、足を置くとザラザラと崩れ登りにくい.草が多い左寄りに登っていくとハングしている場所があり通過出来るかどうか心配したが、岩の切れている所があり、「まずは一安堵」. 尾根に上がると踏み跡があり多少細いが注意して通ると問題はない.右下には本流が見え水音が大きい. |
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■写真左 通過出来た切れ目 ■写真右 スズタケ藪の尾根 13:00 |
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■写真左 F1上の様子 ■写真右 F2 斜瀑 |
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膝上程度の笹藪を掻き分けながら斜面を下りると25m滝の頭に下りる事が出来た.こういう場所の滝の常であるが、滝頭には下からは見えない4−5m程の滝が続いていた.更に連続して6m程の斜瀑(ネジレ滝?)があり驚かされる.険しいが、撮影足場が豊富で水流景色撮影好きにはたまらないだろう.水は綺麗だしゴミ一つ落ちていないのだ.測量の為と思われる踏み跡も尾根から此処に下りていて、右岸急斜面には長い虎ロープが上から下がっていた. 斜瀑を越えるとすぐに4m程の滝がある.右左共巻けず、水流の中に手&足掛かりを求め濡れながら越えたが、暑かったので気持ちが良かった.越えると滑の向こうに又滝が見える.これは左から越えていった.この滝の上は穏やかになり流木が散乱している.沢はこれで終わりかな?と思ったり時間も気になったりしたが、少し遡行を続けると流木が被さっている3m程の滝があった.流木の間を擦り抜ける様に滝の真ん中を登って行く.すると、上流に8−10m程の簾滝が見え、沢は終わる気配がない. |
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■写真左 F3 4m 13:25 ■写真右 F4 3m(奥)と滑 |
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■写真左 流木が覆い被さっているF5 3m ■写真右 F6 8m簾滝 13:50 |
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8−10m滝は左に大きな流木を抱え、どっしりとした感じの滝だ.じっくり撮影しようと右へ行ったり、左へ寄ったり.少し高い所からと後ろへ引き、左の斜面に登ったら何と!この滝の上の向こうに滝らしい頭が(ここにもあるぞと言わんばかりに)見えるではないか.参ったな〜此処で引き返す予定だったのにィ. さあ、この滝をどうやって巻くか? 右岸斜面がトラバース出来そうだが草付きで掴まる木も乏しい.右のガレルンゼは途中でハングしていてダメ.少し下流の左岸を探ってみるがやはり難しい.此処は右岸しかないか・・・とばかりに手前斜面から鹿道っぽい細い踏み跡をみつけトラバースを敢行したが抜けそうな細い木が多く、かなり緊張した.恐る恐るのトラバースが終わり沢には簡単に下りる事が出来、ほっとして上流を見ると、結構高さのある滝がドンッと構えていた.時間が気になるが、誘惑には勝てず滝に近づいていく. |
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■写真左 緊張したトラバース道 ■写真右 F7 結構高さのある滝 14:05 |