◇滝見と山登り◇ 日光市(湯西川)馬坂沢支流 サル沢〜田代山、帝釈山へ たしろさん:1920m たいしゃくさん:2060m 2011年 6月 4日 訪問 爺 (時間やルートは参考にしない事) |
馬坂沢は帝釈山を源流とし川俣ダムに流れ込むまでの間、多くの支沢を分けている.初めて馬坂沢に入ったのは下流から近い左岸の「フキジ沢」、次が右岸の「ニデン沢」だった.どちらも大きな沢ではないが、そこそこ滝撮影を楽しむ事が出来たので良かったのだが、フキジ沢では帰路にクロスズメバチに刺され、とても痛い思いをした(レポはいずれUPします) そんな思い出が涸れ頭の片隅に残りながらの今回の選定場所は、「スリ沢」・・・の筈だった.ところが、林道を車で走って行くうちに通り過ぎてしまい、気が付くとサル沢橋に.戻ろうか、どうしようか考えた挙げ句、面倒くさい此処(サル沢)を見てみよう.どうせ後には来なきゃならないんだし、、、つー訳で手前の広場に駐車し朝食のカップうどんにお湯を注ぎ込む.柔らかくなるのを待ってる間にザックに詰め物をして撮影遡行の用意をテキパキと.うーむ、実に無駄がない(爆) とっ思いきや、何と昨日買っておいた食料のパン、サンドイッチがない.うう、忘れた、、、とすると今朝コンビニで仕入れた(予備用の)おにぎり1個とクッキー、飴、チョコレートだけか.いくら少食の爺でもこんな量で間に合うのか?と自戒. ・・・が、食料に不安を抱えながら、沢に下りたのでした(-_-;;; ※2015/02/11 画像入れ替え再up -フイルム版はこちらです- |
さるさわ橋 7:35 |
入渓地点の沢の様子 |
小滝が出てきます |
シマヘビさん 威嚇してます |
こちらは沢水の中に 動きません |
空白です |
沢は平凡でしばらくは両岸の歩き易い所を遡っていく.ニリンソウが盛りの様で、所々群生を作って咲いていた.20分程遡行し、小滝を乗り越えて驚いた.蛇がこちらを向いている.しかも攻撃的体制をとって.良く見るとシマヘビの様で杖をそーっと出しても逃げない.それどころか噛みつく様に攻撃してくる.何だか怖くなって遠ざかりながら上に出た.そしたら、水が流れている沢の中にもう一匹.「助けてくれーーー」. 爺は蛇が大の苦手なんです. その場所から前方に5−6mのトイ状滝が見える.あの蛇が追っかけてこないか背中を気にしながら数枚撮影したが、何だか気が乗らなかった(笑)その上にも小滝は続き、残雪も出てくる.沢の水は冷たいが今日は暑いのでアクアステルの中に心地よく浸みてくる.ただこの辺りから小さな虫が多くなり、足を止めると顔の回りに集まってきて煩わしい. |
5mトイ状滝 8:00 |
次々に現れる小滝 |
一枚岩を3状に切って落ちてます |
逆くの字滝 |
右から水量が少なく傾斜のある枝沢が出合う辺り、本流は左に大きくカーブする.沢は新緑で明るい.この辺り、沢の中にサンショウウオを獲る道具や、かなり古いワラジなどが捨てられてあった.又、花もニリンソウの他、サンカヨウ(蕾)、エンゴサク、エンレイソウなどが結構多く咲いている.虫は相変わらず多い.2段6m程の逆くの字滝は下から見上げると上が完全に隠れてしまうので、綺麗なのだが全体の撮影は難しい. この滝を過ぎると、沢はグングン高度を上げていき、撮影に面白そうな滝が出てくるが流木や崩れた岩が目立ちやや散漫.更に止まって三脚を立てているとすぐに虫が集まってきて落ち着かない. 遡行bを続ける.3段で8m位の滝は上段が流木と岩が積み重なっていた.左岸を見ると、崩れた跡が新しい.最近の地震によるものだろうか.えぐれた土の中にはまだ岩が詰まっていて、それが落ちてきそうで怖かった.左は壁で登れず、右の崩れた跡を恐る恐る登って滝上に出た. |
3段8m位の滝 上部は流木が積み重なっています 9:10 |
二俣近くの沢の様子 |
この手の小滝は快適に登っていけます |
快適に・・・ |
3段10m程の滝 何故か近づいて撮ってませんでした・・・ |
2段5m上段 |
上は穏やかで間もなく二俣(およそ1:2)に出た.続いて3段10m程の滝(1段、2段がちょっと離れているが) は上段が立っていてやや厳しい.高さが3m位でそれほどでもないから左をネマガリダケに頼り、強引によじ登っていく. ゴーロと中々綺麗な小滝が連続しながら高度を上げていくと、2段5m位の滝が前を塞ぐ.虫と格闘しながらフイルムに納めた後、左の笹に掴まりながら越えていくが浮き石が多く、足掛かりにしようとした岩がグラリと剥がれ滝壺に大きな水音を上げて落ちた.一人で良かった. 樹幹から少し落差のある滝が見えた.近づいてみると2段15mはありそう.今までで一番大きな滝である.かなり源流に近いが水量も多い.こういうのに出会うとやはり嬉しい.虫と格闘しながら撮影を楽しむ(笑).滝は概ね2段で上部はやや末広がりの簾状、下部は一気に絞って溝状を勢いよく落ちている.標高1650m付近でもう源頭に近いと思うのにこの水量だ.豪雪地帯なのだろう.右岸で見通しの利く場所からは未だ斜面に雪が多く残っている. |
2段15m位 9:50 |
中々迫力があります |
滝の下段頭から上段を見上げて |
さて、滝の左岸は垂直な崖.右岸は急な密笹藪.此処は滝の左水線付近の足掛かりを頼りに下段の滝頭によじのぼり、その上のトイ状の緩やかな部分は左をへつって上段の滝下に出た.上段の滝は滝壺がないがそこそこ迫力があり面白い.ただ、小さいドーム状の滝下は飛沫が吹き付け三脚の建てる場所が難しい. この滝は、水流の中に豊富な足掛かりがあるので、爺でも直登できそうだったが、すぐ脇も楽に登る事が出来た.ザックなど濡らさなくてもOK.滝上に登ると沢は平凡になり急速に水を減らす. 広く穏やかな二俣に着くとポツポツとショウジョウバカマが咲いている.白い花は何だろう?倒木に腰をおろし(乏しい食料より=笑)エネルギーを補給しながらGPSで位置を確認し、地図を広げると1700m付近にいる事が判った.県境稜線には田代山に続く旧道が表記されている.どうせ、今じゃ使われなくなって廃道藪化しているだろうが、名残があり道を見つける事が出来れば田代山へ登って、帝釈山に縦走し馬坂林道を車まで戻る事にしよう、、、と何の脈路もなく決まってしまった. |
ショウジョウバカマです |
イチリンソウの様だけど・・・? |
水が涸れ藪化してきたのでソロソロ打ち切りです 10:35 |
笹藪に突入です |
藪の間から僅かに遠望も・・・ |
両岸の笹藪はチシマザサで爺の背丈位だ.木の俣川のそれに比べたら・・・ま、何とかなるっしょ、と、ばかりに少しでも藪漕ぎが少なくなる様に(右俣)源頭をめざす.沢の水が極めて少なくなってきたので、涸れる前にペットボトルに補給する.間もなく1750m付近まで遡ると、沢も藪になってきた.左岸の藪が薄い斜面(といっても胸程)を選び取り付く.少し登ると笹はすぐに背丈を超える程になってきた.掻き分ける様に稜線(1780m付近の鞍部)まで登ったが懸かった時間は長いと思ったけど10分位だった.早速(道)踏み跡を探したが、見つける事は出来なかった.密笹藪漕ぎは下るは楽だが登りは笹が全てこちら側に向いているので辛い.それより大変なのは横移動である.これには体力を奪われてしまう.右往左往しながらの道探しは止めて、稜線直登に切り換えた. 部分的に丈が腰上程度の場所があり、倒木に乗っかると後ろ(南東〜東)の稜線が良く見えた.登っていく途中から笹の丈は低くなってきたが灌木も出てきた.1900m付近では残雪が広く斜面を覆っていて、藪漕ぎから解放された.アイゼンは持参してないが残雪の上を歩くのは不安ではなかった.例え滑り落ちたところで笹藪の中だ.しかし、アクアステルスはステップカットをしなくても殆ど滑ることはなく、快適に登る事が出来た. 低木松の藪を出て稜線からおよそ1時間半、木道に着いたが.田代湿原入り口から200m手前だった. |
残雪が出てきました かなり楽になりましたよ |
特徴のある崖です |
残雪の緩斜面から東方向を眺めます |
南西方向です 馬坂林道が樹林の切れ具合で判ります あそこを帰るのか. 遠いなオイ! |
田代湿原に着きました 向に見える雪山は会津駒ヶ岳ですかね 12:40 |
背の低い松の間から木道に飛び出しました.向うが湿原入り口 ま、誰もいません |
木道は極めて歩き易い.雪が覆った会津駒ヶ岳の稜線や田代山山頂の標識を見て弘法太子堂に着いた.木道が分岐する場所で、大休憩.残り少ない食料(笑)から予備のおにぎりを食べたが、あっという間に無くなった(爆).人と会う事はなく、太子堂の前に多く残っている残雪には一人の足跡(最近の様)が、行って来いしていたが、それより先に新しい足跡はなかった.概ね残雪の中を歩くが一度歩いた事のある登山道は良く判り見失う事はなかった.帝釈山に向かう樹林帯ではオサバグサが知られている.足元にシダ類の小さな植物が沢山生えている.中には小さな花を付けているのもあるが、それがそうだろうか? 山頂前の斜面では残雪が多くあった.ガスが出始めている様で霞んでくる.岩場を過ぎるとすぐに山頂に飛び出した.以前来た時はハイカーでごった返していた山頂だが、さすがにこの時間(午後3時頃)になっては誰もいない.ガスが山頂を多い全周白くなってしまったが、吹き付ける風が汗ばんだ身体に心地よい.岩に腰を下ろし、クッキーを頬ばり水を飲んだ.三角点が傾いているのに気が付いたのは少し経ってからだったが、以前来た時はまっすぐに立っていた気がする. |
一度目は見逃した山頂標識 今日はしっかりと(笑) 12:50 |
太子堂 |
オサバグサでしょう 日本固有種らしいです |
水芭蕉が咲いていました |
帝釈山への道は残雪と泥濘です |
帝釈山手前の残雪斜面から馬坂林道 |
帝釈山 山頂 14:50 |
木の階段を気分良く下りていきます |
檜枝岐登山口に着きました♪ 15:40 |
檜枝岐登山口へ下降を開始する.といっても、すぐに木道が整備されていて歩き易い.こちら側は残雪も少ない.途中、男女4人グループのハイカーが登ってくるのと擦れちがう.今から登っても山頂はガスで何も見えないだろうが、この樹林帯の中ではそれも判らない. 30分程で檜枝岐登山口に着いた.少し広く車は2台停まっていた.峠から栃木県側は残雪が多くあり車の通行は出来ない様である.道は緩い下りなのでのんびりと歩いて下りていく.下から4人の男女がカゴを背負って登ってくる.山菜採りらしい.フキノトウは大分採れたが、シロキやウドはダメだったとか言っていた.栃木の人間でサル沢の一つ上流の沢に行ったんだが、雪で車が通れないと思い檜枝岐登山口に車を駐め、歩いて沢に行ったがそこまでは栃木側からでも車で来れたのに、、帰りの登り歩きは大変だ・・・とも、言っていた. そう言えば、お腹が空いたな〜 Fuji Z33WP フイルム版もどうぞ |
馬坂林道、峠からの基点です |
残雪があるので車は通れません |
ヤレヤレ、戻りました 17:15 |
当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.