◇滝見◇

日光市
夫婦滝


                    



2010年4月4日 訪問


(時間は参考にしない事)
                           
 今市ダム(月山の南麓)の滝見を終えたのが午後12時半頃で、家に帰るにはちょっと早い.此処は駄目元覚悟で、以前から噂で聞いていた砥川上流の「幻の夫婦滝」を偵察してみる事にした.最も、このダムから砥川を遡行するには時間が遅すぎる.そこで栗山ダムに車で回り、最上流点から下降してみる.又、今年は柄にもなく月山のアカヤシオ見学を予定しているので、その下見(当然まだ咲いていない)も兼ねよう.


 と言う訳で、今市ダムを午後1時前に今市ダムを出発し、栗山ダムに着いたのが午後1時半.空は晴れて、夫婦山や月山が良く見えた.ダムサイトの駐車場は広く誰もいない.早速、踏み後をみつけ人工階段を沢に下りると何やらダム関連施設で、その下流はいきなり滝の頭になっていた.右も左も崖で下りる術がない.これは右岸尾根に登り、それを下降するしかなさそうだ.

■写真左
栗山ダムサイト駐車場
13:30


■写真右
沢に下りてすぐ10m滝の落ち口

■写真左
尾根の踏み後


■写真右
急斜面から見る10m滝
 右岸尾根は、灌木帯だが藪もなく踏み後の様なものがあって歩き易い.どんどん下っていくと、左急斜面にロープが垂れ下がっていて、踏み後もそれに沿う様に下りている.沢に下りるのだろうと見当を付け、下降していくと沢が下に見え、左(沢上流)にまっすぐ落ちる滝が見えた.歩き始めて15分程.中々さい先が良い.
 滝下に下りてみると、滝は概ね2段で上が10−15m程、下段は緩い滑滝で4m程.水量はさほどではないが、綺麗な滝である.ただ、ダム工事で流れ出たゴミの様なものが少しあるのは残念だ.それでも、少し時間をかけて撮影し、下流へと下降を開始する.沢は滑が続いており、100mも行かないうちに滝の頭に出てしまった.落ち口に近づき恐る恐る覗いてみたら、今度のは前の滝より落差がありそう.下りられるかどうか、落ち口に近づいてみたがこちらも両岸が崖で下りる事は全く不可能だ.

■写真左
10m滝
14:10



■写真右
斜面25m滝落ち口
■写真左
涸れ滝


■写真右
ロープと廃道
■写真左
夫婦滝(左滝)



■写真右
夫婦滝(右滝)
中段から上の部分だが上段は見えない
  再び先程下りてきた尾根に登り返し、適当に下りていくと今度は5m位の崖に出る.ほぼ垂直だが木が適当に生えているので、ザイルがあれば下りられるが偵察もどきなのでザイルは車に置いてきた.崖の上端をトラバースする様に進むと涸れ沢に出た.すぐ上流には6−7m程の涸れ滝があり僅かに水を滴り落としている.その滝の下を横断するともう一つ沢があり、滑り台の様な滑滝(10m程)があった.水が多ければキャニオニングが体験できそう(笑).その上流を横断し小尾根を回り込むと前方にトラバースしている踏み後があった.途中崩壊し、ガレに埋もれたロープも見える.
 これまで踏み後らしいものがなかったが、これは滑滝のある沢の右岸尾根にでも付けられていたものだろうか? 等と想像しながら踏み後を伝い、尾根に回り込むとそこには立派な踏み後が尾根の上から下へと延びていた.緩い傾斜の場所にもロープが張られている.太めのロープなども設置されているが、滝への遊歩道という感じではない.山のあちこちでよく見かけるが、これは東電とか電源開発などの点検道の様だ.有り難く辿って行くと、すぐに急下降は終わり大木が点在する緩斜面に出た.
 大きな水音に左前方を見ると、小尾根の向こうに滝が見えた.水量は少ないがかなりな落差である.正面右には別の滝の頭付近が見えた.こちらは水が左よりは多い.これがいわゆる「幻の」夫婦滝だろうか.沢を徒渉し滝下に近づいていくと、どうやら砥沢の支流らしい.分岐付近には何やら測定用の水槽みたいなのがあって、水がボンボン湧いて出ている.その下流にも滝の落ち口があり、測定器械の様なものが設置されている.

■写真左
夫婦(右)滝対岸から下段の滝と滝壺


■写真右
本流25m滝
15:45
  左の滝に近づいてみる.岩の間を擦り抜ける様に登り膝上の笹尾根に立つと、滝はかなり高い場所から水を落としていた.目測だが60m以上はあるだろう.三段程に分かれ、最下段は融けかかった氷が覆っている.上下二段は白布の様に綺麗に落ちている.時々それが風に揺られて落ちる様は美しい.滝前はホールになっているので、撮影は各所に動き回れ楽しくなる.ただ、落石には気をつけなければならなかった.
 右の滝は6−70m離れた所にあり、分けて四段位か.最上段はねじれているので対岸から確認は出来ない.四段目の滝壷の対面から急斜面になっているので、足元がズルズル滑り三脚を固定するのが大変で撮影が中々大変だ.上段が確認出来ないのは残念だが、それは次にしよう.

 一旦沢出合い迄戻り、本流を遡る(と言っても帰り道).やがて、沢が右に曲がり前方に滝の頭が見えてくる.流れが変化する三段の滝で、黒い岩肌に白い飛沫がとても印象的だ.30m近くあり、(上段を)正面から見るには対面の小尾根に登る.そこでは違った形の滝を楽しめる.栗山ダム駐車場から近く(往復70分位)、くつろぐ場所もある.工事ゴミ(結構あるのはいただけない)を片付け、遊歩道を整備したなら立派な景勝地になると思うのだが・・・そっとしておくのも良いかも知れない.