◇滝見と山登り◇ 日光市(足尾) 長平沢を詰めて社山 しゃざん:1826.6m 2010,5,16 訪問 爺 (時間やルートは参考にしない事) |
足尾の長平沢は2006年の6月に一度訪れている. 大きな滝は無かったけど、沢は明るく遡行にも大きな支障となる場所は無かったと記憶している.前回は、出合付近のゴルジュからその中の滝などを撮影しながらだった為、遅く出発した事もあり上流の30m大滝で引き返した.今回は、林道を終点まで歩き下のゴルジュ&滝をPassして、出来るなら沢を詰めて社山に登ろうと計画した.6:00頃、三川ダムを出発すれば多少余裕を持って滝見が出来るだろう. が、寝坊が得意な爺が出発出来たのは7:15分だった(汗) ま、それはともかく天気が良くて空は青く澄み渡っている.久蔵沢林道を急がず歩いて行くと、空身で釣り竿だけ持った人が下りてきて 「阿世潟峠を越えるのかい?」と、声をかけられた.いいえ、長平沢に滝を撮りに行くんです.と、答えたら「あんな沢に滝があるのかね」と不思議気に言い、「気をつけてな」.爺はお礼を言って、歩き出した. |
銅親水公園 三川ダム |
治山事業 |
沈下橋下流の新しい堰堤 |
林道の様子 草ボウボウ |
工事用道路を利用し沢に下りられるのだが、林道を歩くのでそのまま通り過ぎる.コンクリートの沈下橋に着くと新しい大きな堰堤の向こうに三川ダム近くの山が良く見えた.此処を過ぎて、林道は阿世潟峠と、長平沢への分岐になる.長平沢左岸に付けられた林道は、既に使われなくなっているので.草が生え荒れているが歩きづらいと言う程でもない. 林道の途中に野営した様な後がありやや大がかりな焚き火の跡があった.ただ、野営したと輩はちょっと常識を持っていない様だ.使用したツエルトなどが放置されている.焚き火の跡に乾電池などが一緒に燃やしていた(燃えないのに・・・) その他いろいろ. 山人ではない.誰が? 何だか気分が悪くなる. 気を取り直して歩く. 林道終点に着いて前回来た時は気が付かなかった道が、左岸を巻いて上に延びている.どうせ堰堤か何かの工事用道路だろう.好奇心も手伝ってちょっと覗いて見る事にし、崩れてきた岩がゴロゴロしている坂道を登っていく.左に大きくカーブして、道は崩れていた.その向こうには山の斜面に堰堤の山が(笑) |
本流も堰堤の連続 |
工事用道路と思われる道に残された鉄骨 |
最終堰堤 |
振り返って下流方向 |
沢靴に履き替えて林道終点から沢に下り一つ目の堰堤の上に立つと2段滝の上段が良く見えた.下段6m上段12mの滝(※)で、好天が続いていたせいか水量が少ない.それでもこの形の良い滝を撮影する為に今日初めて三脚を取り出した. (※-実際見たところ、2段滝は下段4m位、上段6m位ではないかと思われる) 実は、(爺にとって)出来は二の次にしてこの瞬間がたまらない.上段の滝前は極めて狭く、右にねじれて下段があるから滑る岩棚にも気をつけなければいけない.芽吹いたばかりの新緑に青空と滝をどう組み合わせようか・・・等と考えながらパシャパシャ.この瞬間もたまらなく楽しい. この沢は、終始明るい.険しさもさほどでなく沢幅も適当に広さがあるから徒渉の心配は皆無.それぞれの滝は巻きが簡単でトレッキングシューズでも問題ない.ただ、滝写真屋としては滝前や滝頭で右往左往するから水の中に入るのは普通の一般常識だよね(笑). 4−5mの滝が次々と出てきて、前回撮り残した滝を選び撮影して行くが、カメラを出したり閉まったりで、やはり遡行に時間が掛かるのはやむを得ないか.それでなくても遅いのにさ・・・・・ |
2段滝 |
上段 |
2段滝上 |
小滝 |
小滝 |
小滝 |
前回見た時は2段10−12m位と思ったが、改めて眺めて見ると7−8m位だろう.ま、人間の目で測る長さや高さなんていい加減だから、景色の数値なんぞどうでもいい.要は”感ずるまま”で良いと思うのだ(うんうん).同じ物でもその時の感覚によって、増幅されたり減少されたりなのだから.観光地の滝はその良い例でしょ(ってか) それは、ともかく・・・ 2段滝を登ると、右岸から沢が合流している.水は僅かで、急斜面を尾根に突き上げている.本流はやや左に曲がり、少し大きなカエデの木の向こうに落差のある滝が見える.前回の引き返し点でもある30m滝だ.階段状になっているが、開けた光景とマッチしていて綺麗な滝である.こういう滝は、部分を切り取り撮影が楽しい.ただ、両岸共急斜面で三脚を立てる場所が難しい. 右岸の草付きを登り、適当な所で三脚の足場を造り固定.上段の側面写真はこれで何とか撮影出来た.出来?いいんだよーーそんなもん o(_ _o☆\( ̄_ ̄;)バシッ |
小滝 |
2段滝 |
2段滝を越えて下流方向.遠くの山がよく見える |
30m大滝 大きく分けて3段 |
最上段部分 |
ちょっと急だが右岸斜面を登り滝の頭に立って沢水を口に含み振り返って目の前に広がる景色を眺める.山の名前は相変わらずさっぱり判らないが、遠くまで良く見えた.中々素晴らしい眺めだ.滝上の沢は滑になっていて、少し遡ると1:2位の二俣になっている.左の沢は、階段状に滝をかけて水は涸れていく.右を遡行していくと、水は徐々に少なくなり7−8m程の滝があった. 滝上に出て水は一旦涸れ、急速に勾配を増して行く.下の方では、枯れ草の中に新芽が出て緑っぽかったが、此処からはまだまだ枯れ草だった.小滝を登ると、警戒音を発して2頭の鹿が沢を横断し、右の斜面を駆け上がりさった.ガレた沢を登って行くと目の前に黒い壁が現れた.左右に少しづづ水を落としている15−20m程の滝だった. |
滝上の流れ |
何? |
7−8m滝 |
又、滝か? |
20m滝 水が少ないので2条にはなってない |
水は少なく、滝下のガレ沢に消えていく.資料によると、20m2条滝となっている.三脚を立てる足場を探し、少し時間をかけて撮影してみた.滝の両岸に険しさはなく、左右どちらからでも登れそうだった.此処で、水を空近くなったペットボトルに補給する. 右の草付きガレ場を登り滝右手のスタンスを拾いながら、楽に滝上に出た.適当に水のない沢を登り(1500m付近の)左岸に取り付く.斜面は少し急な膝下の笹斜面となっていて、気分良く登って行ける.途中振り返ると中央に1568mピークがよく判る.遠くの山や近くの尾根の木が直線的だが面白い模様を作っている(表現力の乏しさで上手く説明出来ない) この沢を詰めると、昔営林署が使っていた道が斜面を横断していると言う事だが、遡行打ち切りが早かったのか、見つける事は出来なかった. 対面する山の側面を明らかに道の様な物がほぼ水平に続いているのが見える.あれが、その「営林署道」だろうか. |
そろそろ遡行打ち切り |
背の低い笹斜面を登る.キツイ〜 |
疲れて息が上がり、振り返ると おお〜♪ |
アカヤシオが |
急登に喘ぎながらも、社山から1564mピークに続く尾根の1650m付近に出た.尾根にはアカヤシオがまだ3分咲きだが、ピンク色の花を付けていた.尾根からは半月山と中禅寺湖が良く見えた.汗を拭き空を見上げると「でっかいトンボ?」が、飛んでいる.グライダーの様だ.中禅寺湖の上を回り、北の方角に飛んでいったが何処から来たのだろう.結構低空を飛んでいたが、手を振るのは止めた.遭難者と間違われても困るし(笑) 僅かな登りで中禅寺湖南岸尾根の登山道に飛び出した.時間も遅いので誰もいない.社山へは昨年7月に初めて登ってみたのだが、南岸尾根の展望はとても気に入ってしまった.パンやゼリーを食べながら、30分程過ごして帰路に着く事にした. 南岸尾根は展望が良く、中禅寺湖の向こうに男体山、太郎山、白根山(雲がかかっていた)などが良く見えた.中禅寺湖では、静かな湖面に白い軌跡を作りながら遊覧船が動いている.阿世潟峠からは足尾側の廃道になった遊歩道を下る. |
尾根到着 |
中禅寺湖が見えて来た |
最後の急斜面 キッツゥ〜 |
社山 山頂 |
中禅寺湖 |
南岸尾根を下る登山道 見晴らし抜群 |
アカヤシオ |
阿世潟峠 |
遊歩道は幅の広い林道になり、久蔵沢支流の利根倉沢を横断している.その場所からすぐ上流に堰堤があり、そこから僅かで7−8m程の滝がある.水量が多く見応えのある滝だが、夕方近く林内の中とあって、果たして上手く撮影出来ただろうか. 更に林道を下り、朝通った分岐に着く.本流沈下橋を戻り、右手に立派な堰堤を見て帰路を歩くと、崖下に大きな水音がする.ここには4−5m程の滝がある事は判っていたが、いつも通る時は次の機会に・・・と、後回しにしていた.今日は、適当に斜面を下りて近く迄行ってみたが、大きな堰堤が視界に入り堰堤の一部の様になってしまった |
利根倉沢の滝 |
九蔵沢本流の4m滝(上は新しい堰堤) |
Fuji finePix Z33WP |
当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.