滝見

日光市(足尾)
丹平治沢




                  



2005,7,16 訪問


(参考になりません)
              
 松木川には多くの支沢があり、大きな滝も沢山ある様だが松木川の穏やかな流れに反して(支沢は)その険しさから人を簡単に寄せ付けず訪れる人も少ない.必然的に滝の名前は付けられてなくその形も一部の人達にしか知られていない(と、思われる).

 今日は本流左岸支流の丹平治沢に入ってみる.どういう光景が待っているか、どんな形の滝があるのかワクワクしながら松木川の脇の林道を自転車で駆け抜けた.途中(左岸)オオガキ沢の反対側にある無名の沢に懸かる滝が、水を多く落としていた.この前来た時は深秋だったので水量が少なく見応えが今一つだったが、堂々とした大滝に変身している.帰りが早ければ、此処も撮っていこう(結局撮れなかったが・・).
 先を急ぎオオナギ沢出合いの広場に自転車を止め、そこから歩いて2-30分程.大きな堰堤を眺めると丹平治(タンペイジ)沢の橋に着く.

 


自転車でオオナギ沢近くまで行きます


松木川へ直進



旧松木村跡で



ヘリポート


鉱滓



あ、イヌワシ




松木川

 対岸を見ると、相変わらず奇異な光景のジャンダルムが迫る.その中腹からはツバメだろうか、沢山の小鳥が飛んでいる.そして、その上には鷲も悠々と舞っていた. 出合いすぐには4m位の滝が懸かっていて、その近くまで行くと、上流に滝が二つ見える.滝の左側を滑る岩に足掛かりを見つけ、注意深く登ると6-7m滝の全景が見える.落差こそないが、なかなか形の良い滝である.

 適当に撮影し、上に行く算段をしてみた.左側、階段状の岩が手掛かり足掛かりになりそうだ.一方、右側はガレ場の急斜面だが適当な所に草木が生えているので、岩登りの技術のない爺には、うってつけかも知れない.・・・と、考えたのが甘かった.



右岸の無名滝


橋から、丹平治沢



出合滝、6-7m滝、上に15m滝




6-7m滝




右ガレ斜面から

 早速左岸急斜面のガレ場に取り付き登ったのは良いが、まこと崩れやすい.出来るだけ草木の生えてる場所を選んで登ると、ホタルフクロや白い花などが多く咲いていた.ガレが細かくなってきて慎重に慎重に足を置きながら上へと登っていくとかなりな高度感に緊張してくる.いつ造られたのか、砂防用石積の所まできてトラバース.さらに、岩壁に沿って登って行くと小さな鞍部に出た.

 そこからは。沢の上流がよく見えた.それもその筈、木一つ生えてない急斜面の露岩、ガレ場になっている.滑滝の全景も見える.そのガレ場に鹿道か踏後か判らないが一直線に横断している.下から吹き上げる風に汗を飛ばしながらしばし考えた.

 「こちら」滝下までガレ場の急斜面.トラバースで掴まるものはない.風が吹く.よろける.下まで落ちる.・・・・・・う〜む
 「向こう」滝の向こう、ガレルンゼだが木や草が多くある.何とかなりそう.しかし、下の8m滝はどうする?・・・・・・うむむ ← が、こっちを選択(笑) 6-7m滝下に戻った.

 早速大きな(時間&体力)ロスをしたが引き返して6-7m滝の左側を登った.案ずるより何とやらで、階段状になっている岩を割りと簡単に登る事が出来た.




15m滝が俯瞰出来るほど上がってしまった




15m滝



ガレルンゼ取り付き 付近から


上部5-6m滑滝


15m滝上 土留めがあった


樹林内を登り、此処は沢を行く
すぐに15m滝が現れる.一枚岩を流れ落ち、途中凹んだ所を跳ねたり滑岩を滑り落ち変化する.ゆっくり見た後、左(右岸)ガレルンゼに取り付いた.此処も急登だ.滝よりさらに10m位登った所で岩陵をトラバースし、無事上流に降り立つ事が出来た.大きな岩がごろごろしている沢は広く明るい.何となく踏み後が左岸樹林内に付いているので、それを追って行く.

 天気予報は暑くなると言っていたが、沢筋の林内に風はなく本当に暑い.登りに息が切れ汗が噴き出してくる.相変わらず沢は高度を増していく.4m滝は右側を少し飛沫を浴びながら登った.冷たくて最高の気分だ.これは、くせになる(笑).右にガレ沢を見送るとすぐに沢が狭くなり、滝音が激しく聞こえてきた.2条に流れる滝を越えて回り込むと大きなCSを抱えた滝が、あった



小滝


2段逆くの字滝奥に滝飛沫が見える
  (資料によると) 25mあるというCS(チョックストーン)滝は豪快だった.逆くの字に曲がり、途中勢いよく跳ねている.ちょっと早いがお腹が空いたのでおにぎりを頬張ったり、トマト(三沢以来癖(^^; )を食べたり、又、撮影したりと至福な時間を過ごした.ただ、滝前は狭いので見る光景は限られる.

 さて、此処の高巻きは左岸急斜面を岩壁付近まで登り、トラバースして小尾根を回り込む.トラバースの途中、遙か下の方に今遡ってきた沢が光って見えた.小尾根を回り込んだら、その斜面に上の方からずーっと滑る様に足跡が沢まで続いていた.誰かが入溪してるんだろうか.高巻きからおよそ40分で二俣に着いた(爺は時間がかかるなあ(笑) 



25mCS滝




中段は勢いよく跳ねている

 やや水量が少ない左俣に小滝が連続している.一方右を見るとこれも立派(?)なCS8m滝が幅を効かせている.此処は適当に写真を撮りながら、どういうルートを取ろうか考えた.踏み後を探したが見あたらなかった.(踏み後の)彼らは何処へ行ったのか?(実は、左俣の3m滝上を横断しその上流から回り込んでいたのだ) 仕方がない、此処も草付き急斜面の直登をして上にあるブッシュに取り付き林内に入った.林内も相変わらず急斜面だが、木があると無いとでは高度感(緊張感)がまるで違う.

 急登の連続でヘロヘロになった枯れ爺も少し元気が出、沢に下りられそうな場所を探して林内を登って行った.いい加減登ったところで左から緩く登る様に踏み後が続いていた.  オロッ どこから来たんだ


高巻いて沢に下りる. 左に滝の落ち口


上流二俣 右が本流



CS8m

 沢(右本流8mCSの少し上)は、二つに分かれて手前は水は少なく、それを越えるとすぐに5m滝に阻まれる.左岸の泥付き斜面に苦戦し、ブッシュに掴まりながら小さく巻いたがこのブッシュの中に棘が多くあり痛い思いをしてしまった.苦労して越えたら又滝が連続している.右岸を巻くことも出来そうだったが、又、棘攻撃に遭いそうなのでこの滝は直登した.シャツの袖と膝まで濡れたが、どうせ汗でビッショリの服だ.こっちの方がよっぽど気持ちが良い.

 快適に登ってゆくとすぐ又滝だ.大きな岩が塞ぐ様に立ちはだかっている.右壁を何とか登り流木を越えるとその上には、青空にはじける様な飛沫が見えた.50m大滝だ.滝下に着くとその右には階段状にかなり高く滝を懸けている.更にその右は小ルンゼになっていて、4−5mの小さな滝が見える.


連続する小滝


50m大滝が見えてきた



こういう瞬間が堪らない〜♪




滝下ではそれ程迫力は感じられない

 滝下には黄色い花(マルバダケブキ)が多く咲いていた.飛沫を浴びて瑞々しい.が、手前広くない河原には1頭ではない鹿の骨と毛がびっしりとあった.途中にも幾つか見てきたが、これだけ纏まってあると、自然の摂理と判っていてもやや戦慄を覚える.しかし、広葉樹で囲まれたこの場所は、秋には素晴らしい景観を提供してくれるに違いない.問題は、此処までの行程なのだが・・・.たっぷり時を過ごし、来た道を帰る事にした.

 先ほどの林内の踏み後を辿ったら、直登した斜面の遙か上の方(崖とザレ場の切れ目=少し平)に出た.難なくトラバースして、そのまま左俣の上流へ出た.少し登ると、ゴルジュの中に10-12m(上は見えない)滝がスッキリとした形で落ちていた.おまけにしてはかなり嬉しい.だが、ゆっくりもしてられない.空が曇ってきたし、明るい内に沢を下りなければならない.下りも数々の難所が待っている.(しかし、その心配は無用だった.意外にすいすいと楽に下る事が出来たのだった.)
 (2011/10/28 再編集、2021,6,5 画像追加入れ替え)


大滝右の支沢滝


松木川右岸の稜線が見えた



下流支沢の滝 10-12m




フイルム版  Nikon F3  RDP III




フイルム版  Nikon F3  RDP III

 Photo Panasonic DMC-F1 

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