◇滝見と山登り◇ 日光市 シギト沢〜黒檜岳へ くろびだけ:1976m 2010年 6月 12日 訪問 爺 (時間やルートは参考にしない事) |
今日はハイブリッドバスで千手ヶ浜迄行く.結構混んでいて座る事が出来なかった.が、まあそれ程の時間でもないので苦にはならない.小田代で降りる人は2−3人しかいなかった.西の湖では1人も降りない.そっと見回してみるとカメラマンが多いのだが、千手ヶ浜の景色をこんなに早い時間に撮りに行くのだろうか?と不思議に思いながら、(千手ヶ浜=終点で)降りて歩き出すと、すぐに右へ分かれる道でどっかの人がどっかの人に「クリンソウはこっちで良いのですか?」と尋ねていた.成る程、クリンソウだったのか.と、ここで納得. フッキソウやマルバダケブキ(花は咲いていない)の群落を見て、適当な所から遊歩道と分かれ、森の中へ入って行くと白とピンクのクリンソウが沢山咲いていた.この花は鹿の好物ではないんだろうか.などと思いながら少しガスのかかる樹林帯を歩いて行く.水はないが大小の岩石を沢山押し出している涸沢があったので、これがシギト沢かとそちらへ入っていく.(※シギト沢=シゲト沢など呼び方があるらしい) 此処で森へ入る前に見た地図では、大きな沢と思われるものがシギト沢の手前にあった事を思い出した.GPSを確認すると、危ない危ない! やはり手前の沢に少し入り込んでいたのだった(←マヌケ).尾根裾を回り込む様に歩いていくと、奥に涸沢の様なものが見える. |
千手ヶ浜で |
千手ヶ浜で、向こうに浮かぶ山は? |
カメラマン達が朝もやの中を、、6:05 |
フッキソウというらしい |
シギト沢に到着 7:15 |
沢の様子 |
滝が見えてきた 8:35 |
近づいたら、5−6m滝 |
樹林内はまばらで大木が多い.草などの藪は膝下なので歩くのも楽だ.木が無く上が広く見える場所では山のピークが見える.1852m峰だろうか.黒檜岳はその後ろに隠れているのだろう.涸沢に着くと堰堤がある.堰堤の銘板には平成1○(葉っぱの陰で見えない)年竣工とあるから、意外に新しい.3匹の鹿が怪訝そうにこちらを見ている.慣れているのか、逃げようとしない. 堰堤を越え沢に入って水があるのかどうか不安に思いながら、少し遡行すると水が出てきたのでほっとする.なおも遡行を続けると本格的な沢になってきた.こんなに大量の水が地下に浸みて再び湧き出るのはどこだろう.雲一つない青空の中を、気分良く沢の上流へと歩いていくと小滝が出てくる.綺麗な小滝は、撮影が中々楽しい(遡行に時間が掛かるけど). 大きな岩もなく、概ね歩き易い沢を遡行し小滝を越えていくとこれまでより少し大きな滝が出てきた.遠目には、黒い岩肌に2条の流れが見える.近くまで寄って行くと5−6m位の中々見事な滝で、早速撮影に取りかかる. さて、この滝の上には左からだと少し大きく高巻かねばならない.右からなら、ルンゼがありやや悪いが小さく巻けそうだ.と考え、右斜面に取り付いた.案ずるより産むが易しの例え、足掛かりなど豊富で登る事が出来る.滝の上が確認できる位置まで登ると、上に3−4m程の滝が連続してあり、2段滝と言っていい光景だった.1段目の滝上に出て横断し、上段の滝を見ると、滝壺は結構深く右に流木を担いでいる.両岸は切り立ち登る事は出来ない.流木がもうちょっと太ければ伝い登る事も出来たかもしれないが、、、右岸の小尾根を登って上段の滝を巻いた.この滝の上流はゴーロ帯となり、崩壊した砂礫が沢を埋めている場所もあった. |
2段の滝だった |
滑と小滝の連続 |
5m程の滝 9:30 |
4m (仮称)たすきがけ滝 |
大きな木が沢を跨いで倒れているミニゴルジュ帯を過ぎ右に落ち葉を積もらせ水の少ない滑滝をかける支沢を過ぎると5−6m滝が出てきた.やはり綺麗な滝壺を持っていて深い.魚はいない様である.伏流帯が長いので、放流とかされなかったのだろうか.さすがに沢にゴミは(堰堤より上流で)全くみかけない.考えてみたら魚もいないこんな沢に誰も来ないよなあ・・・ 右を小さく巻いて上に出るとすぐに4−5m程の、今度は流木の「たすき掛け滝」が出てきた.結構、こういう滝の光景は好きである.流木は滝に変化をもたらし撮影の位置を豊富に提供してくれたりするからだ.流木が邪魔だ、岩が邪魔だ、葉が邪魔だ・・・なんて贅沢を言っていたら、その滝、その場所&季節的な光景など撮る事が出来ないではないか(等と、、、偉ッそーに一人つべこべ (^_^;) 両岸は切り立っていて登るのは無理.右手前にルンゼがあり20m程登って根っこ付き岩を乗り越えて高巻き、やっとの事で沢に下りると滑が続いていた. 時々ゴーロ帯となるものの、暫く滑は続く.水はとにかく綺麗で冷たい.両岸にはムラサキヤシオツツジがあちこちに咲いている.右に大岩のゴロゴロする涸沢を右に分け、さらに遡行していくとこちらも水が涸れてしまった.およそ1530m付近だ.このまま、もう少し遡行し水が出なかったら右か左の尾根に登ろうと考えながら、少し行くと上の方に水の音がする.右岸斜面が大きく崩れ、木が沢に倒れ落ちている.葉の状態や、折れたヶ所の新しさなどからみると最近崩れた様だ.足に枝を絡ませながら何とか乗り越えると又河原歩きになり、少しで水が出てきた. 1620m辺りから両岸が狭まり、ゴルジュ風になってきた.両岸がさらに狭くなって、正面に滝が見えてくる.中段に流木が積み重なっているので、全体の落差は判らないが階段状で30m位かもう少し.最下段6−7mが綺麗なので、その写真をフイルムに納めゴルジュに入っていく.壁が極端に狭いので、圧迫感がありこんな所を遡行中に大雨でもきたらひとたまりもないだろう、等と思いながら手掛かり足掛かりを選び慎重に登っていく.連続する滝を登り切り、少し緊張がほぐれ振り返るとかなり高度を稼いでいた. |
ゴルジュ再下段の滝 10:50 |
ゴルジュを抜け、俯瞰 |
この滝は登らないと上に行けない |
CS5m程、右を何とか |
さらに狭い壁を通り抜ける様に登り左岸が裸岩の崖がある所を通過すると、CS5mが行く手を阻む.高巻く事も出来ないので、右のバンドから何とか空身で滝の上に出てザックを吊り上げた.すぐ上には又4−5m程の滝があった.これは左を小さく巻く事が出来た.が、間髪をいれず4m程の滝が出てくる.これは直登で切り抜ける.その上には小滝があるが問題はなし.正面に壁が出てきて少し落差のある滝が落ちている. 見える部分で15m位.どうやらその上にも滝は続いている様だった.右岸には水は少ないが高落差の(チムニー状)滝が落ちている.中間には直径30cm程の枯れ木が滝の中にスッポリ納まっている.正面の滝の上部が見えないか、右岸滝下部の岩場に移動してみたが、10m位上に(上部の滝の)頭がかろうじて見えただけだった. 面白いのは、下部の滝の落ち口にまるで恐竜の骨の様な枯れ木が、にょっきり突っ立っているのだ.見たはじめは、何かと不思議に思ったが岩場に回り込んだ時木の根っこが下にくっついているのが見えたので、それと判った.全体が見えないのは残念だが、滝前は少し広いので昼食のパン、(凍らした)ゼリーなど食べ撮影でゆっくりくつろぐ事が出来た. |
この4m程は小さく巻く |
その上の4m程、濡れて上に・・・ |
2段の滝 |
沢を打ち切り稜線へGO! 11:45 |
この滝を越える事は(爺には)出来ないし、巻くとしてもかなりな大高巻きを強いられる.此処は遡行を止め、稜線に出る事にする.辺りを見回し右岸と左岸を比べると、左岸の方が若干勾配が緩やか.キツイ急斜面に変わりはないが、少しでも楽な方がいい、とばかりに右の小尾根に取り付く.途中シャクナゲ藪が出てきたり、壁に当たり迂回を余儀なくされたりで苦労するヶ所もあったが大きな問題もなく、シギト山から黒檜岳に続く稜線に出たのは、1時間半後だった |
稜線到着 13:15 |
(多分)足尾三沢の源頭崩壊地 |
雨量観測機器 13:35 |
黒檜岳山頂 その一 13:40 |
黒檜岳山頂 その二 |
1920mの稜線には明瞭な踏み後やテープもあり、結構多くの人が歩いている様だ.時間があればシギト山に行って来たいのだが、ハイブリッドバス時刻に束縛されている.又、黒檜岳から千手が浜へ降りるのにどれ位時間が掛かるか判らない.此処は素直に黒檜岳に向かう.道(踏み後+α)を辿っていくと少し登る様にシャクナゲ藪に入っていき、出た所は雨量計がある場所(標高1965m).昭和43年設置というから結構古い.そのまま、歩いていくと樹林内にあちこちで見かける個人の山名板が細い木の枝に掛けられてあった.成る程此処が頂上か!と、ホッとし倒木に腰を掛け水を飲んで食料を補給しながら、下降する登山道などを地図で確認する. バスの時刻があるので休憩を沢山取っていられる訳ではない.すぐに歩き始めると100m位で又標識が出てきた.これもよく見かける白い(栃木)百名山を表したものだ.え?此処も頂上か? 此処には更に、公が設置したものと思われる直立形の標柱が、、、するとこっちが本当の頂上か? まあ、爺にはどっちでも良いので深く考えもせずに道を下りに向かって歩いていく.すると・・・ |
黒檜岳山頂 その三 13:55 その一から三迄結構時間が掛かっている様にみえるが ウロウロしてるから・・・・ 実際はもっと短い距離にある |
石楠花盛り、と シロヤシオ |
湧き水 飲める様だ |
千手堂跡 |
千手ヶ浜乗船場 15:05 |
又、標識があったのだよ(驚々!) うーーむ.腕を組んで謎解きを、、、と思ったが知性乏しい爺の涸れ頭では、その一端も読む事が出来ない.それより、バス時刻が気になる.万が一遅れたら千手が浜から赤沼まで歩く事になるのか.一体、時間がどれ位かかる事やら.途中鹿のえさになってしまうかも知れない. マゴマゴしていられない.見頃を少し過ぎたシャクナゲの群生を横目に一目散に登山道を駈け下った(と、書けば格好いいが).何とか、最終の一つ手前のバスに乗る事が出来た. ※ハイブリッドバスに乗る前、ザックや服をはたいて木の葉などを落とした積もりだったが、ザックの網部分に引っ掛かってたのが、(バスの中で)座っている乗客の上に落として、叱られてしまった.申し訳ない事をしてしまった.次からは、もう少しきちんと掃除をしてから、乗る事にする様心掛けなければいけない、、、と反省 |
当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.