◇滝見◇

日光市(足尾)

笹ミキ沢

リベンジ滝見


                  



2013年 8月 11日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
 この沢に入るのは今度で4度目.ただ、過去3度は全て途中から引き返している.

   2004年4月 : 25m大滝まで 足元はスパイク付き長靴.大滝下でスリップ.尾てい骨を痛打.
             高巻こうとするも、情報不足で巻道が判らず撤退.

   2004年9月 : 25m大滝を高巻き次の15m滝を左岸尾根まで登っちゃったという”離れ業”
             奥の50m滝を見て、帰路ゴルジュ通過の際滑岩で1.5m滑落.腕を擦りむいた.

   2009年8月 : 15m滝を右岸高巻きの折り、滑落.落ちてきた岩で額を切る.6m滑滝で手当し
             撤退.

 と まあ、あんまり人に話せない結果ばかり.どうも相性が悪い沢と思っていた.奥の50m滝も水が少なくあまり良い印象はない.だが、上流枝沢から落とす2段の大きい滝は、水が少ないながら(ひろたさんのレポで更に)気になっていた.私が見た時は、水が少なく殆ど涸れ滝状態だったのに、水のある時はかなり立派である.又、その辺りで横切っているという”舟石新道”の存在も気になる.そこで、今回は過去の汚点を払拭させたいのと、新道を辿り丸石沢に抜け下降して帰路とすれば、面白いかもしれない(でも、今回は思っただけ).

 問題は、熱さとササミキ沢横断している新道の場所が判るかどうかだ.こういう探索は本来なら出発点から辿るのが本道だから、あまり真剣に探す事はしないだろう(多分←オイッ) 

 行っても水が少ないと何にもならない.ところが、”たそがれオヤジさん”が仁田元沢に行ってきた画像を見て、心が躍る.何と、枝沢の滝にあんなに多く水を落としているではないか.仁田元沢と稜線を挟んでいるササミキもしっかり水が多いに違いない!
   


ゲート前のお知らせ看板


丸石沢


ゴーロゴロ


それなりに良い光景なんだけど・・・


右岸へつりなんだけど、あまり好きじゃない(上流から)
 こんな熱い毎日では、休日でもあまり(庚申山など)登山する人はいないだろうと思いつつ、出来ればゲート前に駐車出来ればラッキーだと思いながら車を走らせると、広い駐車場も、ゲート前も車は一台もいない.ラッキー!.足尾は全面禁漁で何だか釣り屋さんは可哀想.いつ、元に戻れるんでしょうかね? 支度をして、歩き出し丸石沢を横断する橋に着くと、丸石沢には水が多く流れていた.6月に通った時は全く水が無かったので、最近雨が多かったとみえる.これは期待出来るぞ〜.
 
 良いお天気で風もないから林道歩きは熱い.逃げる猿の群れを見ながら笹美木橋に着き、渓流スパッツを着け入渓.すぐに大岩がひしめくゴーロ歩きとなる.沢の中の岩は概ね湿っていて良く滑る.どうせ熱いので、水の中を歩く様にした.ちょっと気にしていた深い釜の1.5m小滝は相変わらず.左の岩陵をへつって越えるのだが、湿っていて滑る.それでもアクアステルスは小さな足掛かりを捉えてくれ安心.此処を過ぎると25m大滝まで難所はない.湿った岩壁にはイワタバコが所々に花を咲かせていた.小さい花を35cm迄しか接近出来ない私のコンデジで綺麗に撮るのは難しい.

 少し離してズームで大きくしカシャッなのだが、暗いしこの様な小さな花は僅かの風で揺れる.今日はサービス品で貰ったミニ三脚を持ってきたが、上手く立てる場所がない.じゃあ、フイルムカメラの三脚を使えば!という御叱咤がきそうだが、ザックを下ろしたり雲台を変えたりで何だか面度臭い(あれ? 面度臭いと面倒臭いはどう違う? ま、良いけど ) 


25m大滝が前方に見える


25m大滝、見応え充分


高巻き中に


高巻きの踏み後


上流ゴルジュ入り口
 変わらないゴーロを遡行していくと、間もなく25m大滝の白い飛沫が見えてくる.4度目か、、、と感慨深い.今まで見た中で一番水量が多いと思った.ただ、天気が良すぎて白飛びは必須.上手く撮るのは難しいだろうなあ等と早速天候の所為にしておくところが準備万端.右へ行ったり左へ移ったり、何と楽しい事か.右岸滝下の草原にムラサキ色の花をみつけた.カメバヒキオコシ( ケケッ、カメバヒキツケオコシみたい ).葉っぱが亀の尻尾に似ているのでそういう名前が付けられたとか.近くへ寄ってコンデジを花に向けようと差し出した瞬間、イテテテッ.何と、カメ・・に混じってミヤマイラクサが生えていた.全然気が付かなかった.本当に痛いんだよね〜.

 撮影を楽しみ、この滝の巻は比較的簡単.途中テラスへからの見学はパス.どうせロクな写真が撮れないんだし.右岸に踏み跡がしっかりあって滝の上部に出られる.大滝の頭から下を覗き込む事も出来るが、私は絶対にこれをやらない.せいぜい、コンデジで手を伸ばして撮影する位.滝上部からゴルジュ帯になる.膝上まで水に浸かりながら遡行していくが冷たくて実に気持ちが良い.幾つか小滝があるが、通過に困難な場所は殆どない.以前、濡れたくなくて滑岩をへつって戻ってきたが、結局滑落し、腕を擦りむき半身沢に浸かってしまった.その場所を見て苦笑.こんな所で・・・等と・・・思い出っていいなあ.


15m滝


15m滝の高巻き斜面


高巻き中に15m滝を俯瞰


高巻いて降りた上流


5−6m滑滝

 滑が多いゴルジュを過ぎると15m程の滝が実に見事な形で落ちている.樹林の中にぽっかり空が見え明るいので太陽光が直接滝に当たって眩しい程.(撮影は)こらあ駄目だ.が、まず休憩、今日のおやつはホットケーキ.最近は7−11の大福だったが、今日はそこに寄ってない.コンビニならどこでも似た様なもんだろうと思っていたが、LWでは売ってなかった.ザックを下ろし少しすると、凄い数のアブが押し寄せてきた.タオルを振り回し、2−3匹に偶然当たってやっつけたが、数が凄い.しかし、こんな事もあろうかと虫除けスプレーを持参してきた.適当に振りまいたらアブは逃げ去ったのか格段に数が減った.この隙に水を飲み、(白飛び必須の)撮影を済ませる.
 さて、此処から右岸の少し急な枝尾根を登り滝下から延びるルンゼの上部をトラバースして滝の上流に下りる.今日はやや簡単に巻く事が出来たが、冒頭にある様にこの巻きで実は滑落し、怪我を負ってしまった過去があるのだ.
 


4m 2条滝


支沢2段滝 本流から


下段 14−5m位
 
述懐しながら、沢に下りるとすぐに6m滝が出てくる.どうやって登るか検討もつかない.右やや上の方にとっかかりが結構ある様だが、そこへ登るのに難儀しそうだ.左水線はやや寝ているものの私には無理の様な気がする.此処は素直に巻くが、ルンゼのトラバースがやや厳しい.ま、落ちても滝壺なので大丈夫はそうなんだが熱いのとアブが・・・.
 小滝を見ながら相変わらずのゴーロ沢を遡行していく.沢に入るとアブはまとわりつかなくなり、涼しいからなるべく水の中を歩いていく.時折真っ黒い背をしたイワナガ深みへ走り去る.深い釜の2条滝が現れた.二度目には此処を訪れているが何故かフイルム撮影はしていなかった.きっと大高巻きでしこたま疲れていたのだろう.右から沢が流入しており、2段の大きい滝が少し奥に見える.水もそこそこあり綺麗な滝である.本流2条滝を(アブと格闘しながら)撮影し、支沢に入って行く.下段は15−6m程.上段は此処からでは判らない.
 樹林が今日の日差しを遮ってくれているので、撮影には有り難い.あ!腕は別よ.下段の滝は登り易そうだが懸命な私は左の斜面を巻く(本当は滝を登った方が良さそうだった) 上段の滝は、黒いゴツゴツした岩肌に水が落ちては飛び散っているという、いかにもフォトジェニック.少し時間をかけてウロウロ、カシャカシャ.首筋がチクッ、、、ブヨにやられたな・・・.



上段17−8m位


滝下から見上げて
 支沢滝からその右岸尾根に上がり回り込んで本流に下りた.相変わらず樹林の中の薄暗い沢だが、右岸に木がなく草付きの斜面になっていて明るい所があった.10m程上に、白く丸い物が幾つか目立つ.ハハア、レンゲショウマだな.群落を作っている訳ではないが5−6本数えた.そう言えば以前来た時下流で一本だけ見かけた事を思い出した.でも、あれは8月末だったのでまだ咲いてないだろうと思っていたので何か嬉しい.コンデジで撮ろうと試みるが、弱い風でユラユラ揺れて難しい.数打ちゃ当たる方式で沢山撮ってきたのだが・・・
 間もなく、沢が直角に曲がる所に着いた.正面には支沢の4−50m近い大滝が落ちている.枝葉の間から見るその姿は正に”く”の字に見える.ただ、全体は見えないから4−50mというのはそこを登って確認した人からの引用だ.上段はバシャバシャ落ちて水流を絞り少し左に曲げチムニー状となる.滝前が狭く、全体(といっても全部ではないが)を同時に撮るには本流にある小滝の下しかないが、今度は枝葉がやや邪魔だ.右の岩陵に乗ると上段は良く見えるが、今度は下段が入らない.何とも、フラストレーションの残る滝である.


レンゲショウマ(白い花)


4m位


50m近い大滝が見えた 弓の弧を描いている


対岸岩陵から、やっと上段が見えた


6−7m程の滝 フイルム撮影しなかった(涙)
 本流に戻り、再び遡行を開始する.林業に使ったとみられる太いワイヤーが残っていた.前回も見ているので沢自体大きな変化はないのだろうか.右に流木を爪楊枝の如く抱えた6−7m程の滝が出てきた.此処でアクシデント発生.フイルムカメラのシャッターが切れないのだ.電池がないのかと変えたりあちこちいじったりしてみたが駄目で、仕方がない此処からは撮影中止とし、コンデジだけの記録画像にしようと覚悟を決めた.
 滝は、左の水線の中のトイ状を快適に登って行く事が出来る.上流すぐについたてを両脇に立てた様な薄暗い中に7−8m程の滝を落としている.暗いのでコンデジでも手持ちじゃまずぶれるだろうと判断.ミニ三脚を出して適当な岩の上に置き、セルフタイマーで撮ってみた.後でみたら結構良く撮れていたのでまあ良し.此処で試しにフイルムカメラをいじってみたら、、、オイ!動くじゃあないか.
 此処の滝を撮影し、この下へ行ってフイルムで撮ってこようかどうしようか迷ったが、コンデジ画像で充分と潔く割愛.左の斜面を登ると、トラバースする様に踏み後が付いていた.段差のある岩の所は、トラロープがあった.昔設置された様な太い針金も短かいがあった.結構来る人がいるんだねぇ.この滝の上流には滝が連なっていて巻く時には一つの滝に見える.


両岸が立っていた7−8m滝


高巻きの途中から


癒し系・・・


6m階段状滝

見づらいがトラロープ
この沢、唯一?

 もう一つ釜がやたら大きい階段状の滝を見て、左岸から水を多く流れ込む支沢を過ぎて本流は急速に水が減少してくる.やがて、伏流になり涼しさが一気になくなる.さて、この後上流にあるという新道の横断点まで遡行しそこから稜線に上がって庚申山の登山道に出る事にしたが、新道横断点が判らない.テープとかあるのだろうか? もう少し情報を集めてくれば良かったと、いつもながらの後悔.右や左の台地には鹿道を越えた踏み後が付けられており、それを辿ったりしながら上に行く.撮影に時間をかけゆっくり遡ってきた割には結構疲れた.

 (地図を見て)稜線(笹ミキ沢右岸尾根)に上がればそのまま庚申山に向うと登山道に合流する事は判っていた.現在地はGPSで概ね1380m辺り.このまま尾根を乗越て登山道へ下りるとしても、等高線が細かく複雑.そこで帰路、やや遠くなってしまうが登山道が沢上流に最も近づく1450m付近まで遡行し稜線(右岸尾根)に上がり適当に下降する事にした.

 沢は涸れ沢のままで、1ヶ所左の岩の下から湧き出している場所があったが、僅かで(例えば)コップで汲める程多くはなかった.水は、伏流になるちょっと手前でペットボトルを満タンにしてきているので心配はなかったが、近くに鹿の骨が散乱していたのがやや気になった.1450m付近まで来た時、右岸に崩壊している斜面がありほぼ稜線まで続いている.最近ではないようで斜面も固い.此処を登る事にして取り付き中間まで登ったが、足元がズルズルと滑りステップを刻めない.右の樹林内笹斜面に移動して、登っていくとすぐに木の根が地面を這う斜面になった.藪無しは嬉しい.

 登り着いた稜線はスプーンの首ちょっと上辺り.此処から眺める南西斜面はどこでも下りられそうだ.スプーンから南西又は南に下ってしまっては崖に行き着く.例えすぐ下に登山道が見えても、その崖をクリアするのは困難だろう.まだこちらの方がマシ.ままよ、行って駄目なら戻れば良い.と、一つ目の尾根を下降.3−40m程下りると崖.沢形に移動するとすぐにハングした涸れ棚で戻される.登り返して北西気味にトラバースし、次の枝尾根下降を試みるが、同じ様なパターン.こちらの沢形は二段のハング涸れ棚だった.ううう、駄目じゃん・・・これあ稜線迄戻り、素直に尾根の登山道を目指すか・・・と、決めかけた.
 


右岸段丘


涸れ沢の様子


木の根が這った斜面


稜線の踏み後


崖と涸れ棚(1回目の下降)


登山道着(仁王門の少し上)


 まてよ! この辺り鹿道が全くない.ということはここら辺で下りられる場所が無いという事だ.鹿道を探そう、、、とばかりに少しトラバース気味に登って行くと、あった! 沢形がきっちり地図で表されている所のやや上.尾根形に向かっていた.更にその尾根を下りる様に付いていた.途中膝下の笹に隠れてしまうが、沢形の方に下りている.この沢形に涸れ棚はなくそれ程急でもなかった.傾斜が緩むと前方が見渡せる様な草地の広い所に出た.話し声が聞こえる.良かった、登山道がすぐ近くにあるのだ.ふう〜っやれやれ.出た所は仁王門のやや上.先程の話し声の御夫婦と思われる2人のハイカーに軽く挨拶.2,3言葉を交わし、先に行かせてもらった.

当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.