◇滝見◇

那須塩原市
小蛇尾川



                    



2012年5月5日 訪問

単独
(時間は参考にしない事)
                           
 那須塩原市の県道30号線は高林で蛇尾川を横断するが、大雨とか雪解けの季節を除き橋近辺ではほぼ伏流していて水がない.川幅が広いのでどこか奇妙な風景でもある.この橋から少し上流へ行くと(蟇沼)水は多く流れている.水は夏でも結構冷たく綺麗である.
 更に上流へ行くと、川は右に大蛇尾川、左に小蛇尾川と大きく分かれていく.爺にとってこの川の上流はどちらも未訪.毎年気になってはいるのだが、中々足を向けられずにいた.特に理由はないが、大蛇尾川は釣り屋さんや沢登り屋さん達に人気があるらしく、情報も極めて多い.一方、小蛇尾川(上流域)についてはその記述が殆ど見られない.遡行の魅力はないのか(滝はあまりない?).少し検討してみた.

 下流から見て歩くには萩平が出発点となり、(地図で)中流部は平凡な様相が続く様なので滝がありそうな場所は小蛇尾ダムの更に上流二俣からだ.本流、右支沢(釜沢)ともそこからもっと上流でないと険しさがない.萩平からだとかなり時間が掛かりそうだ.じゃあ、上流から下りてしまう方法はないか? 沢が突き上げている所に塩那道路がある.車でなら土平園地まで行ける.そこから枝沢を下降し本流に出て二俣までは1時間半程度で行けるのではないか.これなら枝沢を探索しながら下降できるので退屈しない. (萩平=大蛇尾川との合流点)

 問題は、塩那道路の車ゲートだ.開いている時間は午前8時から午後6時迄.この時間内(午後5時半位)に土平駐車場迄戻らなければ、駐車場で一泊と言う事になる.むむむ.仕方がない、駐車場一泊コースとするしかないか、、、と言う訳で小蛇尾川に決定.5月の連休内で天気の良い日を選んで決行する事にした.
■写真左
窪状の枝沢


■写真右
軌道跡? イワナ沢左岸
9:20

■写真左
イワナ沢の右枝沢滝


■写真右
イワナ沢小滝
ハシリドコロ  先日の大雨で箒川は増水しているなあ、、ゲートが開く時間を待つ間に朝飯のカップうどんを食べながら思った.対岸のあちこちに滝が出来ている.釣り屋さんも多くいない.これから行く上流域に釣り屋さんはいるだろうか? 等を考えながら朝飯を終え、午前8時過ぎに塩那道路に向かうと、ゲートは開いていた.駐車場に走り登り、そそくさと支度をして出掛けたのは午前8時半頃.山歩きのスタートとしてはかなり遅い.右に弥太郎山の登山道入り口を見ながら、笹藪に突入していく.

 それ程の藪漕ぎではなく、やがて沢形が出てきて勾配も急になる.水はすぐに現れ、徐々に水量を増してきたが、通年こうなのだろうか? 綺麗な滑滝もあり中々快適に下降できる.所々踏み後も散見でき、釣り屋さんも利用しているんだろう.エンレイソウがあったがまだ小さく花も咲いていない.

 水量の多い「イワナ沢」と合流する.出合いは少し広い台地になっていて、ハシリドコロが咲いていた.150m程上流をみてみたが、小滝はあるものの沢は平凡だった.出合いから滑床の沢を下降していくと、右から沢が合流している.見上げると上の方に滝の様なものが見えた.遡って近づくと左右から沢が10m程の滝をかけて合流している.左は滑で水量が少ない.右はやや傾斜の緩い段瀑.簡単に撮影して「イワナ沢」本流に戻る.

■写真左
8m滝
10:30


■写真右
8m滝側面から(普段は水が少ないらしい)
■写真左
出合い(正面が小蛇尾川本流)
10:50


■写真右
本流の様子
堀割の道  ゴルジュっぽい所は膝を濡らして通り抜け、綺麗な小滝を過ぎると向こうに滝がありそうな地形.近づくと8〜10m程あり、簡単に下りられない.右にザイルが何本か垂れ下がっている.これで下りるのか? ちょっと考え、左岸を見ると何となく巻けそうだ.左岸斜面を少し登ると堀割(?)の道が出てきた.その向こうは急斜面だが下りられない事はない.左岸が巻けるのにあのザイルは・・・? 等と怪訝に思いながら滝下に回り込んでみると、水量が多いので迫力的な滝だ.こういう滝があるとは思っていなかったので何だか嬉しい.

 更に下降を続けると二俣に出た.小蛇尾川の本流だ.何と水量の多い事か.目的の釜の沢はまだ下流で、小蛇尾川の右俣にある.当然どこかで左岸に徒渉しなければいけない.こんなんで徒渉が出来るのか? このイワナ沢出合いは無理である.少し本流右岸を下流に歩いてみたが、徒渉なんて出来る状態ではない.本流上流ならイワナ沢の分水が少なくなるであろうから徒渉点が見つかるかも知れない.と言う訳で本流を遡行する事にしたが、、

■写真左
水量の多い本流
徒渉した右岸から

11:25


■写真右
右岸に笹に覆われた軌道跡?
■写真左
支沢と思ったルンゼ(その向こうが本流)
高巻きから

■写真右
行けども行けども・・・・
腿まで浸かるから冷たい〜

橋脚跡?  出合いは沢幅一杯に水が流れている.右岸の壁に沿って沢の中に入って行くが早速腰まで水に浸かってしまった.その後も沢の中に岩が露出している場所で徒渉を試みるが、流れが強く危険を感じて止める.更に右岸を(又腰まで)水に浸かったり、小さく巻いたりして遡行していく.対岸には何やら橋脚の残骸の様なものも見えた.森林軌道でもあったのだろうか? 木の俣川にも随分奥深くまで軌道跡があったから、此処も例外ではないだろう.暫くして、左岸に支沢をみる辺り(標高950m付近)で沢幅が広がっている.何とか徒渉し対岸に渡る事ができた.

この分では一旦出合いまで戻って釜の沢に行くのは困難と思い、本流を遡行して再び右岸に徒渉し適当な所から林道に上がれば、5時半迄には駐車場に帰れるかも知れない.と、更に本流を遡行する.途中平たい大きな岩の上でお昼ご飯のサンドイッチを食べていると透明感のある水の中に魚が泳いでいるのが見えた.天気も良く暖かいしとても気持ちがいい.もう少しゆっくりしたい気分を抑え遡行を開始.
 やや広かった沢は徐々に狭まり小滝がゴーゴーと音を立てて流れている所では右から大量の水を落とすルンゼ(支沢と思った)がありその向こうが壁で通過出来ず高巻きを余儀なくされた.7−80m程笹藪を登りトラバースしたが、どこにも水は流れて(落ちて)いない.ルンゼはこの下に大量の湧き水があるらしい.確認してみようと思ったが、急斜面で登り返すのが辛そうだったので止めた.

■写真左
支沢の小滝、向こうは4m位
13:45


■写真右
同 滑と小滝
■写真左
多段10m位


■写真右
5m滑滝
14:35
 沢に戻り、右岸への徒渉点を探したがみつからない.沢は広くないのと水の勢いは相変わらず強い.地図にある広い場所(右から沢が2つ合流している所)に出れば沢が広くなり徒渉点もみつかるのではないか、と期待したが着いてみるとやはり無理の様だった.この時点で時刻は13:30分.駐車場へ17:30に戻れるかどうか怪しくなってきた.しばし考え、ここは当初計画通り(ルートは変わったが)駐車場泊とすることに決めた.
 こうなると気分は楽になり、丁度右からそこそこ水量の多い支沢も合流してるとあって、この沢を探索がてら塩那道路へ上がろうと計画変更.5−6mの綺麗な滝や二俣に落ちる階段状の滝などを撮影&急激に高度を上げながら遡っていくと、1200m付近で水は涸れる.腰程の笹藪から登るに従って傾斜は緩むがチシマザサが背丈程になる.前方の見通しが効かずいい加減辛くなってきた頃いきなり藪から道路に出た時はビックリした.
■写真左
傾斜が少し緩くなってきた笹斜面


■写真右
飛び出した塩那道路(30.8kmの標識)
16:15
■写真左
上下に道路が・・・


■写真右
残雪がたっぷり
白い玉が雹  塩那道路には多くの雪が残っていた.日留賀岳が堂々と聳えその右側稜線直下に道路が上下2本走っている.一瞬上の道路を歩くのか?と錯覚をしてしまうタツノオトシゴをひっくり返した様な迂回道路.良くこんなのを計画し造りあげたものだと改めて(妙な)感心する.今いる所は(ひっくり返った)タツノオトシゴの嘴で現在時刻15:45分駐車場には早くて19:30頃 途中で暗くなるのは必須だが、道路だしヘッデンで充分歩けるだろう.

 慰霊碑を過ぎて道路に落ちる3本の滝は中々凄い.落差だけでいうならどれも判らない程上から落下している.多分、雪解け限定なのかも知れないが上空が曇ってきたのと夕方なので光回りが良くないから、撮影は適当でちょっと残念.ビックリする様な立派な橋(3号橋)を通り過ぎると道路は長さ15m程に渡って踝を越える深さに冠水していた.18:00を過ぎた頃空が暗くなり、遠くで雷鳴が聞こえる.いきなりバラバラと雹が降り始め、雷も近くで鳴ってきた.気温が急に下がってきたのでカッパを着込み、雹を避ける意味で大きな木の下に入ったが、雷の時は木から離れる事を思い出し、移動すると今度は雹が手に当たり痛い・・・どうすりゃいいのよ.

真っ暗な駐車場に着いたのは雨も上がった19;55分だった.

残雪がある道路に落ちる滝

冠水した道路