◇滝見◇

日光市(足尾)
松木川
(右岸本流付近徘徊)



                  



2013年4月29日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
 松木沢右岸はウメコバ沢辺りまで(足尾銅山の)煙害による樹木の枯れ死で、表土が雨に流され岩が露出している景色が続く.高山の固い岸壁とは違いボロボロと崩れやすい岩質だそうだ.その為 雨、風化による浸食が激しく現在の様な殺伐とした光景になってしまった.オオナギ沢を過ぎての右岸は特に低山ながら奇異な岸壁群の光景を目の当たりにする.木は殆ど生えておらず枯れ木なども残っているのが僅か.沢は中倉尾根まで深く切り立って容易に人を寄せ付けない.その道のエキスパート達の世界である.


 さて、その右岸支流群の多くは本流出合付近に滝を懸けている.大きな滝ではないが、歴史の跡を想いながらこれまでじっくり見てこなかった滝見学に出掛けた.時間をかけて見たいので、最終のは黒沢辺りまでが限度.フイルム撮影もしてくるので、少し遅い時間で出発する事にした.


 三川ダム駐車場には5−6台の車が駐まっていた.もうどこかに出掛けたらしく誰もいない.天気は良いが歩いていて手が冷たくなってきたので手袋をはめる.オオナギ沢出合に着き、対岸の沢には堰堤の上に滝が続いているのだが、水がかなり少ない.林道終点から河原に下りていくと、大きなザックを背負った(多分爺より若い)初老の人が歩いてきた.少し話をするとどっかの岩登りをしてきたのだという.ザックの形が綺麗に決まっている.パッキングが上手な人で、相当山慣れしているエキスパートのようだ.爺のパッキングなど恥ずかしくて、担いで街中なんて歩けない(笑)



松木川対岸に中倉尾根(石塔尾根)のはじまり


お墓か何かの石碑


無名沢出合にかかる2段15m


無名沢対岸より写  矢印の所まで登って沢を俯瞰すると →


とても下りられる斜面ではありません


「みちくさ」近くで
 オオナギ沢出合いの河原にはテントを張って若者4人組がスタートしていった.ザックに金物やザイルをくくり付けているところをみると、どこか岩登りをするのだろうか? 荒れた林道を進み、丹平治沢の手前の広い河原ではもう一組いたが、こちらは山行(やはり岩登り?)を終えて休んでいる様だった.ここのすぐ上流に出合いから深く切れ込んでいる沢がある.わりと綺麗な滝がかかっていて、此処を通り過ぎる度に気になっていた.


 松木本流を膝まで濡らして徒渉し、滝前に着くと上段部分は見えず、7−8mの下段だけ.かなり前に撮っていた事はあるが、その時滝前に土砂が積もっていたかどうかは覚えていない.適当に撮って左の灌木帯に取り付く.すぐ、登れない岩壁になり、ザレ場を横断すると灌木(リョウブとか)の中に鹿道があった.それを拾いながらジグザグに登って木のないガレ斜面は足元から崩れて登りにくい.岩壁に沿って登って行き、細い岩尾根を沢の見える所まで恐る恐る登った(赤矢印).沢は細く、真下にあり3−4m位の滝が見えるだけ.木は生えているがとても下りられる様な崖じゃない.見上げると岩の急斜面.岩峰を大きく巻かないと上には行けない.但し巻けるかどうか、巻いたとしてこのV字渓、下りられるかどうかも判らない.君子危うきに下降せず(えっ) あっさりと引き返す事にした.
 


無名沢の少し(松木川)上流に、水量の
少ない滝


本流の堰堤


堰堤脇に機械台跡?


水無沢 出合滝(手前は松木本流)


水無沢 ゴルジュ滝群の上、2段7−8m程


プレート やっぱり判らなかった(汗)
 水量が少ない滝は下部が岩溝を切って斜めに落ち、水流が隠れている.撮影がどうにも難しく、上部の滑と下部が切り離されてしまう.ま、どうせロクな腕じゃあないから、適当にパパッと撮って上流に向かう.途中この壁の中に白い標柱があった.何だろうと近づいてみると「建設省貸付」などと表示してある.前方には大きな2段堰堤.右に何やらコンクリートの施設跡が.林道からは見えないから、今日初めて見た.何かの機械台だったのだろうか?中央がくり抜かれていて、その中から木が伸びていた.上段の堰堤は一見(巻くのが)大変な気がしたが、この施設跡の脇から楽に越える事が出来た.
 
 
 丹平治沢を過ぎて出合に4−5m程の滝がある水無沢だ.名前の通りいつも水が少ない沢で、この滝も遠目に見るだけだったが、今日は意外にも水量が多い.上流に遡ってみる事にした.出合の滝は、登れないので少し上流のルンゼから小尾根を回り込んで滝頭へ下りる.上部はゴルジュの中に滝が続いてる.下の3段は上れたが、上段が(爺では)やっかい.途中まで狭い足掛かりを元に何とかなったが、登り気味のトラバースが出来ない.いや出来るのだが、帰路の下りが難しいと思われた.木もロクにない沢、ザイルを引っ掛けるものが上にあれば良いのだがその保証もない.岩登りの人達なら簡単なんだろうけど・・・・


 此処は素直に戻り、この次の課題にしておく.と、何やら右岸の平らな岩壁にプレートがくっつけてある.手を伸ばしても届かない高さだ(因みに爺の身長は170cm).何て彫ってあるのか判らないので、コンデジで撮り後で大きくして見たが、よく判らない.
(後日大平山山頂で会った”足尾のRRさん”にあれは、遭難碑のプレート と教えていただいた=2013、6,4追記)


水無沢よりすぐ上流 見える部分15m程


黒沢(松木本流から)


黒沢 20m程


黒沢 20m滝上
 見える所15m程のチムニー滝を軽く撮影して、今日の最後と決めてある黒沢に着いた.こちらはもう少し水があると思ったが、やはり少ない.それでも迫力的に屹立する岩壁をキラキラ光らせているのは、何とも言えない.此処で丁度お昼の時間.お腹も空いたのでザックからお弁当ジャーを取り出してパクつく.風が無く暖かい.松木川はあくまでも透明感抜群.今日は、まずご飯の上に納豆を敷く.ご飯を被せて軽く醤油をつけた海苔を敷く.これだけで何とも言えない味のハーモニー(爆) おかずは冷凍チキン、ウインナー、卵焼き、ベッタラ漬、ミニトマト・・・うーーーん幸せじゃ(笑)


 黒沢は松木本流に土砂を押し出している.その上は岩肌が剥き出しになっている.林道からも良く見える20m程の滝は少ない水飛沫を陽光に輝かせている.出来るだけ露出を絞り、岩肌を黒く落として飛沫を光らせる様撮ってみたりするが、上手く撮れたかどうかは神のみぞ知る、、、現像するまで判らないフイルムバージョン.


黒沢 20m滝上から松木下流方向


黒沢 20m(水はあるがまるで壁)


黒沢 40m 同じく壁.Uの字は20m滝(壁)頭


黒沢 左岸尾根より 松木下流方向


黒沢 左岸尾根より松木を俯瞰


黒沢 左岸尾根より カマ5峰の一つか? 
三川ダムP8:00−オオナギ沢出合8:55
丹平治沢出合10:35−5号堰堤14:20
三川ダムP16:00
 20m滝上も乾いた滑岩が続き、20m壁滝(笑)の下に登るのは容易だった.水は流れ落ちているが、壁と同化して滝とは判らない.こんな具合だから、冬は凍り付き上部40m壁滝(更笑)と合わせアイスクライミングの好ゲレンデとなるらしい.納豆喰う・・・もとい、納得(寒ッ)


 水の滴る岩壁を適当に撮影し、左岸尾根に登ってみたら素晴らしい180°の展望だった.やや怖いけど注意深く端に寄ると松木の下流、上流や真下などが良く見えた.

当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.