滝見と山登り

日光市(足尾)
カラ沢〜社山
しゃざん:1827m



                  



2012,11,10 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
 カラ沢大滝へはは数年前訪れたことがあるが、その時は滝前で雷雨にあい尻尾を巻いて逃げてきた.しかし息の詰まるようなゴルジュの向こうに岩を切って落ちる光景が忘れられずにいたが、中々行く機会に恵まれない.その内、頭から離れて久しかったが、皇海山の帰りに大ナギ沢の近くでほぼ毎週足尾詣でをしているという桐生の人と出会い、しばらく話をしたがその時少しカラ沢が話題に出た.その時、そうだカラ沢に行かなくては、、と、思い出した.


 天気の良い土曜日のこの日、日足トンネルを抜け午前6時45分頃地蔵滝の駐車場の前を通ったら、珍しく車が停まっていて沢登りの人らしい二人組が支度をしていた.車をみたらWEBで見るヒロタさんのものに良く似ている.一人は赤い服装の男性だった.(家に帰って「あれはヒロタさんじゃないかな?」と話したら、「えーっ、あの沢をかい.ヒロタさんみたいな人は目もくれないっしょ!」実は4年前の冬に長手沢を少し遡行した事があるのだ.うんそれもそーだが・・・・しかし、、、、
 あとでヒロタさんのHPをみたらビンゴだった.この様な超マイナー沢でもきっちり抑えておくというのがこの人の凄いところだと思う.

                     
 2017/06/26更新 写真画像を入れ替え. 


三川ダム駐車場 7:30


九蔵沢出合いの橋から 安蘇沢
 三川ダム駐車場には4−5台の乗用車が駐まっていた.いつもの事だがカップうどんにお湯を注ぎ出来る間に支度をしておく.ささっと朝食を済ませ、出かけるが阿蘇沢林道を歩くのは久しぶりだ.林道歩きそのものは決して嫌いではない.

 此処は展望が良いし、対岸(林道は概ね沢右岸)の景色を見ながらの歩きは、それ程退屈しない.ちょっと長いけど. この林道は先へ行くと大きくS字カーブを描いて高度を上げている.ショートカットが出来るかと言えば崖なので困難の様.救いは赤倉方面が良く見える所がある事か.

 そのS字カーブを上りきって対岸を見ると何と崖が濃い紅に染まっているではないか.崖に張付いているツツジなどが紅葉していたのだ.思わず足を止めコンデジでパシャパシャ.良い光景だな〜と感心.ちょっと過ぎている様だから来年又来ようと心に決め先へ急ぐ.



花の様な実の様な・・・

治山事業の案内板



林道から眺める風景・・1


・・2




・・3




・・4

 林道終点に着き あれっ、新しい堰堤が出来てる.コンクリートで固めただけの物ではなく、表面仕上げに丸木を張り付けてある.自然にマッチさせようとの努力か.こういうのは木材とコンクリートでは経年劣化の年数が異なるからメンテナンスが結構面倒だと思うけど.景観でいうなら、この辺りに見学者はいるのかな?・・・って感じ(としょりは、だから煩いといわれる(^_^) )

 そう言えば田母沢にはタル形の堰堤があったなあ.

 左、1/3 が未完成の様で予算不足の為今回はこれだけって計画かも知れない.(結局二つも出来ていた)最終堰堤は左の踏み跡を利用して高巻いた.



へ? 堰堤が


出来てる.丸木張りだね


小田倉沢


沢が狭まってくる
 左から合流する小田倉沢は水が少ない.此処は 来年だなとつぶやき河原を歩いていく.沢が少し狭まってきて右岸又は左岸のブッシュを歩くが、茨系植物が多くありたまらず水流を歩く.この沢、水で濡れている岩は良くすべる.

 まあ、それ程急ぐ必要もないのでゆっくり遡行していく.やがて核心部のゴルジュ帯だ.両岸が崖となって狭まり、小滝を連続して架けて入る.幸いなことに、殆ど直登(又は左バンドを登る)出来る事が判っているので安心.左から15m滝、正面に20−25m程の棒滝は姿も形も変わっていなかった.

 棒滝は側溝を横に寝かせて縦にした様な感じでやや斜めだがまっすぐ落ちている見事な滝だ.両滝が落ちる滝下は狭く、15m滝の水飛沫でとても近寄れない.飛沫に濡れた岩は見事なまでに良く滑る.撮影は飛沫に濡れるのを防ごうとすると前面に立てない.どうせロクな写真撮影など出来ないから、”場所がね〜”は良い言い訳になる.




手前の小滝




ゴルジュの中、上方に目的の滝が見えてきた 11:00




左、15m 右、25m大滝




縦位置で撮ってみたりするけど、あまり変わらない・・・ フイルム版もどうぞ



高巻き中、ゴルジュを見る.正面は25m滝(右俣)


枝尾根に出て、下流方向を眺める 11:45
  さて、どうやって高まくか周りの様子を見る.前面&両岸切り立ち此処を登るなど爺には論外.アメリカ大統領と握手するより難しい(あ!どちらも不可能(笑)) 確かゴルジュ入り口の右岸に急だが涸沢が合流していたがあれを登れないか? と、小滝を一段戻りかけ(下流に向かって)右を見上げると、外傾気味だけど岩が階段状に形成され、7−8m程上には小尾根が下りている.

 まばらだが灌木(リョウブかな?)が生えているので、そこまで登れれば何とかなりそうだ.一段目は力技でうんしょと身体を持ち上げる.岩の間にツツジの幼木があり、これが頑として抜けないから頼りになる.尾根に上がるまで木は全くない.ツツジの根っこを掴みながら次のツツジの根っこを探すといった具合で、ゆっくりゆっくり這い上がりバンドに出る事が出来た.

 これで安心.少しトラバースし小尾根に出る.対岸は目の前、高度感があり、棒滝は岩の中で上部しか見えない.汗を拭きリョウブの木に掴まり、コンデジで下流の光景を撮ったが、何だか腕が震えてピントが定まらない(笑) 口に水を含み飴を舐め尾根を急登するけど、途中トラバース出来そうな場所をみつけ、踏み後が続いている様に見えた.ただ、木も生えてなく下が見えずちょっと怖い.

 このまま尾根を登るかどうしようか考えたが、トラバースに決め注意深くガレ場を進み、回り込んで15m滝上に下りる.ん?15m滝上と思ったが下りた所は6m程の滝の頭だった.つまり滝下で見える左の15m滝は6m+15m滝の2段構えだったのか?.6m滝下には下りられそうだったが、此処はパス.滝下は狭いのでどうせロクな撮影は出来ない.クラッときて15m滝をバンジージャンプになっても、だれも同情してくれない(笑)



トラバースしていく斜面




トラバース終了



左俣 横断し右の斜面を登って・・・


尾根に上がる 12:00
 沢を徒渉しちょっと登って中尾根の岩場に立つと、見事な光景が広がる.時間を見ると丁度お昼時.風もなくふんわり暖かい.(自分で作った)お弁当を食べる.ご飯とご飯の間に納豆を敷、上に海苔を被せただけ.おかずは(昨晩作った)卵焼きとウインナー.お新香はたくあん、ミニトマトにミカンも持ってきた.ううう、何という贅沢(笑)

計画では、左の沢を遡行して大平山〜社山の稜線に出、オオナギ沢出合に下降するというものだったが、この時間では大平山からの下降中に暗くなってしまうかも.あの尾根は藪ではないから(膝下の笹)止むおえない場合はそうするが2週続けて暗闇尾根下降は考えものだ.左俣は諦めて右俣(25m滝がある方)から南尾根に登って社山〜阿世潟〜長手沢林道を下山として選定しよう.林道に出れば暗くなろうが平気だ.天気が良ければ月明かりでも歩けるし(ん、月は出るかな?)

昼食を終え、地図をしまい右俣に下降していくが、何と1ヶ所赤テープがあった.中尾根からは見えなかったので、沢下降の目印か? カラ沢なんて堰堤ばかりで沢登りさん達の対象にならないと思うけど遡行下降する人はいるものだねえ・・・.




25m滝のすぐ上、右俣を俯瞰 木の枝に赤テープ


穏やかな渓相


何処から右に取り付くか、様子を見ながら遡行
 沢は滝上こそゴルジュ状だがすぐに開け明るい穏やかな渓相になる.こちらの沢(右俣)は小滝がいくつかあるが源頭まで厳しい所はない様だ.南尾根に上がる為1600m付近で右の広い斜面に取り付く.

 草つきガレ場であるが足元はしっかりしている.登っている途中2ヶ所で砂防堤(鉄線の網籠に岩を詰めた簡単なもの)があった.高度を上げるに従って背面の展望が広がってくる.大平山(松木山)や袈裟丸連邦、すかいさんなど足尾を代表する山々.更に南尾根近くでは真っ白な白根山が雪雲を纏う様に姿を見せた.

 何度も何度も登る足を止め振り返ってはコンデジに収める.少し笹斜面を登って割りと楽に南尾根の1740m付近に上がった.此処からの展望も素晴らしい.社山頂上はすぐそこだ.時間はそこそこ経っているが問題ない.南尾根下降も考えてはいたのだが、どうせ途中で暗くなるのは判りきっている.


振り返って


此処から登って行きましょう



急登に難儀しながらも、開放感のある風景を楽しみながら(対岸)




上流方向を 白い所辺りが源頭部




登るにつれて、対岸も広く開けてきます.1816Pかな


石積みの砂防堤か何か


笹が出て来てもうすぐ南尾根



ふう、やれやれと、南尾根を見上げる

 何度も何度も登る足を止め振り返ってはコンデジに収める.少し笹斜面を登って割りと楽に南尾根の1740m付近に上がった.此処からの展望も素晴らしい.社山頂上はすぐそこだ.時間はそこそこ経っているが問題ない.南尾根下降も考えてはいたのだが、どうせ途中で暗くなるのは判りきっている.

 初めてのルートで足元が暗いってぇのは誰でも不安.いつもいい加減で計画に問題をつくる爺だってそれは同じ.此処は素直に社山頂上へ向かう.この季節、この時間で当然誰もいる訳がない.

 この山頂は何度目になるのだろうか.山頂こそ半分弱の展望しかないけど、此処に登って車での尾根は見事な展望があり、中禅寺湖から半月山、足尾の山々まで素晴らしい広がりである.空気が澄んでいる晴れの日なら富士山も見えるらしい.




南尾根(社山直下1800m付近) 1740m付近 13:40




白根山は雪雲の中



山頂到着 14:00


屋根をかけた様な岩
 岩に腰をかけて缶コーヒーを飲みパンを半分だけ食べる.足尾側に長平沢(昨日烏ケ森さんが登ったらしい事は後で知った)、を見た.この沢を二度遡って詰めたけど、最後の登りは斜度がきつい笹斜面で厳しかった.特に二度目の時は雨オフになり、山頂直下の屋根をかけた様な岩の下で昼食休憩した事を思い出した

 尾根下りの途中は男体山、太郎山などが見事.中禅寺湖の遊覧船は見えなかった.急斜面の登山道をのんびり下りて15:00丁度、阿世潟峠に着き、もう歩かれていない古道に右折.もう日が短くなって来ているので、三川ダム駐車場に着く頃は暗くなってるかも知れない.それでも、知ってる道だから焦る気持ちは沸いてこないない.

 ※駐車場には薄暗くなったけどヘッデン使わずに着く事が出来ました.



中禅寺湖、男体山、太郎山、山王帽子山




下降して行く尾根と半月山




残り紅葉、やけに紅かった

 Photo Nikon Coolpix S6400 
 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.