◇滝見◇

日光市(湯西川)
栗山沢右俣



                  



2012年 11月 4日 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
   一時期多く溜まっていたダムの水は少なくなっていて、沢に下りるのが簡単に出来た.この春来た時より沢の水量は少ない様で左岸から落ちる滝は僅かだ.小ゴルジュを通り抜け、穏やかな渓の両岸段丘は歩きやすい.殆ど高度を上げずに二俣に着く.工事用モノレールがそのまま残されている.モノレールは左俣と本流(右俣)左岸の斜面に施設されて林業とかに使用されたものなんだろうけど、撤去はされないで今では山のゴミとなってしまっている.監理する当時のお役人達はこの現状をみてどう思うのだろうか.


 左俣に入って間もなくその左支沢に綺麗な滝が懸かっていた.遡行し明神ケ岳三山を巡った事などを思い出しながら、今日は右俣に入って行く.左にハングした涸れ滝を見る.15m位か、僅かに水が染み出ている程度.続いて左岸に石垣があり、少し広く平らな台地を造ってある.飯場とか何かの跡だろうか.小屋があったとして、その残骸がない.飯場跡に良く見られる一升瓶のかけらとか、茶碗の壊れたものなどが全くない.材木運搬の為の機械が据え付けられていたとすれば、コンクリート基礎があっても良いのだがそれもない.炭焼窯の跡もない.?と思いながら、そこを通過するとやや広い釜を持つ小滝が出てきた.



7:10 出発


沢には工事後のゴミが散乱


左岸の滝は春来た時と違って水量は少ない


石垣の(何かの)土台跡 8:45


右にロープが垂れ下がっている滝
 小滝の手前には広い釜があり、さてどうしようか・・・. 取り敢えず三脚を立て撮影してると、木の枝と思っていた物が細いロープだった.これで岩をよじ登り小さく巻けということらしい.しかし、ロープは何だか頼りない.体重を懸けた途端ブッチッでドボンは悲しい.ま、釜の深さは腰上程だから溺れる心配はないけど、この季節に水は冷たい.ジャブジャブ通過してしまえば簡単なのだが濡れるのは勘弁だ.

 左俣には入って間もなくその左支沢に綺麗な滝が懸かっていた.遡行し明神ケ岳三山を巡った事などを思い出しながら、今日は右俣に入って行く.
  斜漠の上 水量の少ない沢で滝見えず緩く高度を上げている.本流に戻り3段mの滝を撮影.特に二段目の中間に立つと、上段の滝は中央に絞る感じで水を集め面白い.滑岩を登っていくが濡れ落ち葉が積もっていて良くすべる.すぐ上流に4−5m程の滝があり右を登ろうとしたが滑って戻される.無理は禁物なので左岸を巻く.沢は平凡なゴーロ沢になり少しづつ高度を上げて行く.本流の水も少なくなってきた.やがて二俣につき左俣は水が殆どなく岩を積み上げて湯西明神へ突き上げている(らしい).


 滑りやすく外傾した左をへつって、落ち葉が積もった滑岩を刺激しないよう(何故?)、そろそろと足を置きながら何とか回り込む.あとは水線を靴を濡らしながら登った.



2段15mの滝 上段は左に曲がっている 9:45


2段6m程の綺麗な滝


見上げれば紅葉が・・・


上流二俣 小滝の見える方が本流(と思う) 11:35



 水のある右(本流?)に入っていくとすぐに流木が折り重なった滝があり、その上に沢を左に曲げるように幅広の滑滝が立ち塞がる.水が少ないのがちょっと残念だがこれも自然.右、左と位置を変え駄目フイルム増産撮影を楽しんだ.丁度お昼時でもあり今日はおにぎりを作ってきたのでそれを食べたが、、、うん、んまい! 中身は粒タラコ、上に醤油ゴマをふりかけて半分乾燥海苔を被せたもの.おかずは沢庵、ベッタラ漬けに梅干.ミニトマトが二つ.イカの缶詰はやや甘すぎだがいける.本当はガスを持ってきて暖かいものでも作った方が良いんだろうが、カメラ、三脚を持ってきている時は重くなって駄目.実家の北秋田ではスーパーにすき焼きの缶詰や筑前煮の缶詰みたいなものが売っていたが、こちら(栃木)では見た事がない


6m滑滝
 6m程の滑滝は巻かずに右を登って行くが、これまた落ち葉が積もって滑りやすい.掴む物は右手の草、腐りかけた根っこ.誠に頼りないが、騙し騙し何とか滝上に出る.あれっ?下りはどうしよう.ザイルはあるが支点なんてまるでない.上に行くしかしょうがないか・・・.上のゴルジュは微妙にへつって(ここも、落ちても腿程度)通過.岩を積み上げてどんどん高度を上げていく沢は、水が更に少なくなってゆく.帰路、下降は大変だから尾根に上がり湯西明神の東尾根を降る方が良くはないか、今年の春に歩いたばかりだし、そこそこ踏み跡もある、、、と、自問自答.
 しかし見回してみると、どれも岩混じりの厳しい斜面.爺にはちょっと困難にみえる.僅か沢の上流へ行くと、右からガレルンゼが落ちている.足を掛け、2−3m登ってみたが、意外にしっかりしている.よしっとばかりに取り付きルンゼを登り、途中枯れ木がルンゼの中に収まり通せんぼしていた.右に逃げて、支尾根をめざしたが下生えもなく灌木もまばらなので、四つん這いになって這い上がる.
 支尾根に登り着き一息つくが終わりではない.この支尾根を登って東尾根に出なくてはならない.急斜面ではあるが沢のすぐ脇程ではなく、四つん這いにならなくても済んだ.何とか調子よく登っていくが、そのうち枯れた笹(スズタケ?)の藪が出てくる.藪そのものは密ではないが、この枯れ笹がパキパキと良く折れる.なまじっか、2−3本掴んで身体を引き上げようものなら、パキッとくるので油断ならない.更に折れた笹が前進しようとする足(はスパッツがあるが)、桃に向かってくる.何とか掻き分けながら登るしかないが、結構時間が掛かってしまった.


上のゴルジュ


この小滝の上で遡行打ち切り


急なガレルンゼ


掴まるものがない急斜面 膝をついてのオッカナ撮影です


息が上がり、紅葉を見ながら一休み


枯れているスズタケは登りで”くせもの”です
 湯西明神から延びる東尾根に着いたのは午後3時丁度.2時間で上がれると予想したのに2時間半も費やしたとは・・・・缶コーヒーを飲みエネルギーを補給し休憩もそこそこに尾根を降る.この時間なら何とか足元の明るい内に一つ石の道路へ出られるだろう(とタカをくくっていた).1300m付近の緩斜面を降る時予想外の事が起きてしまった.何と、目の前に広がる景色の素晴らしい事か! 日向明神と明神ヶ岳の尾根全体が紅葉で染まっていたのだ.特に湯西明神の栗山沢側には黄葉(カラ松?)が味を添え、とても見事である.各地で今年は各地で紅葉が遅れているという.お陰で息を飲む光景に出会えたのでもある.
 惜しむらくは、太陽が山の陰(此処では明神ヶ岳)になってしまい、明るさが不足.タラレバではないけれど、もしもう少し早い時間だっタラよかったのに.滝撮影にあまり時間を掛けなけレバ良かったのに. コンデジでどれ位この光景を表現出来るか判らないので、三脚を出してNikonF3で撮影.日陰部分は青みがかるかも知れないが、パチパチやる.(←出来があまり良くありませんでしたので未掲載(涙))
 気が付いたら16:00近くなっていた(←予想外の事)


支尾根に着き少し緩やかになりました(1350m付近)


東尾根に到着です 15:05


素晴らしい眺めです (1300m付近から北方向)


東方向だったかな?


少し東南寄り


左、明神ヶ岳 右、湯西明神(1574P)
一つ石へ下る下降点に差し掛かったのは既に16:50.最後の樹林帯はヘッデンだな、、、と覚悟を決め、前回見逃した下降点を探したがやはりみつからない.時間をかけてもしょうがないので前回同様適当に降りていく.30m程下りた所でまたブッシュの中のイバラ系に突っ込んでしまった.そろそろと何とか脱出し、右に寄りすぎない様下降していくが、前回みつけた踏み後に行き当たらない.その内出るだろうと更に下降を続け急斜面の鹿道を追っていく.時々GPSで位置確認を行うが此処までは問題なかった.
 
 しかし850mの辺りで間違えたらしい.下生えのない樹林の中を降りて左に沢形が出てきた.これはあの道路のフェンスに続く沢形だな?と、その時はそう思った.しかし、その沢形が徐々に急になり、滑岩で形成されてくる.ん?(おかしいと思ったが薄暗く)下の方が良く見えない.又、トンネル出口の明かりが見え、今下りてる方向と道路が平行だ.本来なら道路に下りる尾根だから直角でなければならない筈.ここでヘッデンを点け、少し降りて沢形を見てみると、何と急激に落ち込んでいるではないか.やっと間違えた事に気付きGPSを確認すると、栗山沢1本目の右支沢左岸尾根(標高800m付近)にいるではないか.このまま支沢に降りて、栗山沢に出ようかと思ったがヘッデンの明かりだけでは様子が分からない.ここは一旦登り返し830m付近で沢形を二つトラバースして尾根に上がったら、そこにはテープと踏み後があった.(17:40)

 車に戻り、ホッとして空を見上げると、天の川が輝いていた   Photo Nikon S6400

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.