滝見と山登り

鹿沼市
本沢〜薬師岳
やくしだけ:1250m



                  



2009,1,8 訪問


(時間やルートは参考にしない事)
              
   先日のイセツ沢遡行で、途中計画を変更した為この本沢が気になって仕方がなかった.正月明けで仕事がやや忙しかったが、天気も良いのでつい出掛けてしまった.ま、急な打ち合わせでも入ったと言っとけばいいだろう.携帯なんか爺はしょっちゅう忘れて怒られているから、又、しょうがねーなー で、済むだろう(済むかな?(笑))

 東大芦川は大滝の上流で右(日光沢)と左(本沢)に分かれている.本沢には地形図にも表記されている「ナル滝」と本沢の支沢に「棒滝」がある.この二つには、結構訪れる人も少なからずいる様で、以前は支沢との分岐に案内看板なども設置されていた(今は無い様である)

 イセツ沢に行った時と同じ広場に車を駐め支度をして地図を眺めた.今日の計画は本沢を遡行して稜線に詰め、その時刻によってその後どうするか検討する.概ねは、稜線から夕日岳か薬師岳に回りたい.が、(遡行に手間がかかり)時間的に無理ならば最短で帰れるルートを考える.

 岩を切って落としている細い5m位の滝が上にある沢の橋を渡り、ほぼ廃道に近い林道を本沢沿いに進んで行く.此処を通るのは数年前「ヒノキガタア沢=棒滝のある沢」を遡行して以来なので懐かしい.
 

何だかカメラの調子が悪く、白い縞模様が時々入る
暫くして直ったので、良かった


岩溝を切って落ちる滝


工事用林道


堰堤のある方は本沢、手前がヒノキガタア沢
  本沢の綺麗な眺めを左下に見ながら歩いて行くと、猿が数匹林道から右の斜面に逃げて行った.今の時期は食べる物が無くて苦労している事だろう.大きな堰堤がある所で沢に下り、雪が積もっている河原を歩いていく.まもなく、棒滝がある「ヒガキカタア沢」出合に着き、右に入って行くと大きな岩があり越えて棒滝が見える.寒い事は寒いが、滝はそれほど凍ってはいず、左右にツララが出来ている程度だった.

 久し振りなので少しゆっくり見物し、撮影を終え出合いまで戻って本沢を歩く.少しだけ遡行し、すぐに左岸の踏み後に登った.沢のすぐ上流にはナル滝もあるのだが、滝手前のゴルジュには淵があり簡単に通過出来そうにない(と、判っている)ので、左岸にある踏み後を辿って滝を回り込み上流の沢に下りる予定だ.

 踏み後は林内に入ると、雪が無くなり歩き易い.以前にも一度来ていて概ね判っているのでどんどん先を行く.途中、上からナル滝を少しだけ見られる所があるのだが、踏み後の位置からでは木々の間から僅かしか見えない.ただ、適当に沢の方に下りていっても全貌を見られる訳ではないし、滝下へは崖になっていて下りる事は大変だ.




棒滝




棒滝



本沢左岸の踏み跡を辿って沢に下りる


ナル滝上流右岸の滑滝
 ナル滝の上流100m位で沢に入り、一応滝の頭まで行ってみる事にした.此処へ来るのは2度目で、その時も丸い大きな岩がデンッと滝頭に鎮座していたが、流れもせず健在だった.この滝の岩登りなどをやってるんだろうか、岩に金具が打ち込まれスリングが施されている.そのスリングに掴まり、恐る恐る滝下を眺めてみた.

 通過には水を腰まで浸からなければならないゴルジュが見える.が、水が少ないせいか水面すぐにバンドが現れて通れそうな気もした. このナル滝は落差12−3m程であるが、滝の正面は崖で引きが取れない.正面に立つと思いっきり飛沫に濡れてしまう.

 滝の上流、右岸には細い糸の様な滝が落ちている.長さ(高さ?)30mは見える部分で、その上にも続いている様であるが、岩を伝う水量が僅かなので迫力には程遠い.が、滝下が碧色を輝かせ凍っていて清々しい.こういうのでカキ氷を(業務用の機械で)作ったら、さぞや美味しいだろう.頭にツーーーンときて・・・


ナル滝頭の大岩


ナル滝頭から滝下を俯瞰



左支沢、5−6m位


 沢は平凡な流れが続き、しばらくは歩き易い河原と斜面の境付近を選んで上流へと行く.清流の中に氷の芸術や黒い小鳥を見ながら、20分位(=標高900m辺り)遡って行くと左沢に勾配の緩い滑滝が50m位続いていた.水量は1:5位で近づいて上を見ると、滝の様なものも見える.滑滝は一部凍っていたり雪で覆われたりしているが、登って行けそうなので滝迄行く事にした.

 水量の少ない5−6m位の滝で、左右にツララを創り優しい水音を立てていた.滝は右に手掛かり足掛かりが多く、困難では無い様だったが上に期待が出来そうにないので、二俣に引き返す.右の本流は相変わらず平凡で、滝はない.積雪も少しづつ多くなってくる.
 澄んだ青空を見上げ期待薄かな・・・と、思っていたら落差はないがCSを抱えた3m程の滝が現れた.左岸手前に立派な氷柱を従えて、氷の下に水を落としている.休憩がてら少しじっくり撮影する事にした.




氷が透明で綺麗




沢の様子




右岸涸れ滝

 右岸に、3段30m位の涸滝が氷瀑と化しているのは、なかなか凄い光景だった.しかし、その後小滝が数個続いた程度で1080m付近の二俣に着いた.左俣が水量が多く本流(3:2)と思われたが、右俣に滝が見えるので、まずそっちを見る事にする.

 登って近寄って見ると2段で6m程の滝だった.撮影を終えてどうするかを考える.二俣に戻って本流を詰めるか、このまま稜線まで登ってしまうか、判断に迷うところだ.本流を詰めると、夕日岳が近いので先日歩いたルートで帰る事になる.しかし、薬師岳も捨てがたい.今から二座は無理なので、此処は稜線まで詰めの距離が近い右俣(今いる所)を選んだ.

 が、良く地図をみるとこちらの方が等高線が密である.が、が、それなら滝も期待出来るのではないか・・・と訳の判らない結論で右俣決行となった.

 まず、目の前の滝は右(多分ザレ場)雪の斜面を登り、僅かのトラバースで滝上の岩陵を回り込んで、沢に下りた.150m程行くと4−5m程の滝があり、左を登って行けそうだったが楽そうな右を巻いてしまった.



右俣2段6m位




4−5m滝は水が少ない

  これが、いけなかった.滝上の斜面が崩れていてすぐには下りられない.グングン上に追い上げられ、何とか下りられる所をみつけた時は結構疲れてしまった.沢は、水が涸れてしまい急速に高度をあげていく.1150mの二俣で中央の尾根に取り付き登り始めたが、やや固い雪は所々で踏み抜き疲労に拍車をかける.

 クタクタになりながらも少し登って右の斜面を眺めると、日が当たっていて雪がない.良かったとばかり沢を横断し雪のない斜面をトラバース気味に登っていった.登りだが、雪がないと凄く楽である.膝までの笹の中をほんの少し登ったら、稜線の登山道にとび出た.そこは1400mピークの少し南であった.

 さすがにホッとし、ザックを下ろして休憩をとった.(地図で)薬師岳と夕日岳のほぼ中間的な位置だが、登り下りの点で薬師岳の方が楽そうに見える.問題はその帰路だが、、薬師岳から三の宿山に至る稜線上から、棒滝傍の林道終点に下りている尾根がある.林道に着けば多少薄暗くなっても、歩行に問題はない.
 
 ああいう尾根には大概踏み後があるもので、以前林道終点に来た時は、仕事道みたいなものが林内に登って着いていた.仮になくても、(多く見て)薬師から2時間半みれば、林道に下りられる、と、読んだ.さて、どうなるか(笑)  今の時刻は午後1時15分.薬師岳に向かって雪の中を歩いた.



1150m付近の二俣


雪の無い斜面


登りに疲れて立ち止まり振り返る.夕日岳か?


下から登って来て鹿道をみつけ、ホッとする



(左から)稜線の登山道に出ました.向こうが夕日岳方向

 雪道には動物の足跡だけで人間の足跡らしきものはなかった.きつい起伏はなく、ゆっくり登ったり下ったりして、「薬師の肩」に着いた.そこからは二人か三人の足跡が確認出来た.細尾峠から登ってきたらしい.結構こんな季節に登山者がいるものだ.

 登る途中、木々の
間から皇海山が割としっかり見えた.近くでは道のすぐ脇に真新しい動物の死骸があった.タヌキではない.鼻が突き出ていてミケネコの様な毛並みをしているがキツネだろうか.猟師に撃たれ此処まで逃げて力がつきたのだろうか.

 間もなく薬師岳の頂上に出た.北面が開かれていて、女峰山や日光の市街が一望出来た.遠く高原山や那須の山々も良く見える.しばしの眺望を楽しみ、三の宿山方面の尾根を下り始めた.



薬師岳に向かって・・・


薬師の肩


野良犬でしょうか? キツネやタヌキとは違う様です


山頂手前の祠



樹間から皇海山が見えました ♪




薬師岳山頂 日光連山がよく見えます




・・・



さあ、薬師岳から下降しましょう


三の宿山への稜線
  尾根上の雪の無い所は踏み後がはっきりしていて歩き易かった.木の間から遠く山々が見えるのも嬉しいが、葉の多い季節は展望のきかない樹林歩きになる.GPSを確認しながら歩いて(林道終点に下っている尾根は)此処から派生している尾根だろうと、見当をつけたらその尾根分岐には頭部に赤いペンキが塗られた標識杭があった.更に、下ろうとする尾根にはやはり薄いが踏み後があった.

 気分良く下っていくと木々が無くなり、開けた細尾根下りとなった.左に大木戸山が立派な風貌を見せていて素晴らしい.小ピークに出たら、眼前に夕日岳が太陽を背にして大きい.切り株に腰掛け、水を飲みながら景色を味わった


踏み後を外したり、見失ったり、ブッシュに悩まされたりしながらも、桧の樹林帯に入って(少しだったが)藪から解放されると、下の方から沢音が聞こえてくる.そのまま一気に下り林道に出た時刻は予定より30分早かった.



この標識杭で稜線から別れます


下降尾根、薄いけど踏み跡があります



目立つピークは大木戸山




お! 展望が良さそうな小ピーク




小ピークから望む夕日岳(ちょっと逆光気味)



桧の樹林帯を下降


フェンスに絡まった鹿の頭部付角



荒れた林道

 Photo PENTAX Optio M40  
 

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当レポは
写真撮影だったり適当に歩いたりで、時間やルートは参考になりません.
仮に当レポを見て行かれる場合は予め情報を収集していただき、計画を
充分に立ててから実行して下さい.